【えんもの】春夏冬 次陽【四世代目】

おーたむ
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縁は異なもの味なものillust/67011335】に4世代目参加させていただきます!
※主催様よりキャラシ承認済

「いらっしゃいませ。おまえはどのような本を探しているのですか?」

大通りから入った貸本屋も今じゃあ老舗の仲間入り。
今の店主は愛想良し、知識もあるが、前のに比べりゃ落ち着きはねえな。
小物の幅は広がったが、人生相談じゃなく占いを始めたらしい。蔵書は勿論折り紙付きさ。
老若男女皆々様に、楽しいひと時を届ける店。春夏冬屋にいらっしゃい。


■名前 春夏冬 次陽(あきなし つぐひ)
■種族 半妖(人間/覚/絡新婦/霊鬼/化猫)
■年齢 22歳
■性別 女
■身長 165cm (蜘蛛の姿だと250cmほど)
■一人称:私(わたくし) 二人称:おまえ(想い人にはおまえさま)

「いいのですよ、ゆっくり見て行って。私の店ですから、気軽にお手に取ってくださいまし。」

母から継いだ貸本屋を営む人当たりの良い女性
妖との契約も引き継いでおり、代償として人の姿では嗅覚を感じることが出来ない
母に教わり、丈夫な紡ぎ糸を器用に使ってレースの小物を作っている反面
覚の力は薄れており、読み糸を使ってなお、ぼんやりと人の心が読み取れる程度
どちらの糸でも触覚を感じられるが、否応なく心が流れてくる読み糸は占い以外ではあまり使わない
普段は母親譲りの青い目をしているが、暗いところでは父親譲りの赤に変わり、額の瞳も開く

父と母の結末を知り、食べることを愛情だと思ってはいるが、嗅覚がないため味も詳しく分からない
そのため、食事をあまり楽しむことが出来ず、ただひたすらに己の命を保持するために食べるだけ
「心から愛する人に逢えば美味しそうと思える」と母に言われたことがあるが、
知識欲と好奇心に忠実に生きてきたが故に、未だ一度も恋愛感情を抱いたことがない
美味しいものも知らなければ、異性への愛の形も伝聞だけでよくわかっていない
唯一分かることがあるといえば母が言う愛だけではないことで、その情報源は本の知識のみ


「おまえさまは、を教えてくれるのですか?私にはおいしそうだということが分からないのです。」

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素敵なご縁をいただきました!
知的で優しい旦那様 小繋 秋ノ助さん【illust/69014542

「駄目ですよ、口にすれば堪えられなくなりそうなので……指先を食ませてくだされば充分です」
「おまえさまがいればそれでいいのです、好きな本に囲まれて、好いた相手と共に在れればそれで……」
「歌を歌ってくださいませ、おまえさまの声は何よりも落ち着くのです」

「私には、美味しそうだという感覚はありません。それなのに、気をかけてくれた優しさが
 すべてを受け止めてくださる頼もしさが、何よりも愛おしいのです。お慕いしております、秋ノ助様」

母から聞いた常連客のうちに、そう年の変わらない男性が居ると聞いた
こちらを気にかけてくれるあの人は、確かに丁寧な口ぶりではなかったけれど優しくて
沢山の話をしてくれるから、とても楽しい時間が出来るようになった

様々なことを話すうちに、自分の体質のことも告げた
するとどうだろうか、返却本と共に渡されたのは見目の変わった料理で、
味の分かりにくい自分でも、目から楽しむことが出来るそれがとても嬉しかった

彼に対しては、家族とも、客とも違う印象を彼に持つようになった
彼が店に来ることを心待ちにするようになった
この気持ちが、何なのか…自分にとっては良く分からない

それでも、想いを告げられてから……少し考えてみた
恋も、愛も、良く分からないけれど。彼といることで、何かを見つけられそうな予感がして
与えられる愛が、自分に届いていて、自分もまた相手を愛しているのだと気づくのはまだまだ先の話

届かないはずの嗅覚なのに、いつのまにかいい匂いを感じるようになった
はたしてそれは、本当に嗅覚なのかは分からないけれど、私にとってはとても魅力的な香りで
彼のことがとてもとても、“美味しそう”にみえてくるようになった

片の目を食べてもいいと言ってくれるけれど、それではいけない
一口食べてしまえば止まらなくなることくらいは、流れる血に受け継がれた本能でわかるから

口が寂しくなれば、その手を取って、かぷり……甘く歯を立てるだけ

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関係者様
父:はるさん【illust/68502438
母:春夏冬 次実【illust/68523737
「母は父と、とても仲睦まじく暮らしていました。蜘蛛の足でじゃらしていたのが印象的です」
「二人は最期まで幸せそうで……二人だけの眠りに旅立つ姿は、まるで愛の儀式のようでした」

兄:こえさん【illust/69016001
「こえ兄様、冷えますからきちんと布をかけて寝てください」
「ああ、また食べてしまったのですか。手当をするので傷を出して、私はまだ兄離れが出来ませんから」
「私もようやく、かかさまの言う愛がわかりました。こえ兄様も、どうか、素敵な人と幸せに……」

おかげさまで最終世代を迎えることができました。
ここまでご縁をいただいたハク様、つきはち様、易崎様、そして雷斗様、本当にありがとうございます。

「嬉しい、嬉しい……おまえさまのすべてをいただきましょう。
髪の毛一つとして、残しません。最期の時も、その先も……ずぅっと、一緒ですからね」

全てを食らう前に誓うように口づけてから、本能のままに牙を立てる
沢山のものを口にしたけれど、心から美味しいものは何かと問われれば、間違いなくこれだろう
食べて、食べて、全てを残さず呑み込んで……一つになった
ふらりと歩んで向かうのは、父母の眠る山。人目につかない大きな樹に、くるりと糸を伸ばして
全てが一つに成ることを願いながら、純白の繭の中心で
幸せな気持ちのままに永久の眠りにつくためにまぶたを閉じる

「ごちそうさまでした」

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2018-06-08 16:05:27 +0000