【神日】 ファルド 【第三階層】

ひつじ
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◆神様の生まれた日【illust/46838532】に引き続き参加させていただきます。

◇ファルド|Lv.3|男|160cm|一人称:ぼく|二人称:きみ、あなた、名前
 11月9日:トパーズの守護石・猛禽類の特性
 第一階層【illust/47624884】命途:アリオールカ【illust/47469320】9月3日:サファイアの守護石・魚の特性|ともだち
 第二階層【illust/48003214】命途:ベベルッケ【illust/47971552】5月10日:エメラルドの守護石・海獣の特性|ともだち
 正反対の様な、似ている様な少年と出会い彼の感性に刺激され今までと違う考え方を学んだ。
 またその過程で人と遊ぶことを経験し、勇気を貰い、他人を更に知りたいと思い、「愛」に興味を抱く。
 拙い会話をしてきた彼だが流暢にしゃべる会話を繰り返したところすこし会話がうまくなりレスポンスへのラグが少なくなった。
 ◆武器
 海獣を模した形の大きな弓と、自身の羽とおなじ矢羽の付いた矢。
 矢は自身の羽を一枚引き抜くと矢になるが減っているわけではない模様。
 元々道具に興味深々だったのもあり初めて手にした自分の道具
 それも人間の知恵と思考の凝らされたそれに解りづらいけれどテンションだだあがり。

◇素敵な命途を結んでいただきました!
 クロエさん【illust/48818472
大きな音を立てて閉じた扉を一瞥し、広いホールにいるもう一人をみた。
アリオールカとも違う鮮やかな青い髪をした少女もゆっくりとこちらを見やって来た。

「一緒に頂上を目指しましょう」
少女は大きな瞳でこちらを見てから鈴の鳴るような声で声をかけてくれたのでありがたく快諾してそっと横に並ぶ。自分のより小さい彼女の手の内をみて少しだけ安心した。弓は準備に手間がかかるし間合いを詰められると不都合だ。それに対し彼女の剣ならばお互いの短所を長所で補える。
そう思いながらとりあえずなにか、と口を開こうとしたとき何かが音を立ててとんできた。
避けるか、飛ぶなら彼女を連れて、そう思ったとき目の前に青が踊った。

「大丈夫!?」

目の前へきた何かを切り裂いた彼女は長い髪をなびかせ振り返った。えぇ、と返事をすれば安心したように笑って先を促す。助けられてしまったなと思った。それまではよかった。彼女はそのあともすべてのイタズラへ身を呈してゆくのだから。
その数が片手を越えて彼女が階段を踏み外した時ファルドはついに耐え兼ねた。
はじめは楽しくみていたイタズラも、ありがたく思った彼女の助太刀ももうそれどころではなかった。ぐるぐると回る頭を沈めて心配、不安と一つ一つ当てはめていく。

「あ、危ないことはしないでください。お願いです。ボクは貴方に傷ついてほしくないんです。ゆっくり共に行きませんか」

もう飛び出されてはかなわないとそっと手を差し出せば彼女は大きく瞳を瞬かせてそれからゆっくりと手を重ねてくれた。その時はじめてその手が自分のより一回りも小さいことに気付いてこれは慈しまなければいけない存在だと、なんだか強くそう思った。

足並みをあわせて、ようやく落ち着いた心持ちで歩んでいけばぽつりぽつりと会話が生まれる。それはとても楽しい時間だった。
彼女はファルドの知らないことを沢山知っていたし、彼女の使い魔もいままで会ったという他の神候補もファルドの出会ったことのない要素を持っていた。獣に触れたことがなかったので彼女の耳はとても興味深かった。
けれどそれ以上にいままでのことや自信の事を話す彼女の表情がなによりもファルドにとっては新鮮だった。泣いて、笑って、くるくると代わる彼女の表情は見ていてとても楽しくとても心が暖かくなった。
彼女といるとアリオールカとも、ベベルッケとも違う心持ちになった。出会い頭の自分を投げ出すようなどこか危うい様子のせいもあったのかもしれないがなんとなくしっかりと手を取っておかねばという気持ちになった。
とはいえ勇敢な彼女は危うくなればするりと手を抜けていくのだけれど。

そんな彼女にひとつ、彼の言葉を問いかける。

「愛とは、なんだと思いますか?」

彼女の会話のなかには自分が持ったことのない、他者への心が伺えた。だからきっとなにか答えが、それか自信の導になるなにかが得られるのかもしれないと思った。
彼女はゆっくり、ゆっくりと考えてくれた。

「誰かを大切にし守りたいと想う心…かしらね」

守りたい心、そう聞いたときなんとなくストンと落ちるものはあった。まだ形は見えないけれど彼女の手をこうしてとっているのはきっと、一つの愛なのだろうと。
彼女は代わりというようにファルドにも問いかけた。

「人はなぜ争うのだと思う?」

ファルドにとってそれは考えたことのないものだった。
彼にとって争いとは決して悪いだけのものではなかった。道具や機械の発展の裏には総じて大きな争いがあったものだ。何かの目標をもつこと、切磋琢磨しあう相手がいることは悪いことではないと。
そう伝えれば彼女は目を丸くしてゆっくりと頷いた。
けれど彼女の言いたいこともわかる。なぜ人は傷つけあうのだろうか。ファルドは彼女が傷つくのは嫌だと思った。きっと誰だって嫌なはずだ。でも、だから、傷つけるのだ。

「大切な誰かを守りたいから」

それは彼女の言う愛と同じだった。
そこまで話したところで階段は途切れ目の前にあった何枚目か解らない扉を開く。
そこに広がっていたのはどこか暖かい無人の部屋、踏み込むと笑い声が響いて目の前に妖精が表れた。ゆっくりと近付いてきたそれに手を離そうとした彼女の手をきゅっと握ると妖精がやんわりと抱き締めてきた。
また、お別れなのだと気付いて握り直した手を今度はこちらからそっとほどいた。

「ありがとうクロエ。君には色んな事を教えてもらった。ボクは君が大切で愛おしいと思うよ、だからもうあんな無茶はしないでおくれ。」

妖精の笑い声に急かされる様に扉を潜るとき、どのとびらでもそうだったがこんなにも時間が惜しいものだと卵をでて初めて知ったと思った。どれもこれもとても楽しいものだったから。
 (編集中)

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2015-02-06 21:19:23 +0000