宝石化治療薬を形にしたサーリッカは、
一旦ワルフィス・エーデリアを離艦した。
育て親であるイースホルンに売り上げの一部を寄付するため…
その途中、イースホルンに所属するツェツィエさんに会った。
夜空を収集する彼女と一緒に夜空をゆっくり眺めるのは懐かしいようで、それでいて初めてのことだったかもしれない。
昨日の晩御飯など他愛もない話から、
今までの出来事を思い出しては互いに話した。
この北の地を離れてから、
しばらくの間に国は大きく変わったようだ。
そしてサーリッカ自身も。
変わってしまったもの、変わらないもの。
得たもの、失ったもの。
いつもどこか無力感を感じていた自身には、全てが受け止め切れないほど重く切ない。
「あっ、見て!」
何気ない会話の途中、
ツェツィエさんが流れ星を指さした。
その表情は、昔と変わらない笑顔。
夜空がどこまでも好きなんだ。
思わず心が緩んだかのようにほっとした。
ひんやりとした静寂に包まれたハイペリアの大地に広がる星々の瞬き。
それは、人の力も、星光石すらをも超えた、はるか何光年もの彼方からの恒星の光。
自身の心の隙間などちっぽけなものに感じられた。
そしてその光は、自分たちをいつの日も変わらず見守り、包んでいてくれることを教えてくれた…そんな気がした。
さて、今度は往診に出かけなくては。
お借りしました
ツェツィエさん
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回遊空艇ワルフィス・エーデリア
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イースホルン遷天求道院
illust/78961210
サーリッカ
illust/79073468
illust/79671283
企画元
Pixiv fantasia Age of starlight
illust/7850
2020-12-20 15:12:35 +0000