「なんだよこの魚が欲しいのか?しょうがないなあ」
■信天翁 真砂(しんてんおう まさご)
23歳/男性/190cm/俺、おまえ、あんた、ゆるい
■所属国:菫華国
運命数:9
所有pt:50(精神力:10、技巧:10、幸運:30)
スキル:燦海幸(さんのうみさち)
白く輝く光の球に翼の生えたような精霊を使役する。
この精霊は使役主の望む幸運を引き寄せるという。
(マサゴは釣りの浮き餌に使う以外に他人の不幸をほんの少しばかり霧散させる事にも使う。
魚はもちろん釣る)
前期:父親:信天翁 真人【illust/83249152】(20)
両親共に豊海沖太夫(とわだのおきのたゆう)という大きな白い海鳥の種族の若者。種族としては三十年前より徐々に数が減っているが、当種族たちの危機感は極めて薄い。
種族特有のおっとりした人生観を持ち、魚をねだる動物に甘い。
最近燦海幸で悪夢を見ている他人の、ほんの少しの不幸を燦海幸で吊り上げる技を覚えた。不幸はそのまま霧散してしまう。そういったちょっとしたお祓いの真似事で小銭を稼ぐ事もある。
喧嘩は苦手だが図体はでかいので怖くはない。
豊海沖太夫:とわだのおきのたゆうと呼ばれる大きな海鳥(アホウドリ)の化生。海鳥の姿にもなれる。
平均寿命は人間より少し長く、120年ほど。燦海幸は子が産まれる時に親のものから分裂して増える。精霊の一種。一人に一燦海幸。
小さな不幸は祓えても世界の不幸は途方もなく大きくて、陽光を反射する海面に目を細めながら釣り糸を垂れるだけ。
■婚姻について:素敵なご縁を頂きました!翠才国・イーシアさん【illust/83835621】
とある穏やかな昼下がり、釣れた魚をねだる猫に餌をやっていると不思議な雰囲気の少女に声を掛けられた。
「うん?猫が喋ったのかと思ったけどおまえさんが声かけてたのか、いや猫しか見てなかったから…。腹が減ってるならもう少し大きな魚やるよ、ついでに捌いてやろうか?」
イーシアと名乗る少女はそれからもちょくちょく足を運んでくれて、色んな物や言葉を交わした。
「貰ったハンカチだけどさ、あれ凄いな!暑い日におにぎりを包んでおくと腐らないんだ、いやこれは有難い……え、なんか使い方間違ってる?」
「あー今日は釣りしてるんじゃなくてただ糸を垂れてボーっとしてるんだ。波の形は変わり続けるし流れていく雲を見ているのも面白いし、ごちゃごちゃした頭がすっきりする」
「イーシアの話聞いてると色んな場所に旅するのも楽しそうだなって思うんだ。翠才国のイーシアの店、今度連れてってくれよな」
イーシアの手を握ると自分の手にすっぽり収まった。これが掌大の幸福と言う事なのだろうかとぼんやり考えながら、この人とずっと一緒にいたいと願った。
このまま小さな幸福を積み重ねて、俺たちなりの幸せを作り上げていくのだと。
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酷い嵐の夜、斜めに叩きつけるような雨。
雨に煙る視界の中に揺らぐ人影を見つけた。
あの先へ行っても民家はない、道に迷った旅人だろうかといつもながらのお節介心が疼いた。
困っているなら一晩の宿くらい貸してもいいかなと軽く考え、大きな声で呼びかけながら近づいた。
人ではない「影」と気づいたのはあと何歩ほどの距離だっただろう。
輪郭が揺蕩い、精気を感じない。正しい形を成さない「影」。
これはいけないと感じた時には目が離せなくなっていた。
その「影」に意識が奪われ、気づいた時には自宅にほど近い崖下で岩の下敷きになっていた。
「影」は自分を乗っ取り家族に害を成そうとしていたのだろうか?今更自分の甘さを悔いた。
あれを見つめてはいけなかったのだ。
偶然にも嵐による落石に遭ったから「影」は消えたのだろうか。
この身体は使えないと。
声が聞こえる。意識はあるが身体は動かない。己にのしかかる瓦礫の一部になったかのようだ。
身体を伝うものが雨なのか何なのか分からない。
シアが、子供たちが無事なら、それでいいか。
また、晴れたら、一緒に、釣りを。
企画元様【illust/80979654】
2020-09-09 13:55:59 +0000