「俺の生き方は俺が決める。…そう、望んでくれたはずだ」
企画元様【illust/80979654】
第4期【illust/85553562】
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水雨 竜胆/リンドウ・ダイジョウジイン・エインズワース(ミサメ リンドウ/Rindou Ainsworth)
年齢:27歳 性別:男 身長:193㎝(角は20cm程度)
所属国:青月国
総ポイント:125pt【精神:10/攻撃:40/技巧:25/魔力:50/幸運:0】
運命数:5
国の中でも市街地の外、あまり人が寄り付かないところに調薬の工房を構える鹿の一族。
一族の多くは皆のんびりとしており、性格も穏やかで心優しい者がほとんど。
一族の人間は全員、自分の魔力を込めた宝石を調薬魔法の媒体としている。
国を出た一族の末裔はどこかの山奥にある里で生活をしているらしい。鹿の角を持つ者が様々な国を放浪しながら医者の真似事をしているらしいが、真相は不明である。
✾ skill
【V-SalvationVictim,Veto,,,Vow】
幼い頃は怖くて泣いてばかりだった。朽ちていくのが怖いと叫んだ日もあった。…だけれど、誰も入っていない墓前への誓いは、これからも揺るがず、想いは能力を増強させる。
【悪喰鯨】
その身に宿す悪喰な鯨は、どうやら宿主よりも大切な人の命の方が美味いらしい。
【鹿族の名残】
今はもう遠い彼方、どこかに暮らす『もうひとつの家族』の力。医者を営むにあたっては有用なもの。
調薬の鹿族【illust/82672877】
∟泡傘鯨/アンジェロフィンチ/夢魘喰い
水雨の忍び【illust/82673609】
∟香華鬼/アツユ/クルジャ
✾Family✾
父:水雨 志青さん【illust/84805683】
「俺はこの能力を誇りに思ってる。だから使ってんだ。…親父にどうこう指図されるつもりはねえよ」
母:フェンネル・エインズワース【illust/84717467】(故)pt総計:50
「母上は最期まで芯を通して、強い人だった。…俺も、そうありたい。」
妹:水雨 桔梗【illust/86131940】
「薬草?おう、助かる。つーか薬草採取は助かるけどここのところ、色々危ねーだろ。一応、気を付けとけよ」
「お前も明灯みてーなこと言うなよ…あーはいはい俺が悪かったっつの!晩飯抜きとか言うなよな!」
妹:水雨 明灯さん【illust/85698683】
「オイじゃじゃ馬、お前また怪我しやがったな。傷が治っても服が破れてんだよ、この馬鹿」
(明灯…お前には、お前だけには、言うわけにはいかない)
+.✾♡素敵なご縁をいただきました(12/12:編集中)
フェアンさん【illust/85905753】
街の診療所には老若男女、小さな子供の患者も勿論いる。…子供は、苦手だ。自分の図体が大きいのもあるだろうが、如何せん怪我が痛い注射が嫌だと泣き喚き、満足にじっともしていられない。
「そこのお前、薬取ってくれ。子供?あー…泣き止まねえんだよ。だから、さっさと薬塗って終わらせようと」
薬置き場の近くにいた女に声をかける。そいつは自分と泣きっぱなしの子供を見比べて、驚いた顔をした。それに加えて、「怖い顔をしていたら、泣いちゃうわ」とも。
余計な世話だと思ったが、自分の代わりに子供の目の前に彼女が立ち、二・三言交わすと、子供はさっきまでの涙はどこへやら、あっという間に泣きやみそれどころか笑顔を見せるのだ。
助かった、と伝えればにこりと笑顔を向けられる。その表情がどうもむず痒く、目を反らそうとして――――腹の音が、盛大に鳴った。
「うるせえな、こういう体質なんだよ。治癒術使うと、腹が減る。携帯食?…ああ、良いなら、貰う」
「代わりに医学を?…言っとくが、俺は教えるのも得意じゃねえぞ。どっかの先生様とは違うからな」
携帯食を貪りながら、薬剤師であるのだという彼女と言葉を交わす。医学を教えてくれと言われても、如何せん自分の治療は母の受け売りと独学で、高尚なものでもない。精々教えられることとすれば、基礎的な医学と、自分の命を削った治癒術だけ。
別の医者の方が良いのではないかと言えば、どうも女は俺に教わりたいのだと。…奇妙な奴だと思ったが、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
いつしか、そいつが隣に居るのが当たり前の日常になっていた。ある時は医学や薬の話をし、またある時は家族の話をした。どうして話そうと思ったのかは分からない。だけれど、凛とし、自分の確固たる意志を持ち堂々とした彼女のことを、いつしかこれ以上ないくらいに信用していたのだと思う。
屋敷を走り回る音が聞こえる。この声は妹夫婦の子だろうか。
母が死に、父だけが静かに居て、妹たちが床に伏していた時の嫌な静けさは、今ではもう遠い昔のことだ。
痣だらけの腕を伸ばすと、傍らに佇む彼女がその手を取った。自分の手はさぞ冷たいだろうと問うと、「沢山の人を救ってきた手が、冷たいわけがない」のだと。
…最後まで、変わった女だ。ああだけど、確かにこいつはずっと、俺の生き様に惚れたなどと言っていたっけ。
「なあ、フェアン。子供たちと妹たち、父様も…ここへ呼んでくれないか」
ずっと、隠されてきた。それがどうしても、自分たちが置いて行かれるようで、嫌だったのだ。
だから、自分は包み隠さず話そう。自分の寿命のこと、亡き母の最期のこと、『約束』のこと、
――――愛するお前たちに、俺は全てを遺そう。
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2020-11-15 15:00:12 +0000