「全てが終わったら、海へ行きましょう?…あなたが大好きだったところに、私も連れていってね」
企画元様【illust/80979654】
最終イベント【illust/86540757】
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水雨 桔梗 第四期【illust/86131940】
年齢:55歳 性別:女 身長:177㎝(角は15cm程度)
所属国:青月国
総ポイント:300pt【精神:0/攻撃:0/技巧:/魔力:0/幸運:300】
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【賢薬の鹿族 - 導 -】
青月国にある水雨家の女性。
かつて森で迷子になっていた男性を助け、夫とし、二人の子にも恵まれた。
兄がいた。妹がいた。夫がいた。
……かけがえのない幸せが崩れたのは、いつからだろう。
かつて森での案内役として彼女を導いていた鯨は、今は亡き彼の翼を屠った。
そして、鯨は消えた。
……否、鯨は影と成り、彼女だけに見える異形と化している。
その鯨はいつか、彼の元へ導く案内人の役割を果たすのだろう。
✾Family
夫:ヨハネ・シファル・ペテリアス・ガーイウス・ノエ・ル・フェイさん【illust/85924889】(祝福【illust/88031210】)
息子:水雨花水木くん【illust/87310743】
息子:水雨蓬【illust/86893247】
「…大丈夫、大丈夫よ。私は、ずっと傍にいるから」
「あら…あらあら…お帰りなさい。ふふ、突然帰ってきたからびっくりしちゃったわあ。ううん、嬉しいのよ、元気だった?」
「今日も沢山薬草を摘んできてくれたのね、ありがとう。今日は迷子にならなかった?」
父:水雨志青さん【illust/84805683】
母:水雨フェンネル【illust/84717467】(希望【illust/87737889】)
兄:水雨竜胆【illust/85698305】(祝福【illust/87911697】)
妹:水雨明灯ちゃん【illust/85698683】(祝福【illust/87578601】)
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聡明な母が大好きだった。
力強い兄が大好きだった。
明るい妹が大好きだった。
素直で美しい、貴方が大好きだった。
家族が、大好きだった。
みんな、もう居ないけれど。
いつからだろう、涙が出なくなったのは。
どうしたって悲しくて、泣きわめいてしまいたくなった時、『この子』が私を包み込んでくれるのだ。
「…慰めてくれるの?ありがとう、大丈夫よ」
『この子』は、他の人には見えないらしい。だけど、きっと、私にだけ見えることが出来れば、それでいいのだろう。
全てが終わったら、『この子』と…『あなた』と、海へ行こう。
海には家族がいるんだって言っていた。だから、『あなた』と共に。
――――その場所へ、還ろう。
『先生』。そう、聞こえた気がした。
手を伸ばせば触れる距離、そこに、『居た』のだ。
「そんな…本当に…?」
その時の私の感情を、どう表せばいいのだろう。塞き止められていた感情が、心が、涙が、とめどなく溢れそうになる。だって、もう二度と会えないと思ってた。だから、『逢いに逝こう』としたのに。
それなのに、彼は笑うのだ。
一緒にいてくれると。
私に、会えてよかったと。
「ええ、ええ……とっても、上手。綺麗な笑顔ね、」
流れそうになる涙を堪えて、少し眉は下げて、口角を上げる。楽しい時や嬉しい時はこうやって笑うのよって、そう教えたのは――――『先生』である、私なのだから。
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改めまして、素敵なご縁を頂き世代を紡いでいただきましたみや様、ありがとうございました♡
2021-02-21 03:22:26 +0000