【華縁】雨夜 萼貝【四世代目】

食堂
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”人の皮を被ったばけもの“

岩を赤子を慈しむように抱えているように見える時もあれば
岩を砕かんばかりにしがみついているようにも見える
どちらが本当の彼女なのかは本人にもわからない

「優しいやつになりたい」
「でも オレは母子が手を繋いで歩いているところを見ても うまそうだなとしか思えん」
「だから本当に優しいやつには なれない気がする」

華の由縁 illust/96568934

C:。ミ
 

▶伴侶様◀
柊 綃午様 illust/99414480
「着物? その髪? 髪なのか? 全身着物みたいだ 着物の妖怪か?」
「小袖の手… そういう存在もいるんだな ふうん 少し違うかもしれないが おれの母親も衣を纏う妖怪だぞ なんだか似てないか?」

「明るそうなおまえにも 何か心に陰るものがあるのか」
「親に 置いていかれてしまったのか ……きょうだいがいるのが唯一の救いか」
「いつか心から救われる時が くるといいな」

「おれも探すぞ 綃午の安寧を」
「波の狭間には無いだろうが 人との狭間には あるかもしれないな」

「おれも 綃午のことが好きなんだと思う 親父とお袋がお互いを想う気持ちのようなものを 綃午に抱いていると思う」
「綃午のおどろおどろしい感情を抱きながら 生きているさまをずっと見ていたいとも思う し まるごと食べてしまいたいとも思う」
「おまえが望むのなら 決まった場所にずっといる おまえと死んでもかまわない」
「おれも多分 それを望んでいる」

「おれは綃午と死ぬつもりだったが おまえの望みなら それを叶えたい」
「腹の子も 綃午を栄養にできてよろこぶだろう きっと丈夫な子になる おれの一番上の兄貴みたいに 首がもげてもすぐくっつくような子になるかもな」

「おれはいつ死ぬるかわからんが また会えるだろう」
「愛しているぞ綃午 子におまえのことを全て語ろう」

「おれをやさしいやつにしてくれてありがとう」

 
こうして彼女は愛と人の心を知り
自分の夫を喰らい
夫を子達の栄養とし
つがいがいない寂しさに弱り
子を産み守り続けるも

最後は自分の子供二人に
夫と同じ炎で焼いてもらい
この世を去ったのでした

 

 

わたしがあなたのおわり
 

C:。ミ

雨夜 萼貝(あまや がくがい)|女|10m|20歳
半妖|衣蛸・人間・二口女・烏天狗
蛸脚と水棲に向いた体を持ち、再生の力も十分ある
ちゃんとした羽は持たないが髪質が羽根に似ているのと、耳に羽根が生えている
二口女の血ゆえか後頭部から腰にかけて大きく鋭利な牙が生えた口がある
母や長兄のように遠近や人によって姿に差があるわけではない

C:。ミ

生まれた瞬間から言葉を話し、5歳児相当の知能を持っていた。
最初に欲しがったものは母乳ではなく生き物の肉で、食べさせても食べさせても欲し続けた。
見境なく口に入れようとするし食べられると思っているからか動物と人間の区別がつかずに人前で人間にかじりつきそうになった事があり、人前で人間を食べてしまう前にと母親は毎日肉も自分の蛸足も彼女が食べるだけ与え続けた。

成長は人間のそれとは違い、幼子のような風貌のまま体だけが一回り二回り大きくなっていき生まれて一年くらい経った頃には父親の体格より大きくなっていた。
生まれて五年経った頃には今の大きさと風貌になっており、知能も大人と変わらないようになっていた。

長子のように人の暮らす場所に生き辛さを感じたのと、子供を産んでから再生能力がやや落ちた母親の治りかけの蛸足を見ていつか母親を食い尽くすのではと思い
そうなってしまったら父親に悪いなと思った末に海へかえっていった。

人間の倫理観が理解できないが優しい父親の事が好きで、
人に優しくする事は良いことだと思い溺れかけている人間を助ける事もある。
が、気紛れなので助けないこともある。
 
表情が乏しく表面上は感情の起伏は夕凪のように穏やかに見せるが、内面ではちゃんと一喜一憂する事もあるので彼女とある程度交流のある者からしたらその感情が滲み出ているように見えるかもしれない。

眩いほどの明るい場所と熱さを好むので夏場が好きで、夏場は特に活発的に泳いだりものを食べている。
岩場に座って色々なものを眺めてはちょっかいをかけている。
 
C:。ミ

父 雨夜涼風様 illust/98743331
「なんでも食べて良いなら 親父のことも食べたかった」

母 藤 illust/98817775
「お袋の脚は美味しい でも無くなりそうだから昔のようには食べない」

兄 雨夜 利實 illust/99434495
「利兄はずっと秋の空のように生きててほしい」

兄 雨夜 雪浪様 illust/99413621
「雪兄 ほら もうすぐ積雲の間から春がくる」

兄 雨夜 涼麻 illust/99645613
「冬の寒さに苦しんで春を夢見るあんたは人間っぽくて面白い」

C:。ミ

「難しいことは考えたくない あんたは美味しそう 話してるのが楽しい それで良いと思う」
「陽炎の中に隠れて生き物の営みを観察するのは結構面白いぞ」

 

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2022-07-11 08:52:03 +0000