「何か用かい、そこの嬢ちゃんよぉ」
樹に体を預け、徳利を傾けながら男はそう言った。
「・・・新たに用心棒を一人雇ったとタクリ殿から聞いて、顔だけでも見ておこうと思ってな。生憎、その目的は果たせなかった訳だが」
皮肉を込めつつ、横目でにらみながら淡々と告げる巫夜に対し、男は態度を崩さないまま言った。
「へへ、そう睨みなさんな。別にやましいことなんかありゃしねぇ、心配せずとももらった金の分はしっかり働かせてもらうからよ」
「その言葉、覚えておくぞ。くれぐれも可笑しな振る舞いは慎むことだな」
そう鋭く言い放ち、その場を離れる。そんな巫夜に、後ろから追いかけてきた近侍衆の仲間が物思わしげに話しかけてきた。
「巫夜さん、何だかあの用心棒さんのこと信用していないみたいですね・・・」
振り向きながら、溜め息交じりに返事を返す。
「それはそうだろう。素性も知れない、素顔も知れない、だが腕は立つ・・・疑いを抱くなという方が難しい話だ。・・・タクリ殿が直に会って雇った以上、それなりに信の置ける人物なのだろうとも思うが・・・警戒をしておくに如くはないからな」
「そうですか・・・でも、話してみると悪い人のようには思えませんでしたね。」
そう言って、その仲間はほろほろと涙をこぼしながらほんのり微笑んだ。
「まぁ、確かに邪気はなかったが・・・私はどうもああいう飄々として腹の底が見えない者は苦手だ・・・」
不信の理由には少し私情も入っているな、などと自覚しつつ、巫夜は軽く頭を掻いた。
戦場絵だと思った?残念、ログイン前の小噺でした!!!!!(土下座)
「頭の固い巫夜のことだしいきなり戦場で雇われた遥刃さんのこととか絶対信用してないだろうな~もしそうだったら(中の人的に)たいへん美味しいな~」などと思ってしまった結果の産物です。あと単純に遥刃さんお借りしてみたかったんです
時系列的には一応戦場ログイン(illust/56037624)前を想定しております。てきとうでいいのよ。何か不都合等ございましたらどうぞパラレルorスルーでよろしくお願いします。
お借りしました。
遥刃さん(illust/55647782)
ウスズミさん(illust/55707151)
キャプションのみですが タクリさん(illust/55644593)
巫夜(illust/55732788)
2016-03-30 22:45:27 +0000