めろん「怖がらなくていいわ。私はあなたの敵ではないし、あなたを笑ったりなどしないから。
だから心配事があるなら話してみなさいな。胸のつかえがとれるわよ」
こちらの企画【illust/50050950】に参加させていただきます。
◆水上都市 ニーヴェ・フォンターナ
『ノルンの三柱』とよばれる3人が都市を守っている水上都市。詳細や所属について【novel/5819235】
◇スクルド
樹神 花月（こだま かげつ）
28歳 / 女性 / 168cm
ポイント：50pt（強靭：7 知能：22 器用：8 機敏：3 幸運：10）
先代スクルドの娘。15歳で就任。
歴代のスクルドに比べ、ある程度成長してから就任したため、未来視や治癒の力は安定している。治癒の力の方が強い。
父が所有する刀を母が癒しているのを見て育ち、両親が亡くなった後、妹に受け継がれた刀を癒すことを使命と思っている。
封印を引き継いだ時から時折男声が聞こえるようになった。
現在では全く気にすることなく日常生活を送れるようになったが、当時は怖くても姉・スクルドという立場が邪魔して誰かに頼ることができなかった。
その過去もあってか、市民や周りの人間に対して何かと世話を焼きたがり、相談に乗りたがる。
◇家族
父：樹神藍丸【illust/52418557】
「大好きな父様、なんて言うと子供っぽいかしら。けれど本当よ。ただ一つ許せないのは娘に業を背負わせたことかしら。
…なんてね。大丈夫よ。近江は私が守るから。だから安心してちょうだいね、父様」
母：槐・マルタ・エリ【illust/52303675】
「母様のように未来が視えたのなら、不安なんて消し去って、都市を守る者として胸を張ることができたのかしら。
…いいえ、きっと知ることも怖いわね。私は臆病ね。母様のように強くなれたら楽なのかしら」
妹：樹神近江【illust/52857695】
「外が気になるのなら見てらっしゃいな。近江には好きなことをしてほしいのよ。
そうね、私には外で見たものを教えてくれればいいわ。ね、そうなさいな。きっと素敵よ」
◇ノルンの三柱
ヴェルザンディ：ミランダ・S・イシュカリス・ベルセコルダ【illust/52910512】
「うーん、そうねぇ…。疲労回復はできるんじゃないかしら？でもそれで夜眠らなくなるのはいけないわね。
じゃあ…あんまり頑張りすぎるようなら私が添い寝しに行っちゃうわよ！ふふ、それでもいいのかしら？」
「ミランダは私に迷惑ばっかりかけてるってよく言うけど、全然そんなことはないのよ。
仕事や研究の合間に、息抜きしたくなったらいつでもいらっしゃいね。お話しましょ」
ウルド：クコラ【illust/53052203】
「あなたの呪いは私の力ではどうしようもないのよね。わかっていてもどうにかできないかと考えてしまうわ。
何かあったら必ず言うのよ？きっと力になるからね」
「多分クコラは私たちの中で一番冷静なのよ。一番若いのにね。いろいろと、背負わせてしまっているんじゃないかしら」
◇その他
メッセージは翌日～二日でお返事致します。何かありましたらご一報ください。
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スクルドの任を継いだ時から聞こえる声。
野太くて恐ろしい男声。けれどそれは、自分以外の誰かには聞こえていないようだった。
亡くなった母もそのようなことは言っていなかった。
私だけなのか。何故、そうなのか。
ある日聞いた言葉で確信した。この声はノルンの声なのだと。
『苦しい、くるしい。その刀を近付けるな』
刀とは、恐らく父が持っていた鬼切丸のこと。あれは破魔刀なのだと聞いたことがある。
父亡き今は妹がその呪いごと継いでいるが、それは、少なくとも30年以上都市内に留まっている。
ノルンの声からは正確なことはわからない。だからこれは推測に過ぎないのだが。
恐らく、あの破魔刀はノルンに封印されたという魔のものの力を削いでいるのだ。
長らく封印することしかできなかったその力を、弱めることができているのだ。
なんという快挙だろう。もしこのまま魔を鎮めることができたのなら――。
あれからどれだけ経っただろうか。
私はもうすぐ死ぬのだろう。そんな気がしている。
スクルドとしては十分な程に生きた。歴代最長と言われる程に。
人並みに恋をして、母になって。先日の禊で選んだのは娘ではなかったけれど、母としては少しホッとしている。
ノルンの声はもうほとんどきこえない。
きっと大丈夫。これからここに生きる子たちは今よりもっと危険を感じることなく過ごせるだろう。
そうあって欲しい。
『決して許さぬ。この苦しみ、必ず―――』
2015-10-05 14:25:44 +0000