棚の上に置きっぱなしだった手紙を開き、思案する。
ひょこり、と頭の上から白い星くらげの少女が顔を出した。
「おねえちゃん、どうしたの?」
「いえ……」
手紙の差出人を、思う。
彼女の事は、正直なところ少し苦手だった。
静かな場所が好きなのに、しょっちゅう騒動を起こす。
穏やかに過ごしていたいだけなのに、感情が欠けているかのようにつっついてくる。
だから、元気になったら。万全な状態になったら、封を開けようと思って。
気が付いたら随分と遅くなってしまい、遠目に見る彼女の姿が変わってしまった時には驚いた。
彼女への気持ちが、急に変わるかはわからない。
というより、騒動はこれからも起こすのだろう。
だけど。
――君を傷つけた謝罪をしたいんだ。
手当の時に、薬を出してくれたのは彼女だという。
もう謝罪は受け取っているような気もするのだが。
「……リリィさん、良かったらケーキを食べませんか?」
「ケーキ?」
「ええ、お茶にしましょう」
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漸く三章が終わり、四章時間軸に入って怪我が治りました(「馳せる」は4章でしたが)
ということで遅くなりましたがこちら【illust/79953894】のお手紙に対するリアクションです。ツリーハウス周辺のテラスにいます。
リリィちゃんとブレック君が一緒なのは、こちら【illust/80309317】でセム君に預けてたブレック君、こちら【illust/80233285】の後はセム君部屋に野放しなんだろうか……ということで、リリィちゃんと一緒に自室で預かってますよ、的な。あとこちら【illust/80313275】が可愛かったので。
お借りしました
ククルムーンさん【illust/80224274】
リリィちゃん【illust/79088035】、ブレックくん【illust/79010530】
ヨナ【illust/79130601】、林檎の樹【illust/79205641】、ケーキ【illust/79523130】
2020-03-26 14:37:00 +0000