※相当にパラレル推奨な未来のifに近いものです
かつて巻き起こった復活者の争乱より半世紀の後、ヴェルリアの地でとあるはがね人が個人用書庫代わりにしている納屋にふらりと客人が訪れた。
偏屈で知られるここの主人は最初すげなく追い返そうとした。しかし同伴者である騎竜騎士が恩のある知己の一番弟子であることを見て取ると少しの間だけの滞在を許した。
その客人は遠路はるばる異邦の大陸より船に揺られてきたもので、その地はかつて主人が色々と腐れ縁というかなんというか。兎角厄介千万極まりない御仁に送られた場所であった。彼の地では恩人の弟子の一人が道場を開いておりその客人はそこで青角の流儀を学んでいるのだという。
最初はガンライルにいる開祖である青角を訪ねて武勇伝や戦記録を漁る予定だったがたまたま港で一番弟子の娘と出会い、かの青角の武勇伝をまとめた一連の書物ならばここにもあるという事で連れてきたそうだ。
一番弟子にしてみれば青角の下に侍る我こそが宗家とでも言うべきであり妹弟子が海外に道場を構えて弟子を多く抱えているのが面白くないのだろう。実際彼が戦記録を繰る間もあちらの様子を尋ねたり開設する言の葉の端々に自分の方が格上だという自負がにじむ。
この後彼が無事に帰れるのか少し気にはなったものの、屋敷での立ち振る舞いや一礼して去る後ろ姿を見て まぁ、なんとかなるだろうと思うのだった。 ・・・多分。
お借りしました!
グラオザーム隻腕卿【illust/64288656】
姉弟子殿【illust/72966458】
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2020-09-02 14:25:32 +0000