「なあ、アンタの家、泥棒が入ったんだって?大変だなあ」
「まいったよ。丁度純度が高めの星光石もはいったっていうのに。商売あがったりだ」
「…というわりにはそこまで落ち込んでいないな?」
「実はな、アンタもみたことがあるだろう?うちにあったデカい絵」
「ああ。あの布かけっぱなしになってたやつか?」
「そう、それだ。あの絵も盗んでいったのさ。マヌケな盗賊たちは」
「というと?」
「実はあの絵、借金のカタにとりあえず持ってきたんだがな。絵自体が不気味なのもあるが、飾っておくと夜に裏から血をながしやがる」
「うわあ」
「不気味だろ?だから倉庫にしまったんだが、今度は倉庫から夜な夜な母屋に聞こえるほどのうめき声をあげるんだ」
「うわあ…」
「とりあえず布をかけて部屋に飾っておけば血もながさないし呻かないってんで置いといたんだが…やっぱり怖いじゃないか、あんなものを手元においておくのは」
「確かになあ」
「だから逆に盗まれてラッキーなのさ。星光石はあの絵の回収費だとおもって諦めるさ」
「そういうことか。いやしかし、そんな呪いの絵画なんて存在するんだな」
「ああ。元の持ち主が言うには、どうも無名の画家の作品らしいんだが、自分の血をつかって描いた絵らしいぜ。描き上げた画家はそのまま狂って自殺しちまったって話だ」
「血を流すのも、うめき声も、無名のまま終わった画家の無念なのかねえ…怖い怖い」
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とある商家に存在していた呪いの絵画。
血を流したりうめき声をあげたりするといういわくつきの一品だが、盗難にあい、現在の所在は不明だという。
(サムネちょっと怖いかな?と思ったのでワンクッションおいてます)
◇お借りしました
ナジャスァーナちゃんとアジズさん【illust/78970622】
エゴールさん【illust/78975154】
弊社【illust/79086848】
(いろんなところフラフラしようとおもいます)
2020-01-31 16:00:39 +0000