【PFT】椿真珠物語8

よし(北雪恵子)

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【物語の最初から】illust/56065757

今は昔、新津の地にて。

亡者の手を掻い潜りillust/56605212、香炉の神・撤嘸至於の煙に導かれてillust/56931257連は駆けていきました。
後ろを振り返っても彼女の姿はありません。
ずっと背中におぶって旅をして来た香炉の神は、若那を求める連の背中を押したのです。

「撤嘸至於!撤嘸至於!お前と某の旅はまだ終わりではないぞ!必ず戻ってくるのだぞ!!」

連は撤嘸至於が手渡してくれた紐飾りを握り締め、ひたすら走り続けます。
王都の道を突き進み、向かうは連が生まれた新津の王宮です。
この先に若那はいるのでしょうか?それすら彼にはわかりません。

駆け抜ける彼の目の前に、一陣の風が吹きました。
鋭く野蛮で、血色をしたその風は、娘の姿で連の行く手を阻みます。

「あるじ様!私を覚えておいででしょう!?」
「左様、某は貴様を覚えているとも、椿切刀!!」

連に刃を向けた椿姫は、声高々に申します。

「あなた様はわたくしと、鬼を妖魔を人間を、斬り捨てる旅を続けねばなりません!
 あなた様はそのように父王に命ぜられたはずでございます!誓いを違ってはいけませぬ!
 あなた様は荒雲神よりわたくしを授かったillust/56319169、御諌めするのもわたくしの役目にございます!」

「某は人斬り剣ではないのだ、首切り刀!鬼も妖魔も人間も、某は斬るのはやめたのだ!
 認められるために人を斬って、ただ命令に従うだけの、道具になるのは辞めたのだ!!」

「あなた様が鬼斬りをやめたとて、私は辞めたりしませぬぞ!
 わたくしは剣にございます!わたくしはそういうものにございます!
 さぁさ私を握っておいきなさい!!また斬って回るのです!!
 いかぬのならば貴様などもう要らぬ!!その御首わたくしに斬られてしまえ!!
 御首だ御首だ!!そうだ、わたくしは鬼斬り連の御首がほしくてたまらない!!」

言うと姫は剣を振りかざし、連に襲い掛かります。

「まぁま、喧嘩はおやめなさい!
 御首を斬るなんて恐ろしい…さぁさ、そんなものは仕舞いましょう?
 仲直りをいたしましょう?」

どこかで声が聞こえます。鈴のように愛らしい娘の声が連の耳に届きました。
連はその声を、たいそう懐かしく感じ…

「…若那!」

―― 一瞬の隙をつき、椿切刀の刃が連の御首にかかりました。

//お借りしました
死を葬る香炉・終朱摂ちゃんillust/55954900

//大連武尊illust/56065757
//首狩り椿姫illust/55672182illust/56318852
//阿古屋真珠比売illust/55722931illust/56647581

//四章活動宣伝(皆様ご参加ありがとうございました!!)
//海神真珠貝兵団illust/55643952
//自キャラタグ:椿真珠物語 自キャラ用タグですが真珠姫・椿姫との交流の際に是非!
//タグ提案【嵐の大海演乱舞】illust/56221246

//第四章「新津新天地編」illust/55643642、オハラ国illust/55643541
//「新津新天地編」最終章結果発表illust/56686568

//テーマ企画【illust/49662235

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2016-06-03 08:19:32 +0000