※時系列は第1章インターバルの時です...
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「本当に私があのカレーを食べなきゃいけないのですか……」
私はトルペドさんに涙の訴えを示した
「ハッハッハ!諦めるんだな、魔眼の嬢ちゃん!俺は食わないからな!」
時は少し遡る
クロガネバチの大群を粗方駆除し終えた後、アミス記士長が何やら巨大なカレー鍋を
ココハ・イズコ漂流団の方に全力で止められつつも、運んできたのだった
嫌な予感がして、そのカレーを覗いてみると……あのクロガネバチを煮込んだカレーだった
団員全員でこれを誰が毒見するかでアミス記士長を除けつつ、話し合っていた
結果、ジャンケンで決めることになり、ジャンケンの結果、私とトルペドさんが最後に残った
そして、運命のジャンケン―――――――
私は、見事にトルペドさんに負けた。3回勝負もお願いしたが、それも全部負けた。
「本当に、私が食べなきゃいけないのでしょうか……」
「さ、嬢ちゃん、是非とも味の感想を聞かせてくれよ!」
私は恐る恐る、クロガネバチカレーを口に運ぶ…………
金属特有の何とも言えないあの味が口いっぱいに広がった。食感も勿論、鉄の塊を食べているかのような硬さである。
何故、アミスさんは自信満々にこのカレーを運んできたのだろう……
涙を流しながら、味の感想を皆に伝えると、トルペドさんは腹を抱えて笑い出した
「ハッハッハ、それは可哀想なことだな!いやー、危ないところだったなぁ!!」
私は涙と怒りの表情をトルペドさんに向けた
「おう?どうした、魔眼の嬢ちゃ……」
ここぞとばかりに今回の戦闘で一切使わなかった魔眼をここで展開する
「カハッ………」
トルペドさんはあまりの不味さに血と泡を吹いて倒れた。私はしてやったりとここ一番に満足気な顔を浮かべる。
金属の味が口に残っていなければ、最高だったけれど―――――――
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ツイッターでわりかんさんとクロガネバチカレー【illust/79286649】の話をしていて、ずっと描きたいなーって思っていたら、最終章になってました(ホントすみません……)。
ランドヴェルグの方で不穏と絶望とエモ展開が繰り広げられすぎて、気が付いたら描いてました(
◆お借りしました!
トルペドさん(後ろ姿のみでごめんなさい!)【illust/79499788】
2020-03-25 15:21:38 +0000