「やあ、ここら辺の人?ちょっと私の話に付き合ってくれないかな?」
✧九十九路の羅針盤 【illust/60865485】
✧フリードリヒ=ニーチェ / 前期【illust/63640041】
✧男性/月光/180cm/一人称、私 二人称、君
✧飛【novel/8210122】
✧妻/シャロレチーズさん【illust/62866289】
✧執筆者【illust/66892278】 / 同胞【illust/66845582】
✧前期絆相手様::最果ての園 エレウォン/はじまりの杯さん【illust/63899674】
✧絆相手様今期::最果ての園 エレウォン / 『エレア』さん【illust/68539508】
✧新しい路と生::イデアさん【illust/68539755】
「私が朽ちるまで何度でも迎えてくれ。何度でも「ただいま」を言わせて。まあ何、ジジイ同士だから此処で競り合っても若い衆にはお笑い種でしかないだろうなあ」
「アリスにテレス、元気だった?エレアは確認しなくてもどうせピンピンしてるでしょう。相変わらず下手くそな茶だなあ、こんなの飲めるの私しかいないよ」
「イデアはきっと私達の兄弟だね。そして彼らの親でもある。あははっ、これから新たにまた訪ねてくる同胞達を暖かく迎えてくれると嬉しいな。その杯を満たす澄んだ水達だ」
✧飛である男性。今は只人のように世界を巡っている。
自分は作品だと知ってひどく絶望し、媒体を壊されることを恐れていたが執筆者と邂逅し、兄と弟の絆を見て、友からの優しさに触れてその恐怖も怒りも全て消え去ってしまった。
物はいずれ朽ちる。人であろうが、なかろうが。
「エレア」のタイトルは名を持たぬ友人へと渡した。
それは友愛と親愛を示す為であり、エレアでありエレアでなくなった自分をまたやり直すため。
作者の兄と完全に肉体と魂が混ざってしまった為、以前通りのエレアかと言われればそうではない。
かと言って全く別のフリードリヒかと問われればそれも違う。
彼は正しく原点回帰の「ニーチェ」である。
現在は茶を淹れることすら下手くそな無二の友人の園を帰る場所として、かつて会った青年を探してみたりだとか、美味しいものを探しては園から出ることが叶わない友人達に振る舞おうと考えていたり、以前と同じく気ままだがその表情は明るく楽しそうだ。
困っている人、傷ついている人に癒しの魔法をかけつつ、土産話を持ってまた舞い戻る。
今も生まれ続ける飛達の還る場所として、友のいる園へと道筋を示している。
それは孤独に生まれる飛の為であり、永い時を生きる友人が寂しくないようにするため。
──あの最果ての園は、今日もさまざまな色で埋められている。
「"ただいま"、今回の旅では空を飛ぶ鯨を見たんだよ!こんな感じの白い鯨で、」
「エアも来てたのかい?痛い痛い、もう!女の子なのに粗雑だな!」
「エレアが生きている限り私も生きているよ。永い時を生きていた友人をまた放り出して一人死に逝くなんて流石に無責任が過ぎるだろ。壊れぬ杯ならそれを満たす水となろう、永久にね」
2018-01-14 16:14:51 +0000