【九十九路】メルポメーナ【第四期】

くらきしろ
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メルポメーナ・ガランサス・ノーレッジ(Melpomena Galanthus Knowledge)
 性別:女/年齢:17/身長:151cm
 『羅針盤』:月光/強靭:11 知能:26 器用:22 機敏:17 幸運:24
 レトヴィザンはヴァルクガルドの地で“賢王”ギーゼルファリアと出会い、彼女の騎士となった。
 結ばれた二人の間に生まれたメルポメーナは、両親に似ず剣術は不得手であったものの、歌劇の分野で才能を現し、
 魔法学院に在学中の身ながら、近年落成した歌劇場でソプラノ歌手兼役者として活動しており、いずれはプリマドンナと
 なるだろうと期待されている。
 最近は国外での公演など活動の場を広めつつあるが、卒業までは学業優先の予定。

 10代前半程度の外見で成長を止めており、華奢な体躯と儚げな雰囲気を持つ少女。
 しかし内面は強靭な精神を有しており、どのような舞台・役どころでも緊張に流されず、安定したパフォーマンスを発揮している。
 自分に厳しく、他人にもやや厳しい彼女の言動には、初対面の相手が面食らうことも多い。

 誰にも打ち明けてはいないが、ここ数年、時折吸血衝動が沸き起こることに悩まされている。
 この“体質”の持ち主であった父親にそれとなく尋ねてもそのような症状は聞いたことがないらしく、精霊種の血統と交わったことで
 変質したのではないかと推測している。
 なお、現在のところは電気羊を齧ることで(鉄の味がするので)紛らわせられており、実際に吸血行為に及んだことはない。

 父:レトヴィザン【illust/62357970
   「お父さまは意外と心配性なのですよね。初めて公演で国外に行くと伝えたときなんてもう…
    お父さまとお母さまの子に生まれて、どうすればひ弱に育つというのでしょう。
    でも、大切に想ってくださるのは、とても嬉しいことです」
 母:ヴァルクガルド前王 ギーゼルファリアさん【illust/62290930
   「わたくしが歌とお芝居を学ぶと決めたときに、わたくしだけ違う道なんて…と勝手に後ろめたく思っていたのを、
    お母さまが後押ししてくださいました。
    わたくしにとって、それがどれだけ心強かったか……」
 兄:ヴァルクガルド王 シメオンリートさん【illust/62910259
   「最初にわたくしの歌を褒めてくださったのは、お兄さまなんです。
    それ以来今日まで、わたくしのことをずっと応援してくださって……
    お兄さまが舞台を一番良い席で見られる方で、本当に良かった」

✵絆を結んでいただきました。
 業欲王 シェハルリヤールさんillust/63067880
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 会見に指定された場所は、各地に点在する彼の拠点のひとつであった。
 秘密裏に単身その地を訪問した主は、業欲王――シェハルリヤール氏に好意的に迎えられた。
 開口一番に主の容姿を賞賛するところなど、一見軽佻浮薄な態度であるが、それも交渉の手段のひとつであると判断すべきである。
 私が最大級の警戒態勢にあるなか、主は挨拶を済ませると、直ちに最大の用件を述べた。
 「わたくしのパトロンになっていただけませんか」と。
 主は依頼事項を提示した。自分はまだ役者の卵であるが、今後活動していくにあたって、身内である王家以外の後ろ盾を
 求めていること、その相手は自分の価値を保証できるだけの審美眼がある、と大衆に評価される者が望ましいこと、
 そしてもうひとつ。
 「貴方の血を分けていただきたいのです。わたくしはどうも、他人の血液を求める体質のようで。
  けれど、それは相手を不老にしてしまうらしいのです。故に、相手を選ぶ必要があります。
  ……貴方は、既に不老不死なのでしょう?」
 対象が彼でなければならなかった最大の要件である。主は血縁者にすら口外しなかった秘匿事項を明かし、それを要求に上乗せした。
 一方、氏は主の依頼を検討に値すると評価したらしい。18秒の間を置いて、主に対価の提示を求めた。
 「役者としてのわたくしの今後の資産価値を」
 「わたくしという清廉な媒体を通して、それを正当な手段で支援してくださる貴方の印象の改善を」
 
 「――そして、わたくし自身を貴方の“蒐集品”に加えていただいて構いません」
 
 まるで舞台上での演技のように、主の発声は冷静であった。しかし、膝の上の私の背に添えられた手の発汗量はそれと比較して
 およそ3倍であった。
 主の回答は氏にとっても想定外の内容であったらしい。僅かに目を見開くと、腹を抱えて大笑した。
 返された氏の指摘は妥当なものであった。一例として、氏の支援を受けることで、逆に主に悪評がつくことは免れない。
 それが主の誇りを貶める性質のものとなることは想像に難くない、と。
 しかし、手に力を込めた主は、努めて平然と答える。

 「“その程度”の風聞で折れるようであれば、わたくしも“その程度”だったということでしょう。
  ――それに、貴方はきっと、所有物の価値を落とすようなことはなさらない。違いますか?」

 氏は再び大笑し、そして契約は成立した。
                                    ――――『電気羊の夢』第四章 小夜啼鳥は檻に在らず
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                                              Side:Melpomena…novel/7833736

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九十九路の羅針盤illust/60865485

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2017-05-18 18:49:34 +0000