私はそっと辺りを飛び交う火の精霊に語りかける。
『私の周囲にある火を全部集めて』
魔法士の手元にあった火も、人を燃やしていた火も、銃の中で燻る火種も。ありとあらゆる火が私の足元に集まってくる。
その火で作るのは大きな槍。全てを貫き、薙ぎ払うことのできる火できた大きな槍。
この槍には敵の魔法から奪った火も混ざっていて、当然魔力を帯びていて。そんなもの、魔力を持たない私にとっては毒でしかない。
毒であることなんてわかっている。でもその魔力を切り離す術を持っていないし、かと言ってこの火を取り除けば戦場には立てない。
火に込められた敵の魔力が槍を持つ手をじわじわと焼いていく。
「魔導商会タケミカヅチ所属、リュウェイプカ!我ら一族の火の神より加護を受けた火の娘!私に炎は効かない!倒したいなら己の持てる全てをぶつけてきなさい!例え切り刻まれようと、私はここに立ち続けるわ!」
槍を握る手は痛みを増していく。きっと、この戦が終わる頃には使い物にならなくなるだろう。もしかしたら腕を失くすやも.....いや、失くすのは、きっと...
(火の男神。あなたの娘でいられたこと、心より嬉しく思います。火の女神。この戦場に立ち続ける勇気を私に。火の夫婦神。どうかタケミカヅチの仲間に、行く末を照らす祝福の火を)
槍を握り締め、大地を蹴る
神よ、今、還ります
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最終日に滑り込み
リュイは戦場のどっかで槍振り回してます。本人は文字通り死ぬ気で戦ってます。撤退する気もないです
お手製の槍振り回してる女【 illust/72941542 】
2019-03-30 21:08:57 +0000