エリマク(成体)
召喚士の首回りに居座っていた魔物が、龍呼びの魔術書と召喚士の魔力を浴び続けたことで成体に変化した姿。
側にいると魔力消費量がかなり減る。省エネモンスター。
魔力に惹かれる性質はこの姿に成長するためである。
ちなみに乗り心地はフカフカ。
大人の姿になれたお礼に、恩人を行きたいところまで連れて行ってあげようと思っている。
----------------------------------------
「本当にい~のかよ。我の力をもってすれば、精霊界から借りパクできんだぞ?
その身体を返したとき我との契約も終了し、今までみて~に身体がないままうろつくこともできなくなる。
そうなったらいずれ……分かってんだろ~なオイ?」
「珍しく心配してくれんのか?
……おう、もちろん分かってるさ。
そりゃ俺だってこのままでいたいさ。
だが、お前も約束を守る杖なら理解できるはずだ。
犠牲をもって力を成した以上……精霊の理を魔術でねじ曲げることはできねえ。
たとえ精霊王の庇護化にあるこの国にいたってダメなんだ。
魔物や精霊の力を借りる立場の召喚士が、決まりを勝手に破るわけにはいかねえのさ。
お前むちゃくちゃな杖だったけど、俺は結構楽しかったぜ。
ちゃんと約束守る杖だったし、お前と組んで良かった。
……ちょっとおしゃべりが多かったけどな」
「あ~やだやだ。決まりだの何だのこれだから人間はめんどくせ~。
精霊のやつらだってそんなにお堅い連中じゃね~だろ。
……まあ我も約束は守る方だからな。
そこまで言うならしゃーなしだわ。
いいか、その身体がいつまで保つか我には分からねー。
もう一回消えたら我にはもうどうにもできね~から、そのつもりでな。
まっ、お前の魔力マジ強かったぜ。おかげでやっとこの姿に戻れたんだからよ!
ご褒美にお前のこと、覚えといてやらぁ。名前ねーけどな!
あばよ! お人好しの魔法使い!」
戦が終わってしばし後のこと。
闘いを不得意とする団員や戦士たちの帰る船を守っていた身体のない召喚士は、見慣れない青年の姿で現れて団長に深く頭を下げたという。
「このような得体の知れない輩の言葉を信じ、今日まで住処を分け与えて頂いたことに感謝します。
これまで素顔を晒せなかったご無礼をお許し下さい。
どうかこれからも……ご武運をお祈りいたします」
『この戦いが終わるまで』という自らの言を守り、召喚士は橙色の魔物と共に海の彼方へ旅立って行った。
その時それを見送るようにして追走したのち、別方角へ飛び去った金色の魔龍の姿を目撃した者もいたかもしれない。
なお……去り際に彼は自分の左胸を拳で軽く叩き、仲間にこう伝えたという。
"魂(ここ)が残っていたら、いずれまた会えるさ"
----------------------------------------
非公式イベントタグお借りしました
【竟の花道】 illust/74011493
PFLS【PF最終回】 illust/73919564
竜に戻った杖 illust/72954746
身体が戻った召喚士 illust/73344578
希望者には快く配ってます鳥型小精霊 illust/73600884
ドラゴンの強化フォームを作る言い訳にもできる【龍呼びの魔術書】(EXでもよければご自由にどうぞ)
illust/73894142
自キャラの本編〆話になります。
杖は龍に戻ることで腹の中の魔術書の魔力を使用できるようになり、自由に魔物を呼べるようになりました。
あちこち飛び回っていると思いますが、大昔に討伐されて懲りたのでもう悪さはしないと思います。
召喚士は杖との契約が果たされて元の姿に戻りましたが、過去に精霊に身体を明け渡した事実を変えることはできません。
今は杖が一時的に精霊界から身体を呼び戻している状態です。
そう長くは保たないでしょう。
(杖が本気を出せば呼び出した状態を維持することもできますが、召喚士本人がそれは約束を破ることになるからダメだと拒否しています)
やっと、会いたかった人(経緯はこれ illust/73725186 の一番下の文章)に会いに行けるようです。
その後少ししてまた身体無しに戻り、(どれくらいかは分かりませんが……)時間が経つにつれやがて消えていくでしょう。
(分類上はおそらく死亡扱いで)ギルド離脱となりますが……皆さんの心の片隅にでも覚えておいて頂ければいつでも一緒なのかな、なんて。
交流ビビリマンのため踏み入った交流ができず大変申し訳ありませんでしたが、皆様の熱い物語達を仲間の一員として見守ることができ、嬉しく思います。
改めまして、期間中閲覧して下さった皆様、ありがとうございました!
なおこう綺麗な成仏ED(?)で〆ておいてアレですが、EXはしれっとIF次元で参加するので引き続き宜しくお願いします。
----------------------------------------
※超いまさらですが、自キャラの話を断片的にキャプションや作品内に記したものにだけ固有タグ付けました。
大した内容ではないのですが、ご参考までに……
もしこれまで追いかけて下さっていた方がいらっしゃいましたら深い感謝を……
なおEXでいくつ描けるかわかりませんので、ID判定による色決めはこの作品で最後とさせて頂きます。
少しでも楽しんでいただけたのであれば本望です。(藍色出過ぎ問題)
Pixivfantasia Lastsaga illust/72934234
2019-04-07 01:23:08 +0000