【新津今昔物語】前illust/56066912 次illust/56319169
昔々、新天地が閉ざされるよりずっと昔。
天下無二の強さを誇った大連illust/56065757は天女の若那illust/56066912を好いてからというもの、
すっかり気が優しくなってしまい、戦へ赴く事を嫌がるようになりました。
そんな大連に腹を立てたのは、新津王より授かった連の愛刀『椿切』です。
「貴方様は私(わたくし)と、これまで散々あちこちで、鬼を妖魔を、人間を!
斬って斬って斬り捨ててきたというのに!いまさらそれを辞めると申すのですか?
貴方は私を伴って、王の命に従わねばならぬというに、
たった一人のおなごに惚れて、嫌だと駄々を捏ねるのですか?」
これまで連はそれはそれは沢山の者共をこの『椿切』で斬り殺して参りましたから、
いよいよその業が巡って来たのでしょう。
「もうこれで最後」と戦へ向かった大連でしたが、怒った椿切がついにポキリと折れてしまい
連の御首は鬼の手によってチョンと刎ねられてしまいました。
すると折れた椿切の切っ先は宙で娘の姿に転身し、連の首を刎ねた鬼の御首を刎ね飛ばします。
「なるほど、主など要りませぬ!
人の味も鬼の味も、私はすっかり覚えました故、ほぅらこんなに上手に化けられます。」
娘は地面に転がる2つの骸を蹴り飛ばすと、風の如く戦場を駆けていきました。
【妖刀・椿切姫(ツバキリヒメ)】(つまりこいつillust/55672182)
新津の昔話に出てくる『鬼斬り連』の愛刀。
荒雲神illust/55643544の加護を受けた戦刀で、新津王から各地に成敗へ赴く連へ授けられた。
連の鬼斬りの業を一身に受け、ついに主の手を離れて独りでに歩き回る様になってしまった。
長い年月の中、戦場を渡り歩き、現在でも血を求めて彷徨っている。長生きしすぎて記憶が曖昧。
命が宿っている為か古い刀とは思えないほど切れ味が良く、現在も折り紙付として名前が上る。
//【悪刀巡り】illust/55704033に参加です!
//第四章「新津新天地編」illust/55643642、オハラ国illust/55643541
//第三章「神々の試練」illust/56205940
//テーマ企画【illust/49662235】
2016-04-11 18:02:32 +0000