【九十九路】呼竜の手簡・エデ【第三期】

熱子
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❖九十九路の羅針盤【illust/60865485】さま

"呼竜の手簡"エデ=ローメットバイト///国
「永劫の都」とも歌われた山間の国。先の時代、砂漠の水都アイルグラードとの交流のために都は益々栄えた。
人や物、技術も増え、今では滅びの足音など聞こえはしない。
消えぬ灯火や“双葉”と呼ばれる手紙の力のため、旅人の立ち寄る要所として育ちつつある。
├❖竜の心臓
│└❖分け火-"葉"
│└❖竜の声
│ 鳴動する。竜の心臓が。それは、鼓動のように。声のように。そこに在ることを知らせるように、鳴っている。
「『あなたの名を知らない あなたの声を知らない あなたが誰で 私の何であったのかを知らない。
│ おしえて、なまえを、こえを、かんけいを。あなたを証明して。おともだちになりましょう』」
「『"もういちど"』」
└❖竜路
❖手紙-"双葉"
 アイルグラード国で作られた便箋に、エデの炎の灰を混ぜたインクで綴られた手紙。
 その手紙を燃やすと書き手との間に道がつながり、何処へでも手紙の主に会いにいくことができるという。

ミラ=エデ・ローメットバイト//王
先代王とアイルグラード国の女王の間に生まれた少女。新たなる”エデ”として火を継ぐ者。
成長した後にエデを継いだため、王としての言動と個人としての言動に差異が見られる。
所作や言葉遣いに顕著ではあるが、意識まで違うわけではないために本人も然程気にしていない。
エデの竜の存在を信じ、それを目覚めさせたいと考えており、竜への手紙を火口へ飛ばすのが日課である。
子どもらしく甘えたがりな性格で手紙が好き。
数日程度であれば先代に国を任せての外出が可能になったので、手紙を利用しては様々な場所へ足を伸ばしている。
└❖先代エデ【illust/61688448】/アイルグラード国 アウラさま【illust/61689835
 「心配なさらずとも、焚べてしまったのは父さまではないですよ。すぐにほころびがでるような火ではありません。
 きっと、ずっと、むかしのこと。だからもういちど、やりなおせばいいのです。…ね?」
 「母さま、おてがみください。一緒にいる間も、たくさん!
  大事に大事にためておいてね、母さまに会いたくなるたびに燃やすのよ。ふふふ、いいでしょ?」

└❖兄:ミトの郷アイルグラード・ファロさま【illust/62203993
 「『ににさま、お元気ですか。この間たびびとさんがこおりのお花をくれました!
 ひんやりしてきもちいいので、さばくのににさまにあげる。
 だからこのおてがみ読んだらすぐに呼んでね。ぜったいだよ!』」


❖絆:玄灯のイルミナード/アレクさま【illust/62338151

 「都に還る流浪の灯明。それは道行きを照らすもの。揺れる冬の色――あの人の齎す“目覚め”への道。」

≫淵より―by the Flame
世界樹の枝に灯火は継がれ、砂漠の水都と共に都を興した。滅びの足音は既に過ぎ去り、街路を鳴らすは人の歩。
それでも、“永劫”にはまだ遠い。まだ足りない。
たとえば…、竜が。それは、思い出とともに燃え尽きてしまった“わたし”にとっての「何か」。
永劫が消えたときをきっと知るもの。だからわたしは今日も、竜の目覚めを呼んでいる。
『こんにちは、はじめまして。竜よ。わたしは、ミラです』
書き慣れた手紙。折り慣れた飛行機。
オォン、と竜が啼いている。何を泣くのか、どうして鳴くのか、わたしにはわからない。その声は届かない。
「おなかでもすいてるの?」
投げた紙飛行機は逆さまにひっくり返って後ろへ飛んでいく。
なんとなくそれを目で追って、仰ぎ見て、振り返って、ゆっくりと着地した視線の先に、靴。
見上げて目が合ったのは、澄んだ冬の空だった。
きっと、新しく帰ってきた旅人なのだろう。なんとなくエデの火の気配がするから。
「こんにちは。わたしは――
>>>
灯りのおにいさんは、ににさまと同じくらいにみえるね、と心が囁く。
そうかしら。ににさまのように優しいひとかな。わたしを見て、残念な顔も侮った目もしなかったから。そうだといい。
ー彼からの提案は交易と、情報。
あのきらきらを売るのかな、と荷馬車の灯りたちを目に浮かべて…まだいけないとわかっていても浮足だってしまう。
だって、火以外の灯りはここでは珍しいし、その石細工は類まれなる美しさだと“エデ”の目もいっているのだ。
…いけない、もっとちゃんとお仕事をしなくては。
まずは提案の見返りに、市の良い場所を提供しよう。エデの民たちもきっと喜ぶ。
“双葉”の手紙を用いれば移動も容易になるだろうから、それも取引材料に。
情報は、竜の話を望みたい。様々な場所へ行くのなら、眠れる竜を起こす話も何処かにあるかもしれない。
そういった話を聞いた時にこちらに伝えてもらえれば―…
そこで私は、ひらめいてしまった。
「おてがみ!おてがみくれますか?!わたし、竜のはなしが知りたいの。いろんな竜にも会ってみたい!
 だから…あっ、ええと、ごめんなさい。とりみだしました。ぶんつう、憧れているのです。
 父さまと母さまが…。いえ、関係のない話でした。順序だてて説明いたします。あなたがたの献身への報奨について。」
「では、みちたりた滞在を。火があなたがたを癒やし、その苦を燃やし、その身に祝福がありますように。
 …ふう。むずかしいお話、おしまいです。今日は“エデ”もおしまい。
 灯りのおにいさん、都はまだ回ってないです、よね?じゃあ、わたしが案内します!
 だから、それが終わったら今度はお兄さんの隊商のきらきらを案内してください!ねっ」

◯編集中◯

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2017-04-07 13:36:04 +0000