【えんもの】寛【二世代目】

ざみのき

なものなもの【illust/67011335

           夜に紛れて、
                           陰に隠れて
                                             獲物をじぃっと
                      「うんうん、見てるよ、見てる」
                          転べば食べるぞ
                      知らない、いつかの誰かのように



梓 寛 ‐アズサ ヒロ‐
男・178cm・67kg・25歳
一人称:オレ
二人称:キミ・オマエ

「ハァーイ、何様オレちゃんヒロくんでーす。知らない?だろうね!
まぁそんなことどうだっていいじゃん。今から楽しく行き・帰りデショ?
転んだら美味しくいただくのさ。キミが餌だよ?
大丈夫大丈夫、転ばなければ何もしないよ。ほら、早く歩くなり走るなりして?
まだ見てるだけだから、さ?」

送り犬と人間の半妖。母親より父親の方の血が強い。
両親の死と罪が凄惨かつ責任がかけていたために「蛙の子は蛙」といったもの、
良くない言われをされている子。
幼少時はとても素直だったが、その素直さと”望まれる形”に執着した結果、
「蛙の子は蛙」、狂犬のごとく転んだ人間を食い殺すようになった。
現在、育った家から遠く離れて行くあてなくフラフラしているが、
たまに家族のもとにやってきてトチ狂ったように瑕を残して消える。

父:陰咲【illust/67512553
母:梓 千絵【illust/67687396
「父親とか母親とかそういうのがあるんらしいんだけどォー、
オレそういうのわかんないんだよねェー、食べちゃったらしいよ?知らないけど」
兄弟:雅【illust/68080091
「まさくんはね、オレの半分、オレの良心、オレに欠けているもの全てを補った半身だよ。
早くオレの目の前で転んでくれないかな?ジョーズに食べてあげるのにね」
育て主:明槻【illust/68145465
「オレをわざわざ育てて。よくもまぁ…お暇なんだろーねェー。え?言い方が良くない?
当然、オレはアイツ大ッ嫌いだからね!顔の傷見たことある?アレはオレが付けたんだよ」

・申請に対して
どなたでも歓迎致しますが、見ての通りの問題児です。
そういった縁になる可能性が高いことをご了承ください。


ご縁絆いでもらいました。
夾竹堂 アケビさん【illust/68074289


穏やかなそよ風のような人、静かに生きる姿に人は安息を見出すのだろう。
それだけであればきっと喉元掻き切っていたかもしれない。
赤く蝕む火傷の痣を見なければ、花咲き伸びる蔓を見なければ、いつもの衝動に任せていられたのだろうか。
半分人で半分妖怪。似ているはずなのになぜそう、心は静寂なのか。
なぜそう、好意的に言葉を紡ぐのか。

犬は思うのだ。羨ましい、妬ましい、と。
人は思うのだ。面白い、知ってみたい、と。

掻き乱したい衝動に爪を立て、崩したい激情を殺し、
同じであれという強制心はないが、同一でない違いがわからないのだ。
ただ、衝動より好奇心が優ったがゆえに、何度と逢瀬を重ねただろうか。
山中で、店内で、あるいは町中で。
どこか遠くを見据えたように言葉を紡ぐ彼女に
「可愛気が欠けてるんじゃないの」
そんなところが気に入っているというのにそんな言葉を口にした。

彼女に人から向かう言葉は鋭い針のようなものではなかった。
とりとめもない会話故に何かが生まれるということもなくただ穏やかに有り続けていた。
きっとそういうことなのだろう。生まれる場所が、環境が違っただけなんだとわかりきったことだったろう。
人はそう思い、もう一つ想うのだ。
彼女の赤黒い手を掴んだ。夜でもそれはざらりと幻でないと形を成していた。
羨ましい妬ましい。犬は思い、犬も同じことを想うのだ。
人である自分と送り犬である自分が同じ想いを抱き、どちらも言葉に変えた。言葉にしなければ喉が引きちぎれそうだった。
「オマエが欲しい」
そうだ
羨みも妬みもある。それ以上に、この欲望が臓腑を焼くのだ。
このそよ風が去ることが耐えられない。きっとこの身は欲望と羨みで焼け落ちてしまう。
この安息を得られないことが気に入らない。この手が衝動と妬み任せに何もかも引き裂いてしまう。
現世に焼かれ花咲くその身を、その見に逆い静寂を連ねるその心を、相反した体と心でどこか歪んだその姿を、
自分だけのモノに出来るならなんて望むのだ。
鮮烈な藍白に光る空色の瞳に己だけが移れはいいとすら願うほど。
今、自身がいつもどおり笑えているかなんて全く考えもせず、どんな顔しているかも全く知らない。嗚呼でも本心は表に出るのは何時ぶりだろうか。

もしも彼女が衝動に任せて牙をむいたとしてもいい。それもまた望んですらいるのだ。
「オレの最後は君の手で迎えたい」
なんて酷い。いまさらだが。
微笑み血を拭う倒錯的で歪な姿も自分だけのものにならないだろうかなんて。
叶っても想い続けるのだろう。


2018/04/09主催承認済み

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2018-04-08 14:42:21 +0000