【PFMOH】屍者の偽塔

松前漬けちゃん
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(死体の描写とあと ちょっと鬱注意...?です)
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無謀に繰り返される生の足掻きの残痕
天に至らぬ者たちの無念
山を思い、山と人に裁かれて 積み上げられた屍とその感情の慣れ果てが
独りの自我を持ったもの

それが俺だという

全ては 叶わぬ願いの喘ぎに寄り添うために

それを喰らって この世界に闇と仕返しを

そうして生まれ落ちたそれに もし手を取られる権利があったのなら
それはその願いが最初から叶うことがないのだという証明だ

酷い話だと思った

そんなもの こんな人間みたいな紛い物じゃなくて他の奴がやってくれよ
こんな感情も運命も、血肉も憎悪も、全部 狂ったように愛せる本物が

こんなにも 俺は あの天辺が大嫌いなのに

零れるとわかっていても掬わざるおえないその手を 彼らごと抱きしめた
永遠にも続く長い有限の中の栄光が いずれ名も知らぬ誰かに奪われることを共に怯え続けた
きっと 自分たちに朝が訪れることが無いと悟ってもなお 共に天に至る杯を求めて 身を崩した

それが無念なのだから

それが俺なのだから

酷い話だ

そう思いつつ それを繰り返し続けて

やっぱり

酷い話だ そう思って

だから

その果てに ひとり 企んでみたんだ

でも その記憶は 今は霞の向こう側
自ら吐き出した霧が 視界を塞いでいる

もう 思い出すことはないのかもしれない
もう 思い出す必要もないのかもしれない

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企画:pixivファンタジアMountain of Heaven【illust/87556705

▼屍者の偽塔(ししゃのぎとう)
大昔にヘヴンから文明が消え、遺跡のみが遺され 一度完全に山が閉ざされた時代に存在した風習、刑罰の一つ。 天へ至ろうとする罪人を引き摺り下ろし、永遠に天に届かず 現を彷徨うようにと屍を積み上げられて偽物の天辺に魂とその無念を縛り付ける行為。
山に立ち入ることを罪を考えた人々が、入山者を罰するために考えられたその刑は、はたして意図されたも呪術か偶然かは定かではないが、結果的に多くの呪いと魔物を生み出し、天山をさらなる地獄に変えてしまった要因の一つであるとされる。
山が再び開かれた今では、そんな悪意無き悪意は繰り返してはならない歴史の一つに名を連ねるばかりであり、それはもう、忘れ去られてしかるべきものだ。

(かなり昔の文化で呪術学的な問題から宗教上では禁止され、麓での現存は確認されていませんが、これだけ多くの人間が今回の登山に参加しているので模倣犯が出る可能性があるかもしれません)

▼青尾のミスト【illust/88007114
・現在のライフ:ーーー
探索者としての機能を停止します。
三章では天山蟲と逸れて、非公式イベント:天を蝕む闇霧【illust/88823640】のほうで上層全てを彷徨ってます
 
それは人の自我を持ち合わせた「無念」の悪魔。

#manga#【軌跡を辿る者たち】#竜の背#Pixiv fantasia MOH#pixivファンタジアMOH世界設定

2021-03-30 12:03:25 +0000