「ぼくは強いよ。だから弱いきみを助けてあげる」
「…あ~、勘違いしないで。大切だから守ってるわけじゃないんだ。そうなりたいなら死んでからおいで」
◆行乃野凶(いけののマギア)
青月国/18歳/174cm/女性 一人称:ぼく/わたし 二人称:きみ
総ポイント:125(精神力:50 攻撃力:40 魔力:35) 運命数:6
◆スキル/主な継承種族
【幽矇なる対話】…ユグラの墓守(illust/83296242)/ アルバ家(illust/83238516)
死者そのもの、あるいは死後彷徨う魂と言葉を交わす能力。
ユグラの墓守たちは普段話しているときと変わらない感覚で彼らと対話するが、
一族以外の者には呪われた歌/唸り声/奇怪な呪詛…など、
名状しがたい不気味な音声を発しているように聞こえるらしい。
聞こえ方は聞き手によって様々だが、好まれることの方が少ない。
彼女は死者との対話しか愛せない、死者の感情しか食べられない。――それは真っ赤な嘘だけれど。
【万里描翼】…エイコン(illust/82981990)/ 行乃野家(illust/84140309)
光に当てるとさまざまな色に光る黒い鱗粉を纏う翼。
空を飛ぶ自由と引き換えにいつかの誰かの終わりを彩るとき、翼は至上の画材になる。
【慰めの影】…アデハイト族(illust/83939276)
詳細は祖父CS(上記リンク)参照
◆家族
父/殯・アデハイト【illust/84970076】(総pt:50)
「父さまは心配性だなあ。ぼくはいつでも大丈夫だよ、本当だよ。……本当なんだってば」
母/行乃野銘士さん(故人)【illust/84718480】
「聞いてくれよ、こないだ母さまのおさがりを着ようとしただけで父さまに嫌そうな顔されたんだよ!
あとで母さまからも叱っといて、いい加減思春期は卒業しろって」
妹/行乃野百椄さん【illust/85698289】
「うんうん、ひいちゃんはかわいいからね、声をかけたくなる気持ちもわかるよ。
でもごめんね、姉としてはやっぱ悪い虫つかせたくないからさ、ちょっと向こうでぼくとお話しよっか?」
「ひいちゃんがいつか本気で好きになれる人を見つけたら……、そのときは……。
あ~ヤダヤダ、考えただけでも超寂しい!そのときまではぼくのかわいいひいちゃんでいてね……」
❖素敵なご縁を頂きました
青月国/榊実巳珠さん【illust/85698320】
よく仕事で見かける人。他人から褒め言葉の文脈で引き合いに出される人。皆がいい人だねって憧れる人。
話したことはあるけれど、何を話してもなにかの上を滑っていくような空虚さのある人。
……そして、最初にぼくを暴いた人。
「…けど、きみも同じでしょう? じゃなきゃこんなことわざわざ聞かないよね」
「違うよ、怒っているんじゃないんだ。きみとぼくが似た者同士だとわかったから、そうだな……。
そうだ、親近感ってやつ。今たぶん、それを初めて感じてる。
ちょっときみのこと気になってきたなあ。……あ、ちょっとじゃない、すごく、かも」
「ちょっとじゃない」のは、態度が似ていたからじゃない。
ぼくの言葉を聞いたきみの瞳の奥で、なにかが煌くのが見えたような気がしたから。
*
実巳珠に腹のうちを明かしてからは、面白いように距離が縮まった。だって何も気を使わなくていいのだから。
生きた誰かを知りたいと思うのは初めてで、何もかも知りたがるぼくを、しかし彼は嫌がることはしなかった。
「好きなごはん? ないよ、食べないから。ぼくのことはいいからきみの好きなものの話をしよう。
この間途中だっただろ、きみのきょうだいの作るお菓子の話……」
「ふふ、また実巳珠のあんみつがぼくのとこに来ちゃったね。
……いいよいいよ、ぼくはきみが美味しそうに食べてるところを見るのが楽しいんだから。
そんなに気になるならどう美味しいのか教えてよ、そしたら実質はんぶんこみたいなものだし」
自分のことを知ってほしいと思わないわけではない。でもそれ以上に彼のことが知りたい。
たくさん話を聞けば聞くほど、そのたび彼の眼の奥にほのかに宿るなにかに強く惹かれる。
それが見たくて何度も手を伸ばす。その手を彼がいつもきちんと受け止めてくれるから、いつまでもそれがやめられない。
*
「教えてあげる」と笑う彼の笑顔は毒々しいほどにあまい。
知ったらきっと戻れないとびきりの秘密を、ためらいなしに飲み込んだ。
「とっておきの秘密を教えてもらったのに、まだ知りたいことがあるんだ。
教えてくれる? きみがどうやって運命を愛し続けるのか、口だけじゃなくて態度でね。
……飲み込むのにずいぶんかかりそうだから、一生だけなんて言わずに死んでもずっと、よろしくね」
◆企画元:ポラリスの英雄歌【illust/80979654】
なにか不備などありましたらご連絡ください。
2020-12-01 16:29:16 +0000