「許せ。俺に、最後まで怒鳴らせろ」
□雪果(せっか)/Nardine-ナーディン(300pt - 白雨国)
第2期:illust/85456412
雪果と呼ばれたその鬼はもうひとつ、「ナーディン」という名を持っていた。
白く染める魔の如き、猛き白、という意味の名を。
❖スキル
□雪隠し□白焔
■白魔の怒号
怒り狂う焔とともに押しなだれるは洪水か。それとも吹き荒び千切れそうなほどに痛む吹雪か。
その力は失われた子たちと異なるけれど、齎す結果は何が違おう?
雪の果てに春が在る、と尚言う人とは誰だろう。
その鬼は立ち並ぶ木々を前にすると何かを躊躇うように白を納め、代わりに石のような長刀を振るうのだという。
❖家族
唯一:アイデースさん【illust/85160566】
「アイデースは此処に居ろ。屹度また燃やす。おまえに……見せたくない……」
「ずっと、ずうっと、お前を悲しませるのが怖かった。近寄るのも、笑っても火が移らないかと……。
それでも、俺はお前がよかった。お前が、手を握ってくれたのが、嬉しかった」
息子:雪解くん【illust/86415471】/青星【illust/86416731】
「よく、守ってくれた。……守ってやれなくて、本当にすまなかった……」
「あとは代わった。けして、もう、出てきてくれるな」
父:ヴェルディアさん【illust/84090412】
母:風花【illust/83995926】
兄:薄氷さん【illust/85477182】/姉:氷花【illust/85456420】
「薄氷の兄貴はいつだか戻ってきた。氷花の姉貴はあれきり。言ってやりたいことが、山ほどあるのに」
片割れ:雪輪ちゃん【illust/85477099】
「あいつは春になりたいって言ったが、ほんとは俺よりも生きたんじゃないのか。
なあ、雪輪、俺は悔しい。おまえのことが喜べなかった、俺が、ずっと悔しかった……」
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冬の紫の森で出逢った、星の子の娘と雪山に暮らしていた。
冬の星の息子を二人持ち、二人ともを奪われて、今。
魔王にも、女神にも、翻弄されたように思う。
かの者によってもたらされた出逢いがあり、
かの者によってうしなわれたいのちがある。
これを、人は、果たして何と呼ぶんだろう。
頭が良いわけではない彼に、難しいことを考えるのは苦しいものだった。
燃やしたくなどなかった。だがもう何を繕うにも、押し殺すには限度を過ぎた。
ただ一つだけわかるのは。
自分がなべてを焼き尽くしても、彼女が燃えることはないということだ。
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「森を燃やした時、二度とおまえの育んだ木々を焼かないと決めた。
俺が崩れることも、アイデースは厭ってくれた。おまえとなら、焔が無くとも守れる筈だ、と。
……そうではなかった。俺は……やはり、怒るしか能がなかった」
「アイデース。許してほしい。あいつらの分の怒りでもう、黙っていても燃えてしまう。……水を、撒いてほしいんだ」
2021-02-25 14:10:54 +0000