■アルティングル/女/27歳/157cm ※運命数に該当しました為4期は故人です。
所属:白雨国 総ポイント:50pt
運命数:0 スキル:竜導之道/転変
父:コルウェン(illust/83916557)【20pt】
母:イヨサルカさん(illust/84267672)
「冬の見習い期間は辛かった…空腹に耐えかねて干し柿を3つ食べたら父様に冬の蓄えを一気に食うなと叱られたのも懐かしい。ふふっ慣れてしまえば渡り鳥も案外よいと思えるのだから私は単純ね。自ら選んだ道よ、後悔などして…いや母様と過ごせないのは嫌だわ。これは嫌だったわ」
弟:ウルイルリさん(illust/85390988)
「庭をね、造りたいとずっと思っていたの。家のように大きなものでなく小さな庭を。お前が島を造ったら庭を造らせて頂戴な。お前が地図を書き換えて、私が庭を造って、時が経てば小さな庭が栫を超えて大きくなって立派な緑の島になるわ。面白いでしょう?」
「ウルは筋が良かったって、父様も爺様方も口を揃えて惜しむものだから拗ねて帰ってきてしまったわ。嘘よ、小さな女の子じゃあるまいし。冬が来る前にまた顔を見せておやりなさいな」
「同じ血が流れているのに騎竜の質は不思議と違う。…ウルイルリを頼みます。そう、いい子ねお前は」
竜導師と転変の一族の女性との間に生まれた娘。明るく飄々とした性格。
魔性の成りそこないだが、生まれ持った魔力は高い。
10代半ば頃に家の財政の為に出来ることを考え父に倣い竜導院へ入り竜導師となった。
現在は各地を馴致する旅を満喫している。
女人ゆえの非力さをよく分かっている為、できぬことはできぬと割り切った振舞いをする。
本当は出来ることもせずにいるので若干タチが悪い。
力仕事においては、転変して事なきを得ている。
度々実家へ赴いていることは父に秘密。(ばれてる)
自身の騎竜は白い鳳型の竜。
彼女の馴らす騎竜は気まぐれな性格だが何処か茶目っ気があり愛される。
■スキル
竜導之道:騎竜を馴らし自身を育む修道
転変:魔性に変じる呪法。雲霞を纏う四足のけものに成る。
「本当に恐ろしいものは何でありましょうか。影、悪夢、離別、それとも死?」
「野山は素直でよいですよ。良くも悪くもありのままの体を現すのですから。ヒトほど拗れたものはない。しかし侮れば一気に襲い来る。何のことですって…?さぁ、何かしらね」
「騎竜たちは鏡です。竜導師を、己を映し出す。ゆえに驕っても恐れてもならぬと…」
■婚姻:青月国 漆さん (illust/85114782) 素敵なご縁を有難うございます!
騎竜を求める隠の為に、彼らの拠点に師父達と共に赴いたのは静謐な晴天の日だった。
重々しい空気を纏った隠の男達が音も発てずにするりと部屋に入ってくるのが面白くて。
最後に入ったのが筆頭である彼だった。赤い瞳に一対の角、まさに鬼の様相という出で立ちに少し恐れを抱いたのは嘘ではない。
全てを見透かすような赤い瞳が、己が中に流れる魔性に通じるようでどこか恐ろしかったのかもしれない。
ふと声を掛けられて拠点を見まわる間、気遣う声色は静かで穏やかで。瞳もまた同様だった。
家路に就く途中、青月国の街を通過した日は雲の堤が浮かぶ空。
商店の前で品を見繕うあの赤い瞳の主を見つけて思わず声をかけてしまった。
騎竜達は元気かと聞けば、今朝の様子を楽しそうに語ってくれる。
善い人達に迎えてもらえたならばよかったと安堵しつつ、穏やかに話す彼は朗らかだった。
騎竜の話と青月国の名物は何かなど小話をしながら店を巡る道中は楽しいものだった。
家族に馳せる思いにどこか近いものがあったようで、話は弾んで両手には土産の山が出来ていた。
彼が荷物を持ってくれるというので遠慮なく家まで持ってもらったことは懐かしい。
隠と竜導師。共に渡り鳥のような存在だが、彼とは青月国周辺で出会うことが多かった。
度々会うものだから、任務中など困ったことがあればこれをと馴らした妖鳥で文のやり取りが始まった。
彼の字は父に似て硬質だがどこか憎めない文字で、人柄がよく出るものだと思わず笑ってしまった。
最初こそ騎竜の話が主だったがくだらぬ話も少し交えたりと、一人旅の合間の楽しみだった。
『次の上弦月の日に竜舎へ参ります』と書けば、『承知』と簡単な返事。
少しよれたその文字がまた不器用さを表していておかしくて。
「前後に何を書こうと思っていたの?」
嗚呼何だか愛おしい文字となぞって頬は緩む。
隠の拠点を訪れた上弦月の日は雨上がりだった。
嗅ぎなれた竜導院の香木の匂いが、雨上がりの土の匂いと共に立ち上がっていた。
随分と馴染んだものだと機嫌よく歩を進めて筆頭の、彼の元へと馳せ参じた。
騎竜と竜舎の確認を終えて、筆頭にその報告をした後のもてなしにも慣れたもので。
そのうちに日が沈み、群青の空に浮かぶ上弦月を眺めながら一晩拠点で過ごす。
涼やかな風の吹く中、文の話をすれば少し狼狽える様の彼がおかしくてそのまま立て続けた。
手紙の貴方は、不器用で思慮深い人。(よれた文字の先を教えて)
隠の筆頭の貴方は真面目で朴訥な人。(鋭い眼差しは刀のよう)
普通の男性の貴方は家族思いの優しい人。(くしゃりと笑う顔はとても可愛い)
どの貴方も慕わしい、と上弦月の空に向けて。
「…嗚呼駄目ね、こういうことを口にするときは目を見ねばと思うのだけれど…」
あの赤い瞳を見て竦んだのは遠い日のこと。全てを見透かすような赤い瞳が怖かった。
恐らく次に言おうとしていることも、彼にはお見通しなのかもしれないとさえ思う。
「漆様、貴方の心を私にくださいませんか?」
文と同様、短く承知と返してくださるのかしらと期待を込めて。
貴方の赤い瞳は今や私の心を掴んで離さないのだ。
『貴方は抱え込む人だから 寂しさも悲しみも全部家族と分け合って。ちゃんと子らと泣いてください』
貴方がかつて出来なかったこと。今なら出来るでしょう?
最後の文には一等愛した金木犀を。季節が巡る度この芳香が貴方を包むわ。
2020-10-07 13:15:21 +0000