人形館の安息日【illust/54961214】
第四場面【illust/56972961】も引き続き参加させて頂きます。よろしくお願いします。
最終更新:7月13日 ココロの共鳴
■リータス/男/171㎝
ココロのカケラ:4
予感:悲観
たいせつなもの:頭飾り
おもいだしたもの:羽
ギフト:水の呪い
確信:――
各場面と共鳴相手
第一場面【illust/55683679】 / スターチスさん【illust/55814898】
第二場面【illust/56367729】 / セトゥラシス君【illust/56276510】
第三場面【illust/56909316】 / ブランシュさん【illust/56689586】
■行動方針
「ブランシュと出会ったのが今じゃなくて良かった。今だったら彼女の手を取ってやれなかっただろうから」
守る対象もいなくなり、慎重に行動する必要性がなくなった為、自分一人なら多少(どころじゃない)無茶をしてでも突破するつもりでいる。
早く記憶を取り戻さなければいけないという焦りから視野が狭くなり、他者を気遣う余裕もあまりない。
それまでの落ち着きが嘘の様に始終険しい表情を浮かべている。
■ココロの共鳴 6/22 良いご縁を頂きました。有り難うございます!
オデットさん【illust/57258746】
今度こそ、守らないと――。
ある少女を守り切れず、怪我をさせてしまった事でそう思う事が増えた。
けれども肝心な守るべき存在が未だに思い出せずにいる。そして、その存在がどうなったのかも。
早く記憶を取り戻さないと。
早くこの呪いを解かないと。
早くこの館から脱出しないと。
早く何とかしなければという焦燥感に支配され、ただひたすら前へと突き進む。怪我する事も恐れず、躊躇わずに。
視野が狭くなっている為、静かに語りかけ、後をついてくる者がいる事にも初めは気が付かなかった。
気付いたのは手を握られたからだ。突然の事にギョッとして振り返れば、儚げな容姿の若い娘が心配そうな表情を浮かべていた。
懸命に何かを語りかけてくるが、焦りと動揺の為にその言葉が頭に入ってこない。
「大丈夫、私もあなたを助けるわ。だから一人で頑張らなくて良いの。一緒に行きましょう」
「っ……僕に構わないでくれ!」
そして一度は冷たくその手を振り解いた。後ろからかかった声には聞こえないフリをして先へと進む。
それでも彼女は後を追いかけてきた。それどころか守る様に、支える様に、彼女が持つらしい闇と光の力を使い分け、進む手助けをしてくれた。
そして繰り返される大丈夫、という言葉。何が大丈夫なのか分からなくて――けれども、彼女の声を聞いていると不思議と気分が落ち着いてくる。大丈夫な気がしてくるのだ。
見える範囲の敵が全て倒れたのを確認して後ろを振り返る。
空中を進む彼女の動きはどこかぎこちない。どうやら上手く飛べないらしい。危なっかしいその動きを見守っていると、不意にバランスを崩した。落下しかけた彼女に向かって思わず手を伸ばす。
彼女はオデットと名乗った。大切な友に裏切られ、生まれ育った城を滅ぼされてしまったと言う。惨劇を繰り返さない為に彼女は宿敵と対峙しようとしているらしい。
気丈に振る舞っているが、本当は不安と恐怖でいっぱいなのだろう。時折その細い肩が震えている様に見える。
彼女を支えてあげたい、と思った。
「奥にはきっとまだ敵がいると思う。目的地に辿り着くまでは僕が君を守ろう」
「私は守られなくて良いの。私のせいで誰かが傷付くのはもう嫌。今度は私が皆を、そしてあなたも守りたい 」
「僕は……頑丈だから。それに、僕も誰かを守れないのはもう嫌なんだ」
かつて誰かを守れなかった事、そして少し前にも共にいた少女を守れなかった事を思い出す。もう、あんな思いは充分だ。
けれども、彼女の気持ちもよく分かる。誰かが自分の所為で傷つくのは確かに嫌だから。
彼女の強い意志の込められた視線を真っ直ぐに受け止めて苦笑する。たぶん、彼女も譲らないだろう。
「分かったよ、一緒に戦おう。でも、無理はしないで。君には大事な使命があるんだ」
「あなたにもあるでしょう。だから、一緒に頑張りましょう。大丈夫、二人ならきっとこの先に辿り着けるわ」
何故だろう。彼女の言葉がやけに響く様な気がする。彼女がそう言うと、そうなる気がするというか。
「でも、やっぱり君の事は守りたいんだ」
「……どうして? 私、そんなに頼りないかしら?」
「そうじゃないんだ。いや、僕の目にはか弱い女性に映るんだけど……そういう事じゃなくて。上手く説明出来ないんだけど……たぶんあの子とはまた違う意味で……君が大切だと感じるんだ」
出会ったばかりの彼女にどうしてそう感じるのかは分からない。でも、守ってあげたい、支えてあげたい、と思うのだ。
自分の言葉を聞いて彼女は酷く戸惑った表情を浮かべた。何となく落ち着きがなくなってしまった様な。
「オデット? どうかしたのか?」
「な、何でもないわ……大丈夫よ。先に進みましょう」
そうは言うけれども、その飛行は先程よりもさらに危ういものになっている。
ふらふらとどこかへ飛んでいってしまわないか不安になって、その手を取ると彼女は困惑の表情を浮かべた。
気にせず彼女の手を引いたまま前へと進む。
しばらくそうして進んでいると、ぽつりと彼女が弱音をもらした。
一人で背負うにはあまりにも重いそれに押し潰れされてしまいそうなのだろう。
少しでも支えになる様に彼女の手を強く握る。
「オデット、全てが終わったら必ず君の元へ行くよ」
この感情を何と言えば良いのだろう。あの子が――マスターがいればきっと教えてくれただろうに。
(8水の呪い+5風の呪い=13 1+3=4 4:悲観)
※何か問題・不備等ありましたらご連絡頂けると助かります。
2016-06-18 14:59:58 +0000