仕事だ。どんな豚野郎だって盗ませないし殺させるわけにはいかない
こちらの素敵企画様【illust/65697558】に参加させていただきます
夜間依頼さえあれば相手が悪徳商人でも、権力を振りかざす傲慢でも護衛する。例えどんな人間だろうと殺させない害させない事に命を賭ける。機械的で感情はあまり表に出さず依頼されたこと以外は行わない。
「おい犯罪者、俺は貴様のようなドブネズミが一等嫌いだ。去ね」
「手を汚して尚平然としている理由が理解出来んな」
「夜が明ければ、また分からなくなるのだろう。こんなにも目に焼き付けた姿だと言うのに夜の闇でしか貴様を追い詰められん」
昼も生真面目で頑固だが年相応に感情豊か。潔癖症気味で、汚れには顔をしかめるが仕事柄汚れる人は汚れをつけて近寄らなければまだセーフ。
元々武術に力を入れた由緒正しい家系の長男ということもあり武術は大体齧り、大人と対等に渡り合えるように日々努力を積んでいる秀才系。
「そこにいられると掃除の邪魔なんですけど」
「きったねぇんですけど! それで平然としてるとか正気か頭湧いてんだろ!」
「……折角平和なら、昼夜問わず一切の害悪なんて無くなってしまえばいいのに」
最大の勝利者の意を名付けられ親の期待を無下にしない道をただひたすらに 自分の運命として
昼も夜もあまり変わらない性格。裏表のなさは若さ故か、少年なりの都市への反発か。
「子供には生き辛い都市だ。俺たちはただ幸せに、安全に 生きて生きて生きて 生きていたいだけなのに」
■素敵なご縁をいただきました
宿敵フリッツ・リヒターさん【illust/67062423】
夕暮れ時の公園で、ベンチに座る大人に声をかけたのは何故だろうか。
「おじさん仕事は? 暇なの?」
驚いた後困ったように笑ったその人は別段不真面目ではなく仕事がないのだと言う。まあ昼の間はそんなものだろう。
「勉強は学生の本分。偉くも何もないよ」
自分がしていた当たり前を当たり前に褒めてくれた人。成果の前の過程を凄いことだと笑ってくれた人。変な大人だと思った。頑張れと言わない、叱咤しない。努力を褒めてくれる人。
それが少しばかり心地良くて。
「……この位、当たり前ですから」
何と無く暇があれば公園を覗いた。学校終わりの夕方、昼と夜の境目で年齢が離れた二人は他愛ない話を続ける。垣間見える赤の目が遠くを見て諦観するのを横目で見ていた。
夜色の外套を翻し、夜の血生臭さを際立たせる演出家のように立つ男。
護衛対象を狙って来た殺し屋は蹴飛ばし、騒ぎを聞きつけた警察に投げ捨てる。直感だった。奴を捉えなければ、任務は終わらないと。
何故犯罪者と変わらない屑も庇うのか、と問われた。
「どれだけの屑でも、正しい法律で正しい人間が裁く。人を裁けるのは人ではなく、指標のみ。犯罪者のため犯罪者を生むことは認められない」
悲しげに、諦観した視線を下げた姿に苛立った。何故諦めるのか。外套越しに見た空が、透き通る星空が目に焼き付いた。
昼のために夜を犠牲にする等認めない。それでは悲劇が悲劇を生んで、この都市に夜明けなど訪れまい。
何度も会う暇人な弁護士と
「昨日、この俺をゴミ捨て場に連れて行こうとして! ねぇ聞いてます!?」
被る夜の依頼と交わす言葉はどこか論戦のようで
「……また貴様か。他人の揚げ足取りが余程上手いと見える」
ふと、街灯が灯り気がついた額の傷跡。まるで十字を刻むような形。問えばまた、困ったようにはぐらかすのだろう。
ーーーーずるい人だ。
本当に
「あんた、なんで、その傷」
ずるい。
昼と夜が混ざり合う。気に入らない。
整頓して片付けるべきなのに、感情が溢れて溢れて機械でいられない。
気付いていたんだろう。きっと俺より先に、聡明で冷静な貴様は解っていた。
赤の目が昼と夜を曖昧にする。
正しくあれと願われた俺を、ただの未熟者に戻していく。
胸倉を引き寄せて同色の視線が絡まる。大人になるために、成長するために俺を子供に戻すこの人を許してはならない。
許さない。この混迷を、混沌を。絡まった糸を解くために。
「俺が、甘い子供から大人になる為にあなたが邪魔だ」
「仕事の邪魔をする貴様を捕らえ、俺は上に行く」
月の下で
子供の俺と大人のあなたとで
言葉を交わそう
どちらかが折れるその時まで
「俺、成りたいものが出来た」
俺の正義を甘いと信じてくれた人がいたから
「裁判官、とか」
■交流は遅筆のためゆっくり更新になります
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■弟 リュコスくん【illust/66888981】
「馬鹿弟、遊び歩いてないで勉強か鍛錬をしろ。……チッ、今すぐシャワーで汚れ落してこい!」
「この朴念仁……! 家の恥になることはするなと何度言えば分かる。兄弟と括られること自体が屈辱だ!」
「全て俺がなんとかする。大人に目をつけられる前に、最低限の知識と礼儀を身につけて早く外へ出ろ。危ない橋は渡ってくれるな、夜だけは気をつけろ」
■バイト先の店長 シャレムさん【illust/66888980】
「店長〜? オイコラ怠けんな! 起きろ! 掃除と会計、在庫整理! 少なくとも一個は自分でやれ!!」
「はいはい、死にたくなる暇があるならその本置いて仕事しろ仕事ー。ただ酸素消費する植物じゃねぇんですから働いてくださいねー」
「……本当、困った大人ですよ。なんで俺、こんな店でバイトしてんですかねぇ」
2018-01-20 15:00:16 +0000