◆霧花の寝台 ノシュト=ニーナ
ジーナ・ギュネシー (♀/22歳/169cm/20pt)
前期・母 霧花の寝台 ノシュト=ニーナ / エドナ(10pt)【illust/77082820】
「母様、少し助言を……う、分かっている。いつまでも母様に頼ってばかりではいられない。
でも私はまだまだ未熟だ。国の為にひとつでも多く学ばなくては。
だから指摘も批判もビシバシお願いしたい!……その後はちょっとだけ慰めてくれ」
前期開花・父 星喰らいの国ユルドゥズ / リュース・ギュネシ―【illust/77048792】
「父様見てくれ! 私の矢、全部当たったぞ!
?、くすぐったいぞ~父様! 小さい時もこうやって褒めてくれたな。
その度に嬉しくってもっと頑張ろうって思えたんだ。もちろん今もだぞ!」
前期開花今期 星喰らいの国ユルドゥズ / マニャン・ギュネシー【illust/77832586】
「いたいた!マー姉ぇー!元気だったかい?
へへ、なんだかマー姉に会いたくなってさ。そりゃ定例会あるけどさ~それとこれとは話が別!」
前期開花今期分家・兄 ヨナーシュ・ギュネシー【illust/78049692】
「確かにやることは多いよ。……でも、"やれること"だし"やりたいこと"だ。
ごめんなヨナ兄ぃ、心配してくれたのに。無理だけはしないって約束するから信じてくれ」
国・種族設定【illust/77082820】
ユルドゥズの"護り手"であった精霊とノシュトの民の血を引く。
精霊の血を継いでいるのでノシュトの民より寿命が長く成長も緩やか。外見年齢も実年齢に比べると幼い。
母に比べて頼りなく見られるのが悩みだが、もっと頑張ろうという活力にもなっている。
魔除けのベルは母方の祖父の遺骨から作られた物。
「あれらが何を目的に襲撃を繰り返しているのかは分からない。
だが、人を襲うというのなら黙って見過ごすことなんて出来るはずないだろう。
……せめて、多くのものが眠るこの土地で共に安らかに在って欲しいと思うよ」
◆開花(11/26)
メリエール・リュユスキュルさん【illust/77862883】
美しい白銀の一閃が霧を払った瞬間は、今も瞼の裏に焼き付いている。
「私は族長のジーナ・ギュネシーという。大切な客人を助けて頂き感謝する。
旅の方、ぜひ礼をさせて欲しい。そろそろ日も暮れるし、どうか我が国に立ち寄って頂けないだろうか」
護衛が間に合わず霧の獣に襲われた学者団を救ったのは、颯爽と現れた"勇者"と名乗る旅の一行だった。
その晩に催された宴席で詳しく話を聞けば、彼女達は各地を巡りながら仲間を集め様々な出来事を乗り越えてきたという。
「そうか……それはさぞ、実りの多い旅路だったのだろう。
貴殿の太刀筋は見事なものだった。我々のような素人に毛が生えたような者でも分かるとも」
「勇者殿。助けて貰ったばかりでこのような事を申し入れるのも図々しいが、少しばかりこの国に滞在しては頂けないか。
見ての通り、此処はあの獣に襲われていていつ取返しのつかない日が来るかわからない。
どうか貴殿とお仲間の力をお借りしたい。我々を救って下さらないだろうか」
*
勇者殿ご一行が国に留まって下さる事となり、霧の獣の討伐は劇的に変わった。
彼女たちは見様見真似で戦っていた民を的確に導き、負傷者は減る一方だ。
「勇者殿ー! お疲れのところ申し訳ない。今日逃げ遅れた民を庇って下さったと聞いた。
お怪我はされていないだろうか。……そうか、よかった!
ああ、民も無事だ。彼らはまだ越してきたばかりでな、少し怯えていたが勇者殿のお陰ですぐに立ち直っていたぞ。本当にありがとう」
「ん? 勇者殿、政のご勉強をされているのか。
なら学者先生方から為になる話が聞けるかもしれないな。話はつけておくから、気が向いたら訪ねてみるといい」
「勇者殿は私より年下だったのか!? い、いやその、佇まいが凛とされているだろう?
年若いのに堂々とされているのは天性のものだろうか……きっとご両親も素晴らしい方々なのだろうな」
彼女はその手で振るう剣のように真っ直ぐな人だ。
少女のようにあどけなく笑っていても、ひとたび戦いに身を置けば将として振舞う。
その姿は目を離せないほどに眩しくて、やがて私の中にひとつの火を灯していった。
*
眠れない夜に手頃な場所で杯を傾けていると、彼女が偶然やってきたことがあった。
「こんばんは勇者殿。散歩かい? 明るい夜だろう、霧のない日は月も星もよく届く」
「……あなた方が来てくれてから、民に笑顔が増えた。訪れる人々も以前より安心しているように思う。
私が不甲斐ないばかりに皆に不安を抱かせてしまった。感謝してもしきれない」
「はは、メリエール殿の周りに人が集まるのはよくわかるよ。
……あなたはきらきらしている。ほら、あの一等青く燃える真白の星にそっくりだ。
きっとこれからもその輝きにたくさんの人々が救われる、今の私たちのように」
空を見上げると、視界に滲むほどの様々な光が瞬いている。
やっぱりこの国の夜には月も星も明るすぎるのかもしれない。
*
「覚えているか? メリエール殿達がやって来た頃の討伐隊を。
――勇者殿。貴殿らのお力で我々はここまで強くなったぞ!
もはや霧の獣に後れを取ることもない!」
「ここまで何の縁もなかった国を守り、民の面倒を見てくれて、本当に感謝している。
長らく引き留めてしまってすまなかった。どうか最後に旅立ちのお手伝いをさせて欲しい」
本当はずっと此処に居てくれればいいのに、と思った事もある。
けれど彼女達は、広い世界を自由に旅する生き方が何よりも似合うから。
「いつでもノシュト=ニーナはあなた方を歓迎する。
我らが勇者殿、その旅路に女神ニーナの祝福があらんことを」
*
それから暫く経って。
遠い地を往く姿に想いを馳せるのにも慣れた頃、彼女は突然現れて言った。
騎士として私の剣になることを誓わせて欲しい――と。
「メリエール殿。あなたの誓いに、私は清く正しく在ることで応えたい。
あなたの剣を捧げるに足る者であったと、この生涯を掛けて証明しよう…!」
「そして、これは我が儘なんだ。……私にもきみを守らせて欲しい。
メリエール、私はきみが好きだから。
きみが決して独りになることなんてないよう、遠く離れてもいつもきみを想っていたい」
◆フェシーナの花々【illust/76345084】様
2019-11-17 01:58:55 +0000