世代交代企画「ポラリスの英雄歌」【illust/80979654】第5期に参加させて頂きます。
※女神の奇跡使用家系です
◆ヴィヴィアンヌ
17歳 / 女性 / 164cm
所属国:菫華国 総ポイント:500pt 運命数:8
一人称:私 二人称:あなた
3年前に次元を渡ってきた正史には存在しない少女。
占い師兼情報屋。守護獣は羊で名前はシェラ。
「生きる」為に戦うが本来は争いを好まない性格。
◇父:エミール【illust/85993101】(250pt)
「男手一つで育ててくれたわ。厳しくて優しい人だった。あの時はもう動くのもやっとだったはずなのに…」
「こっちの父さんも、もういないのね。せめて一目だけでもと思ってたけど…」
母:―(モブ婚)
―優しい声が聞こえる。
言葉までは聞き取れないが、誘われるように向かうと光輝く扉が開かれていた。
恐ろしいものではない。しかし、触れるのも躊躇って立ち尽くす。
どれぐらいそうしていただろう。我に返り引き返そうとした瞬間、背中を押された。
慌てて背後に伸ばした手は宙を切る。
一瞬見えたのは見慣れた―いや、少し悲しげな笑顔。
その唇は「生きて」と動いた気がした…
◆スキル
・鏡の獣
黒き守護獣。鏡を介して顕現し、宿主に加護を与え危険から遠ざける。
・幻惑/具現化/霧影の糸
霧に迷い込んだものに幻を見せて惑わせる。
その幻は霧の中では不思議と触れることができる。
幻と霧の中の物や人物の影を糸で繋ぎ、わずかな間だけ対象の動きを縛ったり操ることが可能。
・幸運の掌
手をつないだ相手は少しの間幸運が訪れる。
◆種族
獣宿し【novel/13761070】
迷霧の獣【illust/83041293】
暗殺者の一族【illust/82804689】
バラーン族【illust/83122265】
マシュテルウフ/ドラート族/クルジャ
◆素敵なご縁を頂きました。
エクルさん【illust/86932838】
魔王そして影に関する情報が欲しい、との依頼が来た。相手は影の調査をしている研究チーム。…そういえば噂程度だけど耳にしたことがあるわ。
借り物ではない情報網を欲しいと思っていたから、専門家との繋がりが出来るのは願ってもないことだった。
「あなたが依頼人?ええ、私がその情報屋です。あまり数はないのだけど…
もしご希望であれば追加の調査や定期的なやり取りも可能です。もちろん精査した上で判断して頂ければ」
話はスムーズに進み、幾ばくかの情報交換を経て共同調査にまで発展。私も彼らと行動を共にすることが多くなった。
依頼人であるエクルさんは随分と仕事熱心な人のようだ。人当たりの良さそうな印象は何処へやら、資料を険しい顔で読み耽り、誰かが危険を侵せば容赦なく叱り飛ばし、常に忙しなく動き回っている。…ある日ふと気づいた。
(この人は一体いつ休んでいるのかしら…そもそもちゃんと休息を取っているの…?)
何事も体が資本だよ、という父の言葉を思い出した。
「これ、もらって頂けますか?中身は薬湯です。疲労回復等の効能があります。是非一度使ってみてくださいね。もし気に入ったらまた新しいのを用意しますから仰ってください」
「これから休憩なんですけど宜しければご一緒して頂けませんか?えっと、お昼を食べ損ねてしまって…エクルさんもまだですよね?折角なので何かお話しながらでも…」
始めは彼を強制的に休ませるための口実だったけど、何度か繰り返すうちに休憩を一緒に過ごすのが日課となっていった。仕事の話、先の見えない未来への展望、好きなこと、家族のこと…話す内容はごくごく普通のことだったけど、よく変わるエクルさんの表情が…笑顔が心地よかった。
「……一体いくつに見えてたの?…気にしてないわ、別に、慣れてるから。そう?話しやすいと思ってくれてるのならいいけれど」
(でもやっぱりそれとこれとは別だわ…もう、何がダメなのかしら)
「平和になったら?そうね、花を育てたり、丁寧に料理をしたり…ううん、何でもいいけどのんびりと過ごしてみたいわ。
…エクルさんでもそう思うのね。少しだけ意外。あ、ごめんなさい。悪い意味じゃないの。根を詰めすぎる人だと思ってたから少しだけ安心したの」
「私は生きるわ。生きなきゃいけないの。だって、そのために…」
父が、と続けようとして口を噤む。
事情があると察してすぐに話題を切り替えてくれたことに、安堵しつつも話せないことの多さに歯痒さと胸の苦しさは募っていく。
悩んだ末に彼に打ち明けることにした。どうしても聞いて欲しかった。私のことを知って欲しかった。
違う世界から来たこと、父のこと…今まで語れなかった自分のこと…
怖くて彼の顔を見ることは出来なかった。けれど…
「信じてくれるの…?こんな突拍子も無い話を…ありがとう。ふふ、変ね、こんなにも嬉しいのに涙が止まらないの」
兄がいたらこんな感じかしら。
最初はそう思っていたけれど、これはまったく違う感情だともう気付いてる。
目が自然と彼を探してしまう。
彼と過ごすとても穏やかな時間は、あの日からぽっかりと空いてしまった胸の穴を埋めてくれる感覚があった。あの喪失感も罪悪感も簡単には消えはしない。だけど…
「私もあなたと“生きたい”。父が願ったからじゃなくて自分の意思でそう思うの。一緒に何でも無い日々を過ごしたいって、あなたがそう思わせてくれたのよ。…好きよ、エクル。大好き」
***
仰いだ空は見たことがない程に澄み切っていた。
焦土と化してしまった世界では見ることが叶わなかった色。温かな光。柔らかな風。
浮かんだ感情を言葉にすることが出来なかった代わりに、滲む青を見つめながら隣に立つ彼の手に触れた。
◆ひとまず区切りとなりますのでご挨拶とさせて頂きます。
ここまで見て下さった皆さま、特に素敵なご縁を結んで下さいました、
ときわさん/となこ様、ザアタルさん/えの字様、サフィールさん/かなたなか様
本当にありがとうございました!
※キャプションは随時変更いたします。
※何か問題等ございましたらお手数ですがご連絡頂けると助かります。
2021-01-17 13:40:54 +0000