―――歌声が、聞こえる。
かつて師匠が僕に歌っていた子守唄を思い出す。
(この空間に時間なんてないんだから眠る必要なんてないじゃない)
(何言ってるんですか、適度な休憩は大事なんですよ。あんまり根を詰めすぎると倒れてしまいますからね。…まあ、私も若い頃はよくやらかしたものですが)
そう言っては僕を何度も寝かしつけようとしていたっけ。
あれは、きっと僕が外に出たらこの首輪をどうにかできるまで、熟睡できなくなるだろう事を予想していたんだろう。
…半分は昔を懐かしんでの事かもしれないけど。
「おーい、ルゥフ。テンカイイサナの歌声が聞こえてんのかもしんないけど、それあんま聞いてっと戻って来れなくなるぞー」
追憶する僕を現実に引き戻すルヴェーゼの声。
確かに、今は過去を振り返っている時間じゃない。
「まー確かにルゥフ君からすればでかいかもしれませんがねー、私の方がでかいですしー」
アルジュリーの言葉に、思わず心の中で苦笑してしまった。
竜の論理では体格の優劣で立場の大小を決めるから、アルジュリーの言いたい事はわかるのだが、そのヒトガタの状態でその物言いだと子供のように聞こえてしまうのだ。
けれどもそう、あれは大きくとも…ただそこに在るだけ。
歌声の響く波紋はどんなに美しくても、触れる事はできない。
泡沫の夢のようなもの。
けれども今は夢を見ている場合じゃない。
踵を返し、今はただ、着実に天へと至る道を進み続けるだけ。
※キャプションは随時変更します
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この話【illust/88989075】でテンカイイサナに言及したものの、それを目にした時のルゥフの反応をテンカイイサナ共々描いておきたかったのでロスタイム投稿です。
テンカイイサナ言及漫画の末尾idが5だったので、それも絡めつつ【鯨歌の波紋】入手という事で。
結果発表までは諦めない心、大事。
※お貸りしたキャラの行動などを縛るつもりはございません
※都合が悪ければパラレル&スルーでお願いします…!
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〇お貸りしました(敬称略)〇
■テンカイイサナ【illust/88793910】
【PT:アレキサンドライト】メンバー
■アルジュリー【illust/87740888】
■ルヴェーゼ【illust/87895879】
〇自キャラ〇
■ルゥフ【illust/87834282】
現在のライフ:♥♡♡(1)→♥♡♡(1)末尾id=6のため変動なし
■ライフ判定
0,2,5,8:-1(残りライフ1時は減少なし)
1,4,7:+1
3,6,9:0
2021-04-11 08:43:23 +0000