*愛しい花の食べ方:illust/90826827
開催おめでとうございます!
こちらの企画に参加させていただきます。
◆グレイ・ジーン
年齢:38歳 / 身長:178cm
一人称:私
二人称:きみ、呼び捨て
「今日の花束はちょっと大きいかな…?(こんなとき食べて減らすことが出来るのはいいことだね)」
「その後具合はどうかな?効き目が薄いようなら調合を変えてみるからいつでも頼っておくれ」
「ん、花食…?いやいや、そんな訳無いでしょう?はは、きみは面白い事を言うんだね」
「法はあるけどきみを完全には守ってはくれない。…いいかい。花食の欲を侮ってはいけないよ、絶対に。(私もきみを守ることは出来ない、から)」
薬局内では薬や花の香りのおかげで花蜜さんに過敏になることはありません。
気付いています、と言われても知らんぷり(誤魔化)します。
でも内心はドキドキです。
もし、心から信頼できる、本当の自分を知ってほしい…と思った方には勇気を出してお話したいと思ってます。
普通の食事については特に美味しいとは感じてません。
その代わりに食感を楽しんでいます。
外食の頻度は週に一度くらい。(お昼が多め)
食材の買い出しにも行きます。
家でもちょっとは料理をします。
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8/21 素敵なご縁がありました!
シャルロットさん(illust/91847036)(呼び・シャルロット)
ある日、少女を抱えた大人が院内に駆け込んできた
どうしたのか、と問う前に気づいた
その少女は紛れもなく花蜜であると
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大人の話によると少女は花食に襲われ怪我をしたという
逃げようとした際に転んでしまったらしく、膝から出血はしていたものの怪我自体は酷いものではなかった
「少し痛いかもしれないけど、我慢してね」
消毒液で膝を拭こうと屈んだ瞬間
濃厚な花蜜の香りに反応してしまった
手が止まり、膝からじわりと滲んでくる血を凝視していた
体が熱くなるような、ぞわぞわするような、不思議な感覚に陥った
そして「先生?」と呼ばれやっと正気に戻る
……手当てもすぐに終わったが少女の表情は曇ったままだった
申し訳ない気持ちでいっぱいだった
同じ花食という種族が犯した罪を、私も背負ってしまった気分だった
香りにも反応してしまい、彼女の血に手をのばしてしまいそうだった
少女を見送り、その日の仕事を終えてもずっと腹の底に気持ち悪く残った罪悪感に堪えきれず……
医師という肩書きをその晩に捨てた
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後日少女シャルロットに傷薬を届けた
傷はもう治りかけていたがやはり少女は浮かない表情をしていた
そんな彼女をそのままにはしておけず、
「元気に歩けるようになったらまた来てくれるかな?」
「私はね、医者ではなくなったんだけれどまだ君の力になりたいんだ」
シャルロットの血に反応してしまった自分が彼女のそばにいていいわけがないのに、そんなことを口にしていた
君の笑顔が見たくて
これは私のエゴに過ぎなかった
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あの事件から数年経つがシャルロットは薬局に変わったこの場所へ通ってくれている
膝の傷を完全に消したいという私の我が儘に彼女が付き合ってくれた
会うたびに様々な話題を振ってみるが彼女は親の話になると口数が減るような気がする
さあ。とか、なんだか他人事のように話す
うまく交流できてないのだろうか…
それに学校の話も聞いてみるが友達の話は聞いたことがない
寂しい思いをしてないだろうか
初めて会ったときから感じていたあの虚ろな印象は事件によるショックだけではなかったのかもしれない
「ねえシャルロット。もしよければ此所で私の助手をしてみない?…いやぁ、実は最近忙しくてね!助手といってもはじめは簡単な仕事しか頼まないから、よければ…どうかな?」
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シャルロットは此所を手伝ってくれるようになってから少し変わった気がする
私の調薬を待ってる間に客人の話し相手をしたり順番待ちの受付をしてくれたり、いろんな経験をしている
ありがとう、と客人に声をかけられていた彼女の横顔は少し晴れやかだった
私はそれが嬉しかった
「最近明るくなったね。私もすごく嬉しいよ」
「何年も君を見てきてきたけど、今が一番楽しそうだ。…私の勘違いじゃなければいいけど」
「シャルロットはすっかり此所の看板娘だね。君がいないと寂しがるご婦人やご老人、…時には青年だっているんだよ」
「誇らしい気分なんだ。……私は結婚もしてないし子供もいないけれど、親の気持ちってやつなのかな。はは、シャルロットは私の娘でもおかしくない歳だしね!」
自分から“親心”とは言ったが、寂しく感じる
きっとそうじゃないんだ
まわりから「親子のようね」と言われて嬉しく思ったのははじめだけ
今はその言葉を浴びるたびに辛くなる
自分もそう思わなければならない気がして
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シャルロットに明かしてしまおう
そうしたら彼女はあっさりと私から離れてしまうだろう
だって、私からは離してやれる気がしない
私からはいつまで経ってもそうしてやれない
だから正直に打ち明けることが一番だと思ってしまった
傷つけてしまうかもしれないという恐怖もある
でも、同じくらいに、認めてくれるかもしれないという希望を抱いてしまっている
「話があるんだ」
そう切り出した
私の種族について、これまで見守っていたことも話した
君に抱く気持ち以外の全てを
複雑そうに聞いてくれた彼女と、しばらく離れた
ドアが開く度に期待する
そして落ち込む
それを何度か繰り返して、いつか奇跡を見た
「また、話したいと思ってたんだ」
「この前話した私とは違う、もうひとつの私を知って欲しい」
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キャプションは随時編集して参ります。
何かありましたらメッセージにてご連絡ください。
2021-08-15 15:15:40 +0000