3枚目はミニ頭身なダイクンおじさんです。
公式展開の速さもさることながら、公式キャラの移動速度(おもにイーサンとオスカー)が早すぎて追いつかないッ!(笑)
主人なのにいつまで経ってもイーサンに会えない!このままではまずいと思い早馬をお借りしました。
(竜や飛行艇でも良かったんですが)
こちらの絵【illust/73493765】で
そういえばダイクンさすがに馬には乗れるよね?と思い返したので馬にしました。
ホースヒルで勝利をつかんだエルダーグラン同盟軍および
嵐の傭兵団本体に合流するという意味でタグは
「黎明の戦い【緑】」とします。
毎度ポエムが長くてすいません(ポエムは下にしました)
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↓お借りしました!
時系列や行動を束縛するものではございません。パラレル扱いでお願いします。
疾救のテルメズさん(馬形態)【illust/72992350】
勝手に尾行させてすいません!シンプルかつかっこいい見た目も口調も好みです。
リクハルド・ヤルヴィさん【illust/73043574】
(弓矢の扱い方の正確さは追及していませんのでご容赦を…)
↓以下、あらすじポエム
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エルダーグラン同盟の奮闘は灰色熊、ホースヒルでふたつの勝利をもたらした。
しかしそれはあまりにも残酷な勝利だった。
グレイベアでの戦いの後、イーサンに文を出した【illust/73482563】ダイクン
【illust/72987734】は南下しながら、
グレイベアの戦場で出会った【illust/73416906】
治癒術師テルメズ【illust/72992350】の治療を受けながら情勢を伺っていた。
村は俄かにざわついていた。
【illust/73549399】
とある花屋の男が馬車に乗った男に話しかけた。
「おい、どうした?何かあったんか?」
「聞いたか?ホースヒルの戦場、イーサン殿が…」
「イーサン様がどうしたと?!」
食ってかかるように肩をつかんできたダイクンに
肩をすくめて驚きながら、その移動商人の男は続けた。
「い、イーサン殿が…レスリー女王をなぶり殺しにしたって…」
商人はみるみるうちに顔をゆがめていく目の前の男におののきながら、
逃げるようにつけ添えた。
「おらも聞きかじった話だから、確かではないけども…」
ダイクンの全身から血の気が引いた。
確かかどうかは二の次だった。
その直感は、テイル王国での栄光を失ったあの時に似ていた。
なぜか、そう感じた。
(討った?!イーサン様が…弟君の盟友を??!
なぜ?!?討つはずが…そんなはずは!!)
(わが主人、愛しきわが主人に、堕ちた英雄に、
神はこれ以上、いったい何を課そうと言うのか?!)
「そんなはずはない!!」
ダイクンはその場でそう吠えあげると、
木につなぎとめていた商人の馬の荷をほどき、その背に飛び乗ろうとした。
その様子を見たテルメズが呼び止めた。
「おい待てよおっさん!そんな馬で走ってちゃ何日あっても追いつかないぜ!」
「止めてくれるな!急いでいるのだ!」
「まあ落ち着けって」
テルメズはそう言うとその場で立派な角をたたえた馬の姿に変化した。
ダイクンは一瞬あっけに取られたが、「背中を借りる!」と宣言すると
テルメズの背に飛び乗った。
ダイクンの脳裏に浮かんだのはイーサンだけではない、
ノーザリアに人質として嫁に行った妹フェリシアの安否も気がかりだった。
彼女の嫁ぎ先は、グレイベアの戦いでその命散らした剣聖エイデンに近しい親類だったからだ。
エイデンは聞きずに及ぶ人格者だと聞いていた。
婚礼の際、妹との別れを惜しむダイクンの元に、鮮やかな花の環が贈られた。
フェリシアが頼んだのか、エイデンが許したのか定かではないが、
そこには「私が居る限り、妹君のお命はお守りする。」という一文が添えられていた。
その文字は一般にはほぼ解読不能な古代テイル文字(炎神継承文字)であった。
北の老将エイデンがそれをたやすく知るはずがなく、教えたのはおそらくはフェリシアであった。
花輪に添えられていたフェリシアの煌石がそれを物語っていた。
フェリシアはエイデンある限り安泰だ…。ダイクンはそう信じていたのだ。
かといって、追われた身を受け入れてくれたエルダーグランの地、
ギデオン、そして精霊王の情けに感謝と畏敬の念が無いわけではない。
ただ、エイデンの死という回答とともに侵攻を跳ね返したエルダーグランに対して、
北の巨大帝国ノーザリアがどういう手に出るか、もはや想像がつかない。
エイデンの庇護が無くなった彼女がどんな立場に追いやられるか…。
ダイクンの心は三つに引きちぎれそうだった。
ダイクンが身にまとった軍装はテイル王国の近衛騎士団の装備を元に、
ファイアランドの赤、をエルダーグランの緑がつつみ、
ノーザリアの白をまとったものである。
もっとも、白はテイル王国の近衛騎士の証でもあった。
いま、その3つの、いや4つの魂が、自分を、イーサンを、
フェリシアとも引き裂こうとしている。
走れ!走れ!…走れ!…
あの日、イーサンが故郷を追われたあの時、
ともにエルダーグランへの亡命の道を今、逆走しているのだ。
ダイクンが操る一角馬の姿は目立ち過ぎたのか、
それを尾行するひとりのノーザリア兵の姿があった。
「なんだべ…あの姿、ファイアランド兵にも見えるけども」
「足止めしておく価値はありそうだ」
するどい目つきに似合わず素朴な口調のその弓兵はそう言うと、
走り去る馬とダイクンに向かってゆっくりと弓を引いた。
ダイクンは馬上で祈っていた。
(どうか私をイーサン様の元へ連れていっておくれ…)
2019-03-07 14:07:19 +0000