古代メソポタミア文学「ギルガメシュ叙事詩」第12書板と、その元となったシュメール神話「ビルガメシュ神、エンキドゥと冥界」の16ページ漫画(※アレンジ多し)。
「ギルガメシュ叙事詩」第12書板は、第1~11書板の内容とはつながりがないので、パラレル番外編としてお楽しみください。
生きたまま冥界に行ったエンキドゥは、タブーを破って、帰れなくなってしまう…!
エンキドゥは二度死ぬ!? 原典がパラレル番外編! では、どうぞ!
【「漫画ギルガメシュ叙事詩まつり」お話一覧】
第1話 ギルガメシュ対エンキドゥ illust/74374700
第2話 怪物フンババ退治 illust/75788326
第3話 天の牡牛とイシュタル女神 illust/76370943
第4話 エンキドゥの死 illust/76621810
第5話 ギルガメシュ不死への旅 illust/76794920
番外編 ギルガメシュとアッガ illust/78764831
番外編 ギルガメシュ、エンキドゥと冥界 illust/81097417
【参考】
『新装版ギルガメシュ王の物語』司修画、月本昭男訳、ぷねうま舎、2019
『人類史から読む「ギルガメシュ物語」』岡三郎、国文社、2014
『シュメル神話の世界』(岡田明子、小林登志子、中公新書、2008)
『メソポタミアの神話』(矢島文夫、ちくま学芸文庫、2000(単行本は1982年)
◆ウィキペディアのSumerian literatureのリンク先のオックスフォードのサイトに載ってたGilgamesh, Enkidu and the Netherworldの英訳
https://en.wikipedia.org/wiki/Sumerian_literature
◆A.R. George“The Babylonian Gilgamesh Epic”2003
https://eprints.soas.ac.uk/1603/
これを境にギルガメシュ叙事詩研究が新ステージになったというジョージ本、SOAS Research OnlineでPDFダウンロードできるそうで…!今回は、1冊目の381/387あたりを見ました。
(『人類史から読む「ギルガメシュ物語」』には、これの翻訳が載ってる)
◆とらひこさまの動画
「ゆっくりギルガメシュ 第19~20.5話 ギルガメシュ、エンキドゥ、冥界」
(前編)https://www.nicovideo.jp/watch/sm26935811
(後編)https://www.nicovideo.jp/watch/sm26987925
(解説編)https://www.nicovideo.jp/watch/sm27031448
【原作にない主な創作部分】
ラスト、原典は、質問の連続で、いきなりオチもなくブッツリ終わるので、ラスト2ページのシーンは創作です。エンキドゥさん、2度目のお葬式をやってしまった…(創作です)。
【第12書板について】
◆前2600年ごろ(?)生きたとされる伝説のウルク王ギルガメシュ(実在したかは不明)。
シュメール語の伝承となり、アッカド語の古バビロニア版のギルガメシュ叙事詩となり……、シン・レキ・ウンニンニの書いた、ギルガメシュ叙事詩「標準版」が成立したのが前12世紀。
その「標準版」に、新アッシリア帝国時代(前1000~609年)になって、第12書板が追加されたのだという。
◆第1~11書板と、内容が全くつながっていない(死んだはずのエンキドゥが生きていて、また死んでしまうなど、矛盾がある)のですが、本編の最後が、ギルガメシュが不死を求めて失敗し、死は避けられないという話なので、「では、死んだらどうなるの?」という読者の疑問に答えるため、または、供養の大切さを主張すべく、死後のようすが描かれてるシュメール神話でのギルガメシュのエピソードをオマケとして追加した…と考えられているらしい。
◆第12書板の内容は、シュメール語伝承の「ビルガメシュ神、エンキドゥと冥界」の、後半部分(プックとメックをエンキドゥが冥界にとりにいくところからスタート)ですが、シュメール語伝承だとエンキドゥがちゃんと地上に戻って来るのに、第12書板だと、エンキドゥが「死霊」となって戻ってくるなど、違いがあるらしい。なんで「死霊」にしたんでしょうね…。
ところで、今回、オリジナル作品にチェックを入れてみたのですが、古典作品のアレンジ入りコミカライズって二次創作なのでしょうか…?(二次創作だろう、となったら、チェックを外しますね)。
2020-04-27 01:49:24 +0000