【仁本物語弐】高槻蕾正【第四世代】

水月

白は染まらぬ 花の彩
内なる導 優しさを
淡き心は 隠されり
それは乙女木 片(ひら)桜


こちらの企画【illust/52333018】に今世代も参加させていただきます

「いらっしゃい。何かありましたら声かけてください」
「で、それが?人にされて嫌なことはするな」
「私は好きでこの格好をしているの。動きやすいし落ち着く。自分が着飾るより似合う子に着物を見立ててあげたい」
「大丈夫。このくらいなら私一人で出来る。誰かの手を煩わせてしまうほどのことではない」

*****

名前:高槻 蕾正(たかつき らいしょう)
年齢:18歳
身長:153cm
種族:人間・化け狐・鯉の化身・天狐・桜の混血
一人称:私
二人称:〜さん、あなた、呼び捨て

穏やかな家庭で育った半妖の娘。
働いている姿に憧れ、父の勤め先である呉服屋でお手伝いをしている。
華やかな格好はせず、淡々とした口調。冷ややかな印象を持たれてしまうことも多々ある。
自分が女らしくないと自覚しており気にしないふりはしているものの、可愛いものや綺麗なものは大好き。
お客さんに対しては親身になって似合うような反物を一緒に探す。喜んでもらえることが本人はとても嬉しいらしく、お客さんが笑顔になると幾分か表情が柔らかくなる。

お店が休みの日は山へ行き、桜のお世話をしている。
少しでも女の子らしく綺麗になりたいと思って、密かに舞を舞うことも。
母、祖母同様に、彼女が舞うと一層桜が咲き誇る。

普段は冷静だが思わぬ事態にはとても動揺してしまい、驚いたりすると狐の耳と尻尾が出る。また父の気質を受け継いだのか、困ってる人を放っておけない。
しっかり者に育ちどちらかというと周りを手助けすることが多かったため、人に頼るのが下手で何でも一人で解決しようとしてしまう点も。

○桜の妖怪について
枯れかけていた桜の木が、人の手によって再生。その人々の温かさや優しさから、桜が妖怪として実体を持った。
妖怪が宿る木は1年中桜が咲き誇る。

*****


家族
父・高槻宵汰さん【illust/53884016

「きっとここのお店が上手くいっているのは、父さんがいるからなんだと思う。品物大切に扱って、そんな姿を見たお客さんは知っているんじゃないかな?本当は優しいって。私がそんな父さんに憧れたみたいに。。。」
「父さんは、分かりにくいようでいて分かりやすいよね。。。。」

母・葉澄【illust/53825571
「いいから母さんは座ってて。あとは私がやるから」
「母さんは父さんといる時とても嬉しそうだよね」

兄・高槻暁澄くん【illust/54497896

「まって!!また桜が降ってる。お客さんびっくりしてるから考えごとまって!(落ちてる桜回収)」
「兄さんこんなとこに・・・仕事始まる時間だよ?」
「兄さんと話すの、私は面白いよ。私が思いつかないようなことを、いつも話してくれるし・・・」


*****


*素敵なご縁をいただきました(1/9)*

瓊さん【illust/54489853

いつものように店に立ち
いつものように接客をし
いつものように1日が終わる。
だけどこの日だけは違った。何が違うかは分からない。いつものように接客をしただけ。
しただけなのに。
私と同じくらいの年か、ちょっと上であろうその方。
若い男性の人が一人でいらっしゃるのは珍しいなと思いつつ、迷っているようだったから声をかけた。
お母様へのプレゼントを探しているとその方は言う。なるほどならばと思い、どんな方なのかと尋ねてみた。
聞いていくうちに、贈り物をする相手に対する思いやりに気がついた。
表情からは分かりにくいかもしれないが、言葉の端々から見え隠れするその気持ち。優しさに満ち溢れていて、私が温かい気持ちになった。
もっと話が聞いてみたくて、ついつい色々と聞いてしまう。もしかしたら余計なことまで聞いてしまったかもしれない。話の流れで、自身の身内の話までしてしまった。
どのくらいの時間をそうしていたのだろうか。

ひきとめてしまい申し訳ないと思いながらもぴったりだと思った品物をおすすめした。

ありがとうございますと挨拶し、お客さんと別れる。

その私にとっては何時もと同じ瞬間が、この時だけはどうしても忘れられなかった。
あんな風に誰かを大切に思える人はどんな考え方してるのだろう・・・何を思っているのだろうって。
気になった。気になって。
もう少しだけ、話してみたかったなと。

その日はその方とのやりとりを思い出してはなぜ気になってしまうのだろうと思い、なかなか寝付けなかった。

それからはよく、お店から外を気にしてしまっている自分がいた。
今日はもしかしたら来てくれるだろうか。明日はどうだろうと。
話すことなど珍しかった。でもお互いの存在に気がついて会釈するだけでも嬉しかった。
朝に会釈すれば、今日も1日頑張ろうと
昼に会釈すれば、残りも頑張ろうと
夕方に会釈すれば、明日も頑張ろうと
そう思えた。
存在を見つけただけで、ちょっと挨拶しただけで、心が温かくなってしまうこの気持ちの正体は何だろう。

関わっていくうちにいつしか
この方の大切な人になる方は、きっと幸せになれるだろうと思うようになった。
この方と話してる時、隣にいるのが私ではなくて、別の人だったら・・・
考えただけでも心のあたりがズキンと刺すような気持ちになった。
だからあんまり考えないようにした。話す度に、会釈する度に、こんな痛みにあってしまってはせっかく会えても悲しくなってしまうと。

そこでようやく気がついた。
これは、ただのお客さんに向ける情ではないのだと。
家族へ向ける情とも違うと。

あぁそうか・・・私はあの方の・・・瓊さんの・・・大切な存在になりたいのだと。

「私で・・良いのです?えっ?!!わっ・・・私が良いと?・・・えっ?!あっそう・・・なのです・・・か?・・・不束者ですがよろしくお願いします」


瓊さん、私をお嫁さんにしてくれてありがとうございます。

*****


キャプション随時変更

今世代もよろしくお願いします。

#【仁本物語弐】#【仁本物語弐】女#【仁本物語弐】半妖#【仁本物語弐】第四世代#【仁本物語弐】婚姻済

2016-01-01 02:42:54 +0000