「マホッ!マホホ!」
「あっいやその、怪しいものじゃあないんだ。その、歌が聞こえたものでつい……。
もし良かったら、この音倉珊草(おぐらさんそう)に君たちの歌を聞かせて欲しくて……」
「マホ~~~~???」
「(ものすごく疑いのまなざしを向けられている気がする……)」
「……ええと、練習中なんですけど、それでも良ければ」
■非公式イベント:歌声をください【illust/80259593】
(音倉珊草:芽が生えている姿【illust/80318180】)
男の話を聞くと、この珊瑚、歌を聞かせれば綺麗な声が出る実が成るかもしれないという。
──実際どうなるかは分からないが、とにかく試してみたいんだ。
少しだけ、照れたように微笑む男からは、妙に薄い、薄い、水の香りがした。
男の話を聞いて、マホドアはマアルを見上げる。
マホドアの視線を受けて、マアルは少しだけ、困ったように笑ったようだった。
「──私の歌が、いつかの誰かの発する『ありがとう』に繋がるのだとしたら……それは、とても素敵なことね」
いつか、最後になる、私の声が。
いつか、誰かの、糧になるかもしれない。
それは──、なんて、 。
ふつり、とマアルの考えがマホドアに念話のパルスを通じて、染み込むように伝わって、
嗚呼、と。
瞼の裏に弾ける色があった。
泣いてしまいそうなほどに柔らかで、胸に溶け込むこの色を、マホドアは知っている。
この色だ、と思う。
けれど、まだ足りない。
──まだ、足りないのだ。
とりあえず、マアルが音倉珊草とやらに歌を聞かせる間、この妙に匂いの薄くて、ガタイのわりに足音の軽い男が妙な動きをしたならば、すぐに飛び掛かれるようにしておこうとだけ、マホドアはひっそり決意した。
──そんなマホドアの視線を感じたのか、リン、と名乗った男は困ったように微笑んだ。
■マホドアの言う色の話:【novel/12464804】
(リンさんはシノビさんなので、匂いはほぼほぼ無くて、足音も軽かったらいいなという妄想から出たマホドアの印象なので、この部分は捏造ですすいません)
(マアルだったら海の香りも感じただろうか)(わからない)
(ぶっちゃけマホドアがリンさんに飛び掛かっても5秒で制圧されそうなのでただの警戒のポーズです)
時間軸や場所は例によってパラレルでお願いします…!
■お借りしました
音倉珊草のケース、中の様子がすごくかわいい……。
リンさん【illust/79026547】
■自キャラ
『繋がる先』それがもし、やがて誰かの糧となるならば、これほど嬉しいことは無い。
マアル・パハ【illust/79003395】・新大陸の夢マアル詳細【illust/79630708】
『色』は見つけた。けれど、彼にはまだ足りないらしい。
曲刀のマホドア【illust/79659099】
企画元:【illust/78509907】
(※テンプレサイズ、大きすぎて私の技量では上手く描けなかったので、1500×1500pixぐらいに縮小したのですが、不都合ありましたら集合絵にはスルーしていただいて大丈夫ですので…!)
2020-03-24 08:21:12 +0000