「朽ちゆく世界にハナムケを」(illust/67637283)、アフター参加作品です。
「お届けしましょう、貴方の言葉、私の想いに乗せて」
--パトルラ・ディウィヤ--
女/23歳/165cm/ 一人称:わたし /二人称:あなた
所属:レフコニア 所有ポイント:220pt <前期170pt>+ <継続30pt>+ <イベント20pt>
父:ルラミヤ【illust/72023744】
「嫌よ、嫌。父さまより素敵な人じゃなくちゃお嫁になんて行かないの。
だけど、もし、もしもの話よ?運命の人が現れたら、その時は攫ってくれるのをおとなしく待ったりしないのよ。
フェール・イールの火山の頂までだって走って追いかけて射止めてみせるわ、絶対よ」
母:レゲネリ【illust/71549585】(170pt)
「母さま、どうして一緒におでかけして下さらないの?ひとりじゃさみしくて死んでしまうわ。
この前わたしの妹に間違われたの、まだ気にしてらっしゃる?わたしは母さまが妹でもちっとも構わなくてよ?」
兄:ラウレンス【illust/103742216】
「兄さま、どなたか好い方はいらっしゃらないの?あら、やきもちなんか焼かないわ。
姉さまができたら私を愛してくれる人が1人増えるでしょう?」
「もう!ひどいわ兄さま、絶対大丈夫って言ったのに!!あのお店の人ったら
『素敵なお兄さんとお姉さんがいていいわね~』なんて……。ああん母さま!母さまったら!!」
・
共に言葉を届け伝える力と植物を育む力を持つ両親のもと、
レフコニアの庭園に暮らす娘(という齢でもないのだが、本人はまだまだ娘気分である)。
子供の頃から周りの大人たちにちやほやされて育ったせいか自己肯定力がカンスト気味で、
おっとりしているが遠慮がなく、構われたがりの構いたがり。
角と額の石はセレスタイト、縁のある植物は梓(※ヨグソミネバリ呼ばわりされると怒る)。
お供に連れているのは溶岩の精霊とガーデンドワーフのタマズサ、通称タマチャン。
帽子の飾りにしているのは親戚に貰った赤の国の鳥の羽根。美味しいんですって。
・
まだ春遠い街角で、ひとりの娘が歌います
それは星降る国の昔話
嵐に攫われ二度と戻らなかった小鳥の歌
そうして空の彼方で小鳥がこぼした涙が白い雨になった?
「いいえ、いいえ、そうではないの」
身の内で響く誰かの言葉に怯えていた小鳥は
嵐の懐でようやくの安息を得たのです
誰の声にも侵されない、自分の心を得たのです
空を見上げるばかりだった飛べない小鳥は
いつしか地を蹴る足を手に入れて
今ではどこへだって駆けていけるのです
自分の名を呼んでくれる愛しい人のところまで
耳をすませば聞こえる気がします
身の内で響くたくさんの誰かの声に混じって
愛する嵐の歌を歌う小鳥の声が
ほんのかすかに、けれど確かに
それは星降る国のおとぎ話
春待つ国に響く小鳥の歌
ひらひらと舞う花びらを見上げながら、娘が笑って言いました
ひとりぼっちの小鳥はもういないのよ、と。
2019-10-02 13:07:53 +0000