【人形日】マリウス【第四場面】

甘露
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◆ 人形館の安息日【illust/54961214】 第四場面

 抱いたココロに止まり木はある?

◇ 知っていること
  名前:マリウス
  性別:男 身長:158cm ココロのカケラ:4
  予感:3/追求 たいせつなもの:9/鏡 おもいだしたもの:5/魚 ギフト:5/風の呪い 確信:--

  第一場面【illust/55742003】 共鳴/カノン(UtPar-dis)さん 【illust/55628754
  第二場面【illust/56357153】 共鳴/ククトワさん 【illust/56364539
  第三場面【illust/56906988】 共鳴/ミナリさん 【illust/56796389】/【illust/57579061

  「胸の内に輝く言葉。さよならの証の様に、握り込むだけじゃなくて。
   また会えるんだって。その日のためのたいせつな。僕の赤い糸

  自分がかつて 今の自分 を願っていたことを思い出した少年。
  変われていたと教えてくれた少女とも、別れることになってしまった。
  それでも交わした言葉は胸を満たし、今も強く輝いていることを知っている。
  これまでの出会いを通じ、変わり続けてきたこの身は
  これからも変わり続けなければならないと考える。
  何を思いだし、どう変わっても、自分自身で在り続ける為に。
  もう願うことを恐れずに、どうしたいかを考える。
  灯りから生まれる魚の影は、鏡に映り増えて、風に立ち向かう翼になって。
  また会いたいと願う、たいせつの元へ。

  風の呪いは贈り物。空っぽのココロに初めから巣食っていた罰。
  お前が手を離したのだから、もう帰ってはこれないよ。

◇ 共鳴/かわしたおもみ
  別つ孤独 シロフォンさん【illust/57165199】 3/地の呪い

  風を切り往きましょう。
  何処か遠い場所。何もない白の空。
  そこで 一人きり であることは、きっと 仕方ない こと?


  願いはこの背に翼となって。
  ただ流されることのないように。望みを叶えられるように。
  灯りは導べとなる。魚は足となる。鏡は夢を叶えて。
  剣は――

  『傷つけるのは、良くないよ』
  新たに知る、君を傷つけないためにあるんだ。

   ◆

  「一緒に行こう」
  共に前へ。それは記憶を取り戻すために。
  手を引き、灯りで照らす道を駆ける。

  逃げ続けるだけにと、君は言う。
  誰も傷つけないように。それは良くないことだから、と。
  頷いてその身体が、地に囚われないようにと引き揚げる。
  僕は知らない、君のこれまでが 君の足を止めないように。

  きっと何処かで繋がっているからと、君は言う。
  さよならを繰り返した、館での出会いを告げる。
  赤い紐の先。彼女と人形を繋ぐ糸は。
  たいせつの証なのだろう。これからの暗示なのだろう。
  僕が気づく、君のこれまでが 君の力ならば。

  どんなことでも受け止めると、君が言う。
  それは辛い過去かもしれない。
  それはこれからの孤独かもしれない。
  それは傷つくその身体かもしれない。
  僕の知る、君のこれからが 今の君が。

  これは我儘かもしれない。
  「シロフォン、たったひとつ。別れるまでの願いを聞いて」
  受け止めることで。
  流されることで。
  壊されることで。
  「誰も傷つけないで、君が傷つくくらいなら。
   誰を傷つけてもいいよ――君を傷つけないで」

  受け止めましょう。踏み出した一歩のその先を。
  進みましょう。他でもない、未来を。
  守って。たいせつな君を。

  ――それが僕の、生きるという言葉の重み。
  「約束。どうしようもないことも、どうすればいいかわからないことも全部、仕方なくても」
  「繋がりが切れないように。望む未来のために、抗うと決めたから」
  「シロフォン、一緒に。今を 孤独 を壊そう」

   ◆

  灯りは導べ。魚は足。鏡は願望。
  剣はこの決意を支える。
  そして翼は今はただ、君がもう躓かぬよう。

  手と手が触れ合うこの道で。
  風と地を繋ぐ。君/僕は一人きりじゃないから。

   ◇

  探し続けていたものは初めから存在せず。
  ――代わりに見つけたものは幾つある?
  自由にはいくつもの鎖が伸びる。
  ――風は強い流れを作り、地はいつかの僕を飲み込んだけれど。

  (これからも、きっと繋がっている)
  (それを証明する色が、僕の運命を支えているから)

   【寂寥】を晴らすのは、いつだって あたたかな【繋がり

  『一人きりじゃないんだ』
  だから、この道を往ける。止まり木も知らずに、ただ前へ。

   ◇

  最期へ向かうの扉を開ける。
  在るはずもない時計が、針を刻む音が聞こえた。

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2016-06-18 08:39:46 +0000