ざみのき縁は異なもの味なもの【illust/67011335】参加させていただきます。
「ん～なんだい、オレがわかるのは漢方薬だけだぞ？」
「女に見える？知っているさ。にあっているだろー」
陰咲（かげさき）
男性/妖怪（送り犬）/見た目：20代の女
身長：162cm
腐れ縁の豆狸：狸原 璃子【illust/67512765】と狐：狐塚 まお【illust/67512573】と共に薬問屋｢來治堂（こはるどう）｣を営んでいる送り犬。
漢薬方面担当でどこかにふらっといなくなっては漢薬の種類が減ってきた頃に仕入れついでに帰ってくる。
性別は男性だが女顔で女装が良く似合ってしまったからそういう格好している。どうにも男物が似合わなく見えて仕方ないらしい。
飄々としていてどうにも楽観的。体調や肉体の変化には目ざとく、送り犬としての性でじっとついて行ったりしてしまう。
ストーカーじみてるけど性だから仕方ない。・縁があるなら喜んで結んでいきます。
自分からはあまり動かないと思いますがあしからず。
・メッセージは気づいてからになりますので３日、最悪送り直しも考えてください。
よろしくお願いします。
お相手様いらっしゃいました
梓 千絵【illust/67687396】
始まりは若草色
人気のない山中、人には雑草にしか見えないだろう。
目を凝らせば宝の山ではあるのだが、人の子がいるとは思わなかった。
思い出せるだろうか、これがオレらの出会いだったんだ。
手を差し延べても反応なくじっと見られるのは気まずかったものだ。
よくあの山の中にいたものだが、神社残ってのはそういうものなのかい？
しばらくしてやっとなれたのか付いてくるようになったが、いつもヒヤヒヤしたものだ。
オレが送り犬だって知ってたか？うっかりこけられたら見境ないんだ。食っちまいそうになること。
少しずつ違う草木の色を憶えてきた
何かといろんな所に行っても付いてくるわ
来れないときはずっと待ってたりするわ。
土産を持ってきたりする身にもなってくれよ、いらないって言われても気ぃ使うんだよこちとら。ちょっと驚かせようと妙なもん拾って帰ったときはオレもびっくりしたなぁ
まさか人のことは思わなかったろう。俺も思わなかった。
お前がいなけりゃずっと慌ててたろうや。
くだらねぇけど楽しかったなぁ
まさか恋仲にまでなるとはな。全くあの頃は想像しなかっただろう。
心ってのはよくわからねぇものだ。
好奇心任せに寄ってこられてどれほど心臓に悪かったかわかってんのかい？
見た目で判断しなさるな、オレは色恋に慣れちゃいないんだ。
今だってそうなんだ仕方ねぇだろ。過度に手を出すのは性分じゃねぇんだよ。
わからねぇかい。あぁそうかい、仕方ねぇなぁ
空の色は群青色、花の色は多種多様、すべてが鮮烈になってゆく
……
……最後の日を覚えているかい。
オレは全く気付かなかったんだ。いや、知っていたけど気を向けなかった。
お前の好奇心はいつだって息をしていたんだから、身籠る程度じゃあ止まりゃしねぇって気が付いてなかったんだ。
獣としての意識が強かったのもあったんだろうな。
物音と倒れる動きだけで食いちぎろうとしちまった。
あぁ、まさかお前だとは思わなかったなぁ
何もかもままならねぇものだ。
いっそ狂ってしまえたらよかったのかもしれないのに。
お前は言いたいことだけ言ってどっか逝っちまうし、
トチ狂って貪ってりゃ赤子は出てくるし、
いっそ殺してくれりゃよかったのに、こうやって何でもかんでも残して行っちまった。
愛した人は焼き付く緋。何よりも目に刻まれる
まるで全部お前のせいみたいに言ってるけどな、
そう悪いものじゃなかったよ。
気が緩まなかったが日々が色づいていくような、躍動していくような、
妙な心地よさがあったんだ。
最期に関しては俺のせいだからな、責任は取るさ。
色めく世界をありがとう。今そっちに向かうから、のんびり待ってろよ、千絵。
きっと聞こえちゃいないだろうが
失った世界に鮮やかさはなく今までどんな色が見えていたか
思い出すことすらできない
［色を失った世界は酷く冷たく息すら出来ない。
貴女が居ない世界がこれほど色がないと思いもしなかった。
『最後に見たのが貴方のいる景色でよかった』といった貴女が目に焼き付いて離れない。
貴女も色めく世界を見ていただろうか？]
「なぁんて――、なぁ？」
目が焼かれて何も見えない狗に餌が食えようか。
いいえ、"もう人を食うのは懲り懲りだ"
あの色めく日々も一人で見るには鮮烈すぎる。
桜の咲く神社の片隅に、幼さ残る女と黒犬が幽かに映る。
せめて幽かに映る淡い色に自身が成ってもいいだろう
2018-02-28 15:30:12 +0000