【ポラリス】殯【第3期】

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「ぼくの名前なんか覚えなくていい。早くどこかに行ってくれ」
「恋とかいう自分じゃどうにもできなくて重くておそろしいものに人生を握られてるのがどれだけ怖いか、おまえにわかるか?」

殯・アデハイト(アラキ・-)
白雨国/18歳/181cm/男性 一人称:ぼく 二人称:おまえ、あんた
総ポイント:50(精神力:10 魔力:40) 運命数:6
 
種族
 ユグラの墓守(illust/83296242) エイコン(illust/82981990
 アデハイト族(illust/83939276

スキル
【幽闇なる対話】死者そのもの、あるいは死後彷徨う魂と言葉を交わす能力。
 ユグラの墓守たちは普段話しているときと変わらない感覚で彼らと対話するが、
 一族以外の者には呪われた歌/唸り声/奇怪な呪詛…など、
 名状しがたい不気味な音声を発しているように聞こえるらしい。
 聞こえ方は聞き手によって様々だが、好まれることの方が少ない。
【黒羽の絵筆】空を飛ぶ自由と引き換えに至上の画材を手にする。いつかの誰かの終わりを彩るための色筆。
【慰めの影】詳細はアデハイト族(上記リンク)参照

家族
父/ハロン・アデハイトさん【illust/83939276
 「そのときが来たらちゃんとぼくに言ってくれよ。
 …父さんはぼくたちのことも大事に想ってくれてるってちゃんと伝わってるから。謝るようなことじゃないよ」
母/怨(故人)【illust/83936010】(総pt:20)
 「誰もあんたを責めなかったけど、あんたが悪いわけじゃないのはわかってるけど、でも許せないよ、母さんのこと。
 ……息子が真面目に話してるのに何のんきに惚気話聞かそうとしてくるんだよ!死んでもマイペースかよ!」
姉/永・アデハイトさん【illust/84811856
 「こら姉さん、痛がりなんだから無茶したらだめだろ。力仕事は全部ぼくがやっとくから。
 いいんだって。姉さんは勉強したいことたくさんあるんだろ?怪我してる場合じゃないんだからさ……」

❖素敵なご縁を頂きました
青月国/行乃野銘士さんillust/84718480
はじめは追い返してやろうと思っていた。
急に森に入ってきて、「ユグラの墓守に父親を探してほしい」と頼んできた女。
聞けば彼女の父は長い間「消息不明」。墓守に頼むからには、きっと本当に生きている望みはないのだろう。
死者の声が聞けない者にとっての死がどれだけ重いかは知っている。
それでも父の死を認識して、区切りを付けなければ前に進めないのだ、と思った。
……母の墓の前にうずくまる父の背中を思い出した。彼女の頼みを断れるほど薄情にはなれなかった。

「銘士、何度も聞いてるけど本当に大丈夫か? 何が、じゃない。とぼけてるのか?
 違う、占ってほしいんじゃない。そもそもおまえの占いは毎回適当だろ……はあ……」

もし父の死を目の当たりにしたら彼女は今より苦しむのかもしれない。
口調も態度もふわふわしているし、何かと危なっかしく見えるから余計に心配になる。
返ってくる答えが「大丈夫」じゃなかったとき、ぼくは何ができるだろうか。

「……なあ、銘士、大丈夫か?」
――この先の話だけじゃなく、今のおまえも。聞きたかった言葉は、声に出せずにまた飲み込んだ。

*

「一緒にいて欲しい」と求められて、喜ばなかったといったら嘘になる。
同時に父のあの背中を思い出し、やはりもし自分が彼女を置いていくことがあったとしたらと恐ろしくなる。
恐れていながらも、一度小さな白い手を握った自分の指が、どうしても握り込んだまま開けそうにない。

「ぼくもおまえを一人にしたくない。一緒にいたい、と思う。
 だからこそ、情けない話だけど、もし銘士が一人になることがあったら、と思ったら……。
 ごめん。怖いんだ。仮にそういうときが来たら、銘士はどうする?」

どんな答えが返ってきたって離す気がないくせに、ずるい質問をした。

「……大丈夫か、なんてもう聞く必要もないんだろうな。おまえは本当に強いよ、銘士。
 きっともう大丈夫なんだろうけど、やっぱりおまえに寂しい思いはさせたくない。
 これはたぶん、ぼくのつまらない我儘だよ。ぼくだって銘士に離れてほしくないんだし。
 生きてる間もその後も、声が聞こえなくても、たとえ死んでもずっと一緒だ。
 銘士を一人にしない、約束する。……重い? 悪かったな、おまえの選んだのはそういう奴なんだよ」

「……あー、ただ一つだけ、もう下手な強がりはやめてくれよ。あれ、実は心臓によくないんだ」

*

母さん、いい加減に文句は聞き飽きたよ。
「これ」がぼくの仕事になったのは、そもそもあんたが先に死んだせいだろ。
見えてなかっただろうから一応言っとくけど、幸い父さんは最後は苦しい思いはしなくてすんだみたいだよ。
あーもううるさいな、十数年ぶりの二人っきりね、はいはい、邪魔者はさっさと出てくよ、まったく……。

……ぼくはもう森を出るけど、でも近々また会いに来るよ。
二人に紹介したい人がいるから。


◆企画元:ポラリスの英雄歌【illust/80979654
なにか不備などありましたらご連絡ください。

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2020-10-12 08:11:14 +0000