illust/97547717の続き
暗い路地裏の中、荒く呼吸をする1人の男がいた
その者は、逃げていた。
隙を見て逃げ出し、追手から逃げていた。
そう、メジロマックイーンの逆鱗に触れたあの記者だ。
男は路地裏を抜け、少し開けた場所に出る。
何とか巻けたなと安堵する中、突如、男の手首に高速で物体が飛来し壁び縫われるようにして腕が固定される
男「何だ!?」
よく見てみると手首を固定していた者は蹄鉄であった。
高速で突き刺さった蹄鉄が、男の手首を拘束していた。
男「何だこれ!?クソ!クソ!」
何とか蹄鉄を抜こうとするが外れる訳もなく
そして、暗い闇の中から、靴音が静かに響いてくる。
???「やっと捕まえましたよ」
男「誰だ!?」
暗い闇の中から姿を現したのは・・・アグネスデジタルだった
デジタル「全く、上手く逃げてくれましたね?」
男「お前は...アグネスデジタル?!」
デジタル「おや、私の事を知ってるのですか? 嬉しくないですが...」
心底嫌そうに眉間にシワを寄せるデジタル
プルルルル...
着信音が鳴り響き
デジタル「おっと、ハイハイ Tさんですか?」
T「おう、そろそろ捕まえた頃か?」
デジタル「えぇ、捕まえましたよ。 路地裏とかを上手く使って逃げてたみたいですねぇ」
T「OK、んじゃ予定通り指定した場所に対象を連れてってくれ」
・・・コードネーム:T(トレーナー)
表ではアグネスデジタルのトレーナーとして、裏ではメジロ家やサトノ家を筆頭に様々な財閥から依頼された仕事をこなすお仕事人
そして、アグネスデジタルも特例としてTと一緒にお仕事人組織に所属するウマ娘
またの名を・・・コードネーム:勇者
デジタル「おや?Tさんは何してるんですか?」
T「あぁ、奴さんの巣窟にちょっくら挨拶してくるのよ。他の"同士達"を連れてな」
怪しげな文をつらつら並べていく
デジタル「ほう!他にも同士がいるのですね!いやぁ私もその人達と語り合いたいですねぇ!!」
T「ハハハ、まぁ"同士達"は忙しいからなぁ...まぁでも"同士達"も今度お前と語り合いたいと言ってたよ」
穏やかな声でそう返し
デジタル「是非ともウマ娘トークで語りたいです!!」
T「んじゃ、まずは仕事を熟さないとな? なぁ?"勇者"??」
デジタル(勇者)「えぇ、もちろんですよ。T(トレーナー)さんもお気をつけて」
さっきまでの楽しそうな声から一転、目は鋭く、声は冷たくなりそう返す
そして電話を切る
=T(トレーナー)side=
T「デジタル(あいつ)は、特例として俺らの所にいるお手伝いさんだからな....これから先の事は踏み込まなくて良い...それは俺らみたいなやつの領分だからな....なぁ?そうだろ?"同士達"?」
Tは後ろにいる同士達と呼ぶ者達にそう声をかける
その言葉に、それぞれ頷く同士達...
これから先の仕事は"大人"の仕事
決して、踏み込んではいけない領域
T。o0「そういや、最近頑張ってるからデジタル(あいつ)にご褒美やらないとなぁ....」
ふと、そう考えるT(トレーナー)
T。o0「終わったら、頭撫でて褒めてやるか。...あ、いや流石にそんなんじゃ喜ばないか...。あ、ルドルフ達に頼んで適当に労いパーティー セッティングしてもらうか??」
うーんとあれこれ悩むTであったがめんどくさくなったのか
T「いいや、どっちもやろ」
そう言い放つのであった
そしてその後、ルドルフ達複数のウマ娘達に労われ、キャパが限界なデジタルがTの頭なでなで&労いの言葉を貰い思いっきり昇天したのは言うまでもない・・・
=デジタルside=
デジタル「さて、さっさと行きましょうか?貴方の住処も私の仲間が今頃片付けてるでしょう。指定場所にSPの人達がまっていますので行きますよ」
鋭い目つきで記者の男を見るデジタル
男「くそっ!この化け物め!お前達ウマ娘などと言う化物を追いやって何が悪い!!」
男「我々、人間がこの世界の頂点にくる種族なんだ!なのに、お前達ウマ娘という邪悪な存在が邪魔をするせいで、我々人間の立場も怪しくなる!!!だったら排除するしかないだろうが!!これは崇高な使命なのだ!!!」
物凄い剣幕で滅茶苦茶な事を言い出す記者の男
余程自分たちが凄い存在なのだと思っているようだが
その言葉がデジタルの逆鱗に触れた
デジタル「ほう?なるほど、邪悪だからウマ娘は排除して自分達が上位だと証明すると?」
デジタル「そんなくだらない理由で、今まで数多のウマ娘達の夢を壊してきたんですね?」
そう、この男の所属する組織がでってあげた情報で、今までたくさんのウマ娘が被害を受けてきた
悪質なデマで精神をやんだりして選手生命を絶たれた者もいた
彼女達の夢を輝きをくだらない理由で汚された事にデジタルは怒りを上げていた
デジタル「貴方達のようなマスゴミがいるから真面目に夢を追いかける人達が悲しい目に遭うんです。そんなふざけた事がありますか?」
デジタル「しかも今回は、マックイーンさんを怒らせたようですね?いやメジロ家そのものを怒らせましたよね?」
デジタル「そして...ゴルシさんを泣かせた様ですね?...ウマ娘をまた泣かせましたね?」
暗く黒い怒りがデジタルの中で噴き上がる
デジタル「覚悟してくださいね?貴方はもうまともにこの先を歩めませんよ?せいぜい今までの行いを悔いて苦しんで行ってください」
デジタル「そして、まともにはあっちに呼ばれませんよ?」
デジタル「あぁ、大丈夫ですよ?私、閻魔様とは面識がありますので話をつけておきましたから...」
デジタル「アナタは何の心配もしなくて良いんですよ...フフッ....」
男は理解できない恐怖心によって体を震わせていた。
そして、この男もといこの男達の辿る末路は想像を絶するものであった
因果応報と言わざるを得ない
全ての種族が分り合うなど夢物語かもしれない
だが、だからと言って理不尽な理由で他を害すればろくな事にはならない
ましてや、思い込みや少しの疑心で他を排除しようなどもってのほか
少しの理解と寄り添いで互いの関係はまず崩れる事はないと言うのに...。
※ちなみに前回のデジタル編とは違うトレーナーです。
2022-07-10 12:25:56 +0000