コチラ【illust/65705270】の後くらいのお話。
今更 PFRDアフター 申し訳ございません!!描きたい欲が抑えられなかった!!
パラレルスルーしてくださって構いません!!
猫の誕生祭【illust/64806982】
お借りしました
ニトラさん【illust/64101120】ドレス【illust/65072332】
うちのブレイド【illust/63991602】正装【illust/65082189】
以下怪文書
ブレイドは華やかな舞踏会の片隅で一人テラスで考え事をする。
ダンスは知らない、酒は飲むと飲まれるので飲まない。
故に彼はバルコニーで会場の様子を眺めて過ごしていた。
そして、同じようにバルコニーにやってきた魔境図書館の同僚であるニトラに声をかけ一曲踊ったのだが
「美人だ」
などと普段なら思っていても絶対に口から出さない言葉を出してしまったのである。
その後、それを聞いたニトラ本人から自嘲気味に
「”美”などという言葉からは遠くかけ離れた存在よ」
と言われてしまい 立ち去る彼女の背中を見送ることしかできなかったのである。
分かっている。失うことのへの恐怖がどれほどのものか。
自分自身今までに何度となく親しくなった者を、共に戦った仲間を、信頼のおける同僚を失ってきたのだから。
自分がそこまで親しい仲か、と言われるとそこまででもない気はするが 同じ場所に所属している以上安易な深入りはやめるべきだろう。
「・・・帰るか」
考えたところで発言は取り消せない。これ以上余計な言葉を重ねて墓穴を掘り進めれば確実に首が締まる。
踵を返して帰ろうとしたその時、参加賞に貰った青い薔薇から光が見えた。
「よお、相変わらず辛気臭い顔して性懲りもなく敵前逃亡か?」
光が集まり、見知った姿を作ったと思えば 懐かしい・・・いや無性に腹が立つ声が聞こえてくる。
「逃げるわけじゃねぇ・・・なんでお前が出てくるんだ」
今ここにいない人に出会う魔法がかかっている、と会場内の誰かが話をしているのを聞いたが、よりにもよって・・・
「ッハ! 相変わらず口は達者だなぁ」
昔、まだ傭兵として駆け出しだったころ。面倒を見てくれた恩師であり、生き抜く術を叩きこんでくれた師でもある男。
感謝はしている。だが、それ以上にコイツのおかげで必要以上に苦労を重ねた気がする。いや、必要以上の苦労を押し付けられた。
「なに笑ってんだ。アンタが死んでからどれだけ苦労したと思ってんだ?」
言いたいことは山ほどある。言葉にし尽せないほどに。
「あーそうなのかぁ? ま、文句は地獄で再会したときにでも聞いてやらんでもないぞ」
「聞く気ないじゃねぇーか!」
光の中でニヤリと笑うその姿は、あの時のままだ。どうやっても勝てる気がしない。
「お前、何も持たなければ失うものは何もない なんて考えてないか」
不意にいつもの憎たらしい嫌味な笑顔が消えて、真面目に言葉をかけてくる。
「それは間違いだ。何も持たないからこそ余計に失うものが増えるんだよ」
そして再び、いつものニヤケ顔が戻ってくる。
「どうせ行きつく先は地獄なんだ、今更恐がるなよ」
なにも言い返せないまま、ただいつもの憎たらしい嫌味な笑顔がそっと消えていくのを見送ることしかできなかった。
帰り道、先に帰ったと思っていた彼女を見つけてしまった。
「よ、よお・・・ニトラ」
いやいやまてまて俺はなんで声かけてんだ。
「あー、その・・・」
当然声をかけられて彼女はこちらに気づく。当たり前だが。
「今から言うのは俺の本音だが、笑い飛ばしてもらって構わねぇ」
どうせ行きつく先は地獄、なら正直に言葉にしてけりをつけよう。
「美人だって思ったのは本当なんだ。その傷も含めて、君の身体も生き方も 美しいと思った」
「・・・正直初めてなんだ、美しいと心からそう思ったのは」
「だからまあ 俺にとってはニトラは他にいない美人なんだよ」
「・・・その、なんだ 多分 おそらく 俺は君に惚れた」
「だからどうしたってことはないんだが・・・これが俺の本音で どうしようもない気持ちなんだ」
----やっぱり止めておけばよかった
この後魔境図書館へ帰って数日はやっちまったって顔して過ごしてると思います。
Q.要するにどういうこと?
A.ブレイド君渾身の告白
パラレルでもスルーでも大丈夫です。
2020-01-08 14:42:12 +0000