声が聞こえた気がした。
狼の声だ。
だけど何か、混じっているような。
それは、似ているようで異なる。
空から炎を感じる。
それは空を覆う恐怖の炎。
けれど私には理解できないもの。
それも、似ているようで異なる。
私達は今、追われている。
小さな剣士達に追われている。
小さな剣士達は主に私に狙いを付けていた。
あからさまに弱い方を傷つけ足を引っ張らせる作戦だろうか。
させてたまるか、と逃げつ避けつつズィーエさんの斬撃を浴びせていく。
繰り返しながら進み続けた先に、声の主が居た。
白き氷の狼が目の前に現れた。
「うわ!新手!」
ズィーエさんが驚愕の声をあげるその目の前で、私は口角が上がるのを感じた。
明らかに滾ってきてる。
炎も元気だ。
炎を見た狼はこちらに敵意を向け、鋭い爪で攻撃を仕掛けた。
私は股を抜けて回避し、ズィーエさんも後ろに飛んで避けていた。
後ろから迫る剣士も追いついて囲ってきた。
明らかに分が悪い状況だ。
なら、仲間を呼んでみようか。
正面と背後から来る攻撃を飛び上がって回避し、狼の攻撃をズィーエさんが弾き返す。
身体をよじり、感じた炎に向かって【音無き咆哮】を上げた。
【こっちを見ろ!】と。
「力ではなく我らを求めるか。愚かなり。」
混ざる声とともに空は暗くなり、巨大な竜が空から舞い降りた。
災禍の炎を携えて。
「なんで?!」
ズィーエさんは何が起こったか分からず混乱しているようだった。
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剣の尾根にて3つのレイドバトルに参戦させていただきました!
襲来せし虚ろなる悪竜【illust/88474355】
氷棺狼グラフェリル【illust/88503285】
鋭晶の魔剣士【illust/88458229】
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ライフ♡♡♡
【音無き咆哮】狙った対象にだけ聞こえる声を発する。聞き取った者は発声者の言葉を本能で理解するため言語の壁は無い。
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お借りしました!
ズィーエさん【illust/88067056】
剣士達(クリアネ)【illust/88458229】
狼(グラフェリル)【illust/88503285】
巨大な竜(破壊の悪竜)【illust/88532447】
危険体質ピオニー【illust/87830989】
2021-03-22 13:21:57 +0000