花冠を戴く者【illust/55830776】第三期二家系目です。
☆シャルドネ・エール・ワークス 女/24歳/166㎝/雪の国・付与魔術師/知2・武5
「いえいえ、お金はお気になさらず。頂ける分は頂きますけど、人の役に立つのがお仕事ってもんですから。
よく言うでしょ、健康は金で買えないって。私はあくまでお手伝い、後は皆自分の力で健康になるんですよ!」
「……それはそれとしてこう、地酒とか……秘蔵のワインとか? お持ちじゃないかしら。えへへへ」
「あっこれはまたいいお酒で! 開ける前に香りが、香りと共に味がわかる。ずばり美味しいお酒ですね。もちろん頂きます! ささ、ご一緒に♡」
二十余年前、雪の国に移住した夫婦が始めた酒場"クレデュヴァン"。
アルコールの香りと、人生の悲喜こもごもを子守歌にして育った娘はやはり酒に親しみ、酒と苦楽を共にする生き方を選んだ。
――良くも悪くも。
標榜する職業は"薬酒師"。花やハーブ、様々なまじない物とほんの少し魔法を混ぜた健康酒を商っている。
気力回復やデトックスから骨接ぎに効く酒など、心身に作用する。
既製の酒に混ぜることもあれば、子供でも飲めるジュースまで、味と種類の多様さは偏に本人の酒好きによる。
ひがな一日、片手間と片手に酒がある。それでも日中は嗜む程度で、本番は仕事帰り。
酔うほど羽目も外すが、アッパーな態度とは裏腹に脱がず吐かず潰れずで波が引けば酔客の後始末までする。
徹夜で飲んだ明け方五時が賢者タイムのピーク。
滅多にない話だが、酒が切れて手元にないと途端に不安になって涙まで出る。
薬酒を商って国内外を精力的に巡っている。材料も手に入るし――地酒とか、大好きである。
愛嬌は母譲り、丁寧さは父譲りの至って実直な仕事ぶりだが、基本的に酒気帯びな為「頼れる」と言う印象からは程遠い。
テオラ派
他が為に働く奉仕と献身の精神を特に美徳と掲げる一派。
働いた分休息も取るのが玉条だが、もっと働く為に休むという考え方をする人が多い。何でか。
シャルドネは異端児のようでいて、務めへの一心さは変わらず、むしろ本来はこちらが教えに近い。
父:彩の国・ハダル【illust/57795142】
母:彩の国・ワイン【illust/57876128】
「父さんほどじゃないけど、私もちょっとは若く見られるのよ。これからに期待ね!」
「はーやっぱり実家が一番だわ。お母さん、構って~。あと勇者歴36年物辺りの白ワイン出して~」
双子の片割れ:ウォーカー【illust/58384756】
「あんたのランプはそりゃ綺麗だけど、アルコールにとって最高の幸せは人に飲まれることよ!(※個人の主観です)
楽しくおいしく健やかにっつってーーあ、あれ?! お、お酒、返してよぉ……ぐすっ、意地悪しないでよぉ〜」
「え? 私が姉であっちが弟よ。当然。手がかかるったら」
◇素敵なご縁を頂きました!(8/9)
レミイさん【illust/58186730】(雪の国・付与魔術師/知2・武5)
「そうね、私もそろそろいい人見つけたいわね~。父さんうるさいし。
お酒は好きだけど結婚はできないのよね、ほら彼ったら戸籍ないから。あはは!」
さて、酔っぱのおじさま方の相手をしていると、遠くで悲鳴。レミイが来ると一回はこれだわ。
何で手だししてるんだか――自己責任、自己責任。知らないっと。
別に喧嘩っぱやいってわけでもないはずなんだけど、ね。
*
気長な道のり、今日より明日が、明後日が、――未来までずっと豊かに熟れていく、美味しい私と彼の話。
【novel/6997069】
2016-08-04 20:39:38 +0000