こちら【illust/52333018】の素敵な企画様に引き続き参加させて頂きます。
桃色椿は恋椿。
赤色椿は、死を告げる。
白色椿は、無垢の色。
……さて。骨咲椿は、何色に染まる?
「いらっしゃい。ゆっくり選んで。……いや、怒ってない。これは、その、地だから」
名前:瓊(けい)
種族:半妖(古山茶の霊・狂骨・首無・人間の混血)
年齢:20歳
身長:176cm
体重:標準よりやや軽い
1人称:オレ/2人称:お客さん、(名前)さん
好き:「凍豆腐。オレにとっては、縁起物、だから」
嫌い:「暑いのは得意じゃない」
きっかけは、半月後に迫った母の誕生日の贈り物を探しに、街に出かけた時の事だった。
あてもなくふらりふらりと出かけた先で目に留まったのは、母が時折口にしている呉服屋「一斗瀬」の文字。
扉をくぐった先にいたのは、凛とした立ち姿が綺麗な、桜色をしたひとだった。
共に歩んでいきたい素敵なお嫁さま
高槻 蕾正さん【illust/54446396】
いらっしゃいませ、という彼女の声に出迎えられ、店の中を見渡す。
色とりどりの美しい反物が眩しく、思わず呆気に取られてしまう。
この中から、母への贈り物など見つけられるのかと眉間に皺を寄せたまま固まっていると、遠慮がちに話しかけられる。
母への贈り物を探している事を伝えると、その女性に母はどんな方なのかと尋ねられ、面喰う。これが何か贈り物の参考になるのだろうかと首を傾げながら、ぽつりぽつりと母の事を話すうちに、気付けば父や弟の事、そして彼女…高槻さんの家族のことまで話をしていた。
話し終え、随分時間を割かせてしまったのではと申し訳なく思っていると、高槻さんは少々お待ちくださいという言葉と共に店の奥へと消える。
そして、戻ってきた彼女の手に握られていたのは、椿を模した帯留めだった。
赤と白の二種類があるのだと話しながら高槻さんに差し出されたのは、白い椿の帯留めだった。
オレの話を聞きながら、ずっと考えてくれていたのだろうか。お礼と共にそれが欲しいと伝えると、高槻さんは嬉しそうな様子で小さく微笑んだ。
ありがとうございました、という言葉と共に高槻さんに見送られ、軽く頭を下げ、帰路につく。
その日はずっと高槻さんの笑顔が頭に浮かんだままで、胸のあたりが何だか落ち着かなかった。
それから、もう一度高槻さんと話が出来ないものかと、母に頼まれた配達の途中に一斗瀬さんの前を通ってみたり、休み時間にふらりと見に行ったりするようになった。
話が出来ることは稀だったけれど、目が合ってお互いに会釈をするだけでも嬉しくて、高槻さんと会うたびに自然と頬が緩んでいくのが分かった。
(…不思議だ。こんな風に笑えるんだな、オレも。高槻さんのおかげ、だろうか)
……そんなある日、夢を見た。
いつものように自分の部屋で目覚める夢。見慣れた天井に見慣れた布団。
何気なく横を見れば、ここ最近で随分見慣れた綺麗な桜色があって。
思わずその桜色に手を伸ばそうとした瞬間、腹に何か落ちたような気がして、目が覚めた。
寝ぼけ眼のまま身体を起こせば、ぽとりと腹から椿が落ちてくる。
それが胸に咲いていたものだと気付くと同時に、骨と同じ白だったはずの椿が、見慣れた桜色に染まっていることに気付く。
夢で見た色と同じ。
……彼女と同じ、桜色。
「それから蕾正さんに会って言ったんだ。その、いつか、お嫁さんになってほしいって…。え?もっと話が聞きたい?…いや、もうすぐ蕾正さんが来るから、続きはまた。
それより母さん。支度はもう良いのか?ちゃんと蕾正さんに家族のこと紹介したいんだ。…それから皆にも紹介したい。オレの大事な、お嫁さんのこと」
豆腐屋『ふるべや』で職人見習いをしている風間さんと都の息子。食べることが好きで、美味しいものの噂を聞くと、ふらりと食べに出かけている。
先代が凍豆腐を学びに行くのに同伴した母が、その帰りに父に出会ったことから、凍豆腐を縁起物だと思っており、験担ぎの際にはよく食べている。表情筋が鈍く、あまり大声を出したり、笑ったりと言うのが苦手。そのため、接客は出来る限り母に任せている。
父の事を慕っており、悩みごとがあると父に相談している。いつか父にとっての母のような、大切なひとに出会えたらと密かに夢見ている。母から父との恋物語を聞かされてきたせいか、少々ロマンチストのきらいがある。
◆家族
父:風間さん【illust/53828420】
「父さんは母さんと出会ってから笑顔が増えたんだって?…オレもそんな人と出会えたらいいけどな」
母:都
「毎日話してくれなくても、母さんが父さんの事好きだってのはよく知ってるから。…本当、仲が良くて何よりだよ」
弟:街雫さん【illust/54518574】
「…随分、井戸の周りが明るくなった。頑張ってるみたいだな、まち。お前と話してるとオレまで元気になるよ。…ありがとう」
娘:高槻 花穏さん
「オレたちみたいな夫婦に、か。…お前ならきっと、そうなれるさ」
娘:ひふみ
「ひふみ、お互い精進していこう」
▼既知関係等はご自由にどうぞ!
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◻︎素材お借りしております。
【illust/35519991】
※キャプション随時編集。
▼twitter【twitter/tenjoxroka】
「…おはよう、蕾正さん。…オレのお嫁さんになってくれて、ありがとう」
2016-01-02 10:26:26 +0000