企画元:ポラリスの英雄歌【illust/80979654】
「つくった人はつかわない、もってく人はとっとかない、買った人には用がない、もらった人はごぞんじない。なぞなぞ遊びはお嫌いですか?」
■ イヨサルカ
25歳/女性/155cm
所属:緋獣国 総ポイント:50pt 運命数:2
母:アリアト【illust/83081340】 総ポイント:20pt
父:凶星の悪魔/アルマトゥーラさん【illust/83156973】
弟:ガレアさん【illust/84235923】
「《角の君》のことは存じておりますよ。母を訪ねてお見えに、ええ、わたくしたちきょうだいにも良くしてくださいました」
「ひと晩の嵐のためにすっかり鎧かぶとを着込んでしまうのはいけないことよ。その肌で直に触れてみなくてはね。姉さまが力になれることがあったら何でもおっしゃってね、ガレア、何でもよ」
スキル
【転変】魔性に変じる呪法。雲霞を纏う四足のけものに成る(痩身の豹)
【頑健】傷病や苦痛への耐性。子らに栄えあり。
▼ 婚姻関係:白雨国 コルウェンさん(illust/83916557)(9/15)素敵なご縁をありがとうございます!
雨雲が低く山肌を撫でて去っていった。
岩のおもてがしろく光り、風が池を伝って清かに草葉を揺らす。
下男の声にふと顔を上げれば夕映えに騎竜と人の影がいくつか。彼らだ。
快活な笑みで応と手を上げる、あの人も私を見つけたらしい。
――イヨ、来たぞ。元気にしていたか?
当たり前の顔をして訪れる季節をこうして出迎えるのも何度目か。
竜導師の訪れに所領は瑞々しく活気づく。土地を渡り業をしるす竜の血族、皆彼らが慕わしいのだ。
とりわけ彼ときたらここは何度来ても良いなどと、率直な物言いがどうにも面映ゆい。
帳簿をつけろよ、俺がここにいる間は見ているぞと世話焼きの軽口も忘れずに、変わらぬ素振りでまた私を喜ばせる。
わたくしは大丈夫よ。お決まりの返事をした。
*
文を開くと甘やかな香が漂う。思わずまめねと笑みがこぼれた。
その中に混じる微かな香木と獣の匂い。硬質な文面を和ますように幼竜の足跡が横切り、北方に坐す彼らの本院を思わせる。
幼い日、不思議な香について尋ねた私に門外不出だと彼は笑ってみせた。知りたけりゃお嬢さんも見習いから始めなくちゃな。そうして師父に小突かれていた少年も今では一団の代表を務めている。
次に来る頃には連れ合いが出来ていそうだな。ふと去り際の言葉が過ぎる。
それはきっとあなたもねとやり返してやればよかった。実直な在り方、その人となり。彼を好ましく思わない者などいるだろうか?重ねた年月に寄りかかっているのだ。
チチと鳥が鳴いて庭に目をやった。
あなたはやってきて、行ってしまう。ここにはいない。否、とうに私のなかにいる。
「そう。わたくしたちが夫婦、そういうふうにもなれるのね。
…あなたが一等大切よ。けれど離れがたいと思ったことはないの。わたくしはあなたの止まり木、道行きを共にはできないと分かっていたから。遠く離れた地にあって何ができるのかって、そればかりをずっと…ずうっと、」
「心、心ですって。そんなもの丸ごと差し上げるときまっているのに。だってコルウェン、あなたが欲しがるだなんて思わなかった。…うれしい、もう一度言って。だめ、もう一度よ」
*
ただいまと言われて、お帰りなさいと返す声は少し震えた。
顔を見合わせてどちらともなく笑い出す。
風がやわらかに薫る。またひとつ、季節が満ちていく。
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婚姻その他の関係につきましては運命数や所属を問わずご縁がありましたら幸いです。
展開におけるNGや来期以降に関わる決めごとはとくにありません。
地縁とおかねがあるので(この限りではありませんが)多少なり家を傾けたい気持ちです。
やり取りの目安として申請関係2~3日、そのほか1週間ほど頂く場合があります。
不在がちのため細やかな交流はできませんがどうぞよろしくお願いいたします。
2020-09-09 14:44:03 +0000