企画元:ポラリスの英雄歌【illust/80979654】
*第3期運命数に該当しました。
「そうだな。河はなんでもはこんでいくけれど、ただひとつはこべないものは。あなたの手が持ちうるものか?さて、そこにあるには違いない」
■ ウルイルリ
26歳/男性/177cm
所属:緋獣国 総ポイント:125pt 運命数:8
母:イヨサルカ【illust/84267672】 総ポイント:50pt
父:コルウェンさん【illust/83916557】
姉:アルティングルさん【illust/84866580】
「むかし北端の岬を見に行ったろ、あの沖合に島を造るんだ。橋を架けるのと要領は同じでも今度は地図が書き換わるだろうな。選んだ道とはいえ不思議な手触りがする。うん、俺は大丈夫。そう心配してないだろ?分かるんだ」
「やあよく知った顔がいる。…いやまさか、滅相もございませんお姉様。告げ口するまでもなく父さんはご存知だと思うけれど。何にせよお帰り、アルティングル」
「何を笑ってるのかって?小さな女の子じゃなくてもね。あなたに愛されたらあなたを愛したくなる。誰だってそうだよ」
スキル
【転変】魔性に変じる呪法。雲霞を纏う四足のけものに成る(雪白の熊はお山にいないだろうと思っている)
【頑健】傷病や苦痛への耐性。両の足にて土踏みしむ。
▼ 婚姻関係:緋獣国 秋錦さん(illust/85097592)(11/6)素敵なご縁をありがとうございます!
乞われて人を買った。
この世のものとは思えぬと声を潜める下男を嗜め、行くあてがないと震える細い肩に外套を羽織らせる。
秋の彩映す黒髪に白い背、足下に玉虫色のかげが揺らめく。伏せた睫毛からはらはらと涙をおとし、紅い唇が感謝の言葉を象った。
――よく出来ている。
過ぎった考えに騎竜が気配で応える。と、俯瞰をなじるように視界の端で火が弾けた。
彼女の『追手』はやってこない。黒々ととろむ影から、あるいはこちらを窺っているともしれなかったが。
*
果たせるかな――何ひとつ奪うことなく――女賊は逃げおおせた。
ほんのひと時庭を満たした彩、ささめく笑い声。残り香をかき消さんとばかりに風がびょうと通りすぎる。
身が危うくなったらこの庭に身を隠すといい。夜に溶ける背に放った言葉はいかにも空しい。
眼前の富に呼び起された欲や衝動ではあるまい。
怨みを支えに生きる危うさを知らぬとも思えず、しかるに呪いに突き動かされ、足を取られた彼女は無謀な身売りをきっと繰り返す。流砂の澱は力強く、沈みゆくものにひどくやさしい。
美しい手をもつ女放浪者。行く先々でその影を垣間見、そっと息を吐いた。
なればこそ、追うは容易い。さらうことすら。
月のない夜、闇が明々と燃える。
吠えたてる獣と荒い息遣い、白刃のきらめき。
竜が牙を剥いて吼えた。
「哀れみなど。真実あなたが自身にかけてやれた手間だろうに。口で言うほど世に自ら選べる物事があるでもなし、選んだためにすべて今の生があるわけでもない」
「善悪の話をしたろう。無意識で生きることが理想というならともかく、あの時のあなたは何も言っていないも同じだ。
飢えた経験がなければ痩せた手を取ってはいけない?私はそうは思わない。あなただって決して踏みつけにされなくていい」
空は白み、朝日に照らされた表情はぼんやりとしてどこかいとけない。
もしかすると取り上げたばかりの赤子に似ているなどと、いや失敬、彼女を抱えなおして笑った。
*
「あなたには何度も驚かされる。悪い夢から覚めた?いや、きっとご存じだったのだろう。
容あるものは常に移り変わっていく、そのさなか自らの影を引き連れ、こうして在ることの意味も」
「秋錦、手を。あなたに差し上げたいと思っていた。ここはもう、とうにあなたの庭でもあるんだよ」
渡りくる客人はこれを常磐木の庭と呼んだ。
けれど心は思うさま根を張り枝を伸ばし、朱に紅に、鮮らかなにしきを粧うといい。
やがて山眠る頃、はらとおりる一片が霜にも褪せぬものであればなお。
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婚姻その他の関係につきましては運命数や所属を問わずご縁がありましたら幸いです。
展開におけるNGや来期以降に関わる決めごとはとくにありません。
わりあいニュートラルでタフですが甲斐性はあまりないかもしれません。
メッセージのやり取りの目安として申請関係2~3日、そのほか1週間ほど頂く場合があります。
不在がちのため細やかな交流はできませんがどうぞよろしくお願いいたします。
2020-11-01 08:35:41 +0000