◆企画元:愛しい花の食べ方illust/90826827
こちらの企画に参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
◆エルシィ・ペリング(Elsie Pelling) 15歳/150cm/学生
父親が教師ということ以外はごく普通の家庭で育った庶民的な娘。
ささやかな色と大きさの薔薇を育てており、棘に刺された痕を隠すために手袋をしている。
自分の生まれが不幸だとは思わないが種族にまつわる不条理には反骨心を抱いている。
ただ穏やかに生きていたいだけの人生だった。
父親のお下がりの鞄にはいつも重たい本がたくさん入っている。
学校で習うような範囲以上のこともよく勉強をしている。
――何にでもなれるように。誰にも騙されないように。自分だけでも生きていけるように。
✿素敵なご縁を頂きました:リンジーさんillust/92233184
「あの、お願いしたいことがあって。……わたしのパトロンになっていただけませんか?」
「お、お部屋を……貸してくださるだけでいいんです。
父はわたしだけのものではないですし、そもそも家は来客が多くて落ち着かないですし。
ここで勉強ができれば本を持って往復しなくてもいいですし……
お店のお手伝いとか、お片付けとか、できることがあればやりますので」
「あの、色々お話を聞いて頂けるし、わたし、リンジーさんのことを信用できると思っているので……
なかなか話を分かってくれる人が周りにいなかったものですから」
「……あの、勝手にお部屋に入ってしまってごめんなさい。なんだか散らかっていたので……、
それでその、このお話はリンジーさんが書かれたものですか? ……ああ、勝手に読んでしまってごめんなさい!
でも、あの……とても面白くて夢中になってしまったんです」
「……ええと、今日は指を切ってしまっていて……わかりますか?
……あの、もしわたしの血が必要なら……、……ごめんなさい、今日はもう帰りますから」
「あのお話の最後、主人公はどうなるのですか? 最後は幸せになるのでしょうか?
わたしは……そのほうがいいと思うんです。そっちのほうが好きです。
現実でだって、きっとそう……途中で何か苦しいことがあっても、最後は笑えていたほうがいいなって思ってます」
◇
「わたし、大学に入った後もなんとなく思っていることがあるんです。
目的を果たした後も人生は続くから、そこで終わることはないってこと……ええと、何が言いたいかというと……、
その、わたし、少しは大人に見えるようになりましたか……?」
「お花のこととか、種族のこととかはもう関係なくて……、ただのわたし個人が、思っていることなんですけど。
そ、それに、わたしがいなかったら誰がお部屋を片付けるんですか? ねえ……
わたしはリンジーさんの人生に必要じゃないですか? ……そうだって言ってほしいんです」
◇ ◇ ◇
2021-08-22 19:49:11 +0000