【ポラリス】リシア・ヴィヴ【第4期】

西田
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■ポラリスの英雄歌【illust/80979654】第四期参加キャラクターになります。

■(12/18)素敵なご縁を頂きました!
詠星の観測者 ハーシェル【illust/85813930】さん


「あなたは先生なのね!またお話聞きにきてもいい?」

先生は少し考えるようにして、ぽつぽついくつかのことを言って、それから頷いてくれた。

先生のお仕事は、管理者、観測者、天文学者。この天文台を管理して、星を見て、記録をとって、それを……どういう感じなのかはよく分からないけれど……研究している人。天文台にいる日は建物の管理をしている日で、天文台にいない日は、きっとここじゃ見えない空を見に行っているんだろうな。シャムお兄ちゃんが他の国に布を売りに行っているみたいなものよね。

人がいないところにいってはいけません。分かっているわ。先生のいない建物に入っても仕方がないし。
ああ、でもちょっとだけ、帰ってきたときに私がいたら、先生がなんて言うのかは気になるかも。
――ちゃんといい子でお家に帰ったら、おかえりの後に、「今日は早かったな、散歩にはいかなかったのか」って。
「いったけど、今日は誰にも会わなくてつまらなかったわ!」
お父さんが頭を優しく撫でてくれる。ほんとうのことを言ったはずなのに、ちょっとだけわるい子の気持ち。

***

とんとん、数度叩いてからドアノブに手をかける。抵抗なく開いた扉にそれだけでうきうきして、先生の姿が見える前からはしゃいだ声が出てしまう。

「よかった、先生、今日もいる。最近たくさん会えて嬉しいわ。今日も先生に聞きたいことがあるのよ」

ほんとうは、学園に通い出したのだから、授業時間外でも質問にいけばいいって分かっている。
だって彼に分かることで、彼に教えてもらえる内容なら、他の人じゃなくて彼に教えて欲しいんだから、仕方ない。分からない、詳しくないって言われたら、それから学園の教師たちを頼ればいいのだ。どうしてこんなに筋の通っていないことを考えてしまうのか、その原因をなんて呼ぶのか、同級生たちのきゃあきゃあはしゃぐ会話で”そういうことなのかな”と思ってはいるのだけど。先生は、とっても大人で、冷静で、淡々としたところのあるひとで……”そういうこと”だとしたら……こういうの、そう、ああ言うのよね。前途多難!

***

先生にも分からないことがあるんだなって。いつもそう思いながら、自分の感じたことについて、ひとつひとつ伝えてきた。
小さいころは言葉が思い浮かばないなりに、単純な単語を積み重ねて。
今は言葉が思い浮かびすぎて、ちょっとずつ、慎重に単語を選んで。
結果は「たどたどしい説明」って、近いものが出力されているかもしれないけれど、内心は全然違うのよ。
説明しても、あなたにはまだ分からないと思うから……あなたの「知りたい気持ち」を、ごまかしちゃうみたいだけれど。

今はまだないしょ。今は、ね。

***

ずっとこの日を待っていた。

「あなたにそう言ってもらえるようになって、嬉しい」

だって、あなたに感情という彩りを与えたのは私だもの。
私の幸せにはあなたがいるし、あなたの幸せには私がいる。
私があなたを幸せにする――いいえ。

「共に過ごして、家族になって、穏やかに毎日を積み重ねて。
そうやって一緒に幸せになりましょうね、ハーシェルさん」

まだちょっと表情がかたいかもしれない。けれど彼の感情から自然に湧き出た笑顔だから。
これが私の、世界で一番美しいもの。

―――――
■リシア・ヴィヴ
11歳/女性/143㎝/翠才国
総ポイント250pt
運命数[0]

先代キャラクター:コーディエ・ヴィヴ【illust/84717486】 総ポイント:125pt
先代婚姻相手:レェ・シャーリー・エインズワースさん(故人)【illust/84717519
今期兄:レェ・シャムヴィオ・ヴィヴさん【illust/85698400
今期兄:ディディ・ヴィヴ【illust/85867626
今期妹:レェ・アーシェ・ヴィヴさん【illust/85856348

機織り職人の父と研究者の母の元に生まれた少女。将来の夢を「ひとを幸せにできる魔女になること」と宣言する、まだ幼さの残る無邪気な末娘。
家業に関わるかは本人の自主性に任せたいという教育方針により、現時点では趣味やおてつだいの範囲で機織りや裁縫に触れる程度。数年内に魔導学園への入学予定がある。

「ねえねえお願い、お花をかいてほしいの、ハンカチにししゅうしたいのにぜんぜん可愛い形にならなくて」
「レェのお人形!いるわ!えへへ、ベッドの上にね、たくさん並べるの。ヴィヴさんと、鹿さんと、レェさんと、みんなのぶん。そしたらぬいぐるみさんたちも楽しい夢が見られるよね?」
「お姉ちゃん、いっしょにおやつ食べよ?お兄ちゃんたちとお父さんがね、今年もマーマレード作ったんだ」
「魔術ができそうなら魔導学園にいっておいた方がいいって、家族みんな言うの。ママみたいにお薬作れるようになったりするのかしら?わからないけど……すごく楽しみ!」
「もふもふの動物は好き?特別になでさせてあげる!もふもふしているとなんだか楽しい気持ちになってこない?なってくるでしょう?」

叔母と祖母、それから母。親族との死別に泣く日々は越えたように見える――が、幼いなりに考えることが増えたようだ。どうかみんな、しあわせに。自分になにができるのか、少女はそれを探している。

「大丈夫、大丈夫よ。私がいっしょにいてあげる。私にはまだ、それしかできないけど。きっと、大丈夫になるわ」

「お父さんは、ママに会いたいと思う?……そっかあ。まだ、いいんだね」

■種族設定/引継ぎ要素
ヴィヴ族(鰭墨竜)【novel/13666650】植獣竜【illust/82833248
レェの一族【illust/82868366】調薬の鹿族【illust/82672877
他、両親CSを参照ください
……参考情報
寿命は120年~130年ほど。

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2020-11-15 15:01:58 +0000