【PFLS】それぞれ足跡の上【谷間の戦い】

エイリ/PF専用垢

※コチラの作品は行動制限の意図等ありません。罵詈雑言はいてる悪口描写を含みます。寛容な言葉で。不都合問題、間違い等ありましたらパラレル魔法の発動おねがいします。

「おい、ボース、たいへんだぁ。ケガさしてる人がおるぞ。」
「ふんっこの辺で怪我人なら先の戦闘で手負った敵国の人間だ放置しておけ。」
「バカいうでねぇ!医者にとって、目の前に怪我人さおったらたすけるもんだぁ。」
「あーそうか。オレは正式な医者ではないんでな。節介をやくなら好きにしろ。オレはしらん。」
「まったく、おめさんは薄情なやつだぁ、天罰があたっど!」
「さっさといけ、ハゲ。」
マッチで火をつけながら、汚れた雪原を眺める。さまざまな破片や燃えカス。
よく判らないものが地面に落ちている。

汚い。

さっさと戦場など抜けたいのに、人好しのバカは敵かもしれない人間にのこのこと近づいていくし。
本当に昔から、わずらわしい男だ。
何故、自分がそんな男の傍ですごすようになったのかもよく思い出せないが。
一応彼が近づく先の相手が攻撃を仕掛けた場合の相殺魔術の展開を始める。初手から強撃でもこなければ目くらまし程度にはなるし距離も取れる。

相手は、攻撃こそしなかったが、ウスノロなハゲジジイあいてにこぶしを構え威嚇をする。
「キサマらノーザリアのやつらだな!!??カリウスとかいうやつの仲間か!!?」
「へぁ!?わ、ワシはノーザリアのもんだけんど、そうじゃねぇ、騎士団のっていうかえっとえっとぉ、けがさしてるみてぇだからな。」
本当に臆病なくせに前に出るからそうなるのだ。
しり込みするでかいケツを蹴飛ばし転んぶ友人を一瞥すると、威嚇する獅子と、深手を負ったらしい猪の獣人に声をかける。
「おい、ブタヤロウ。」
「ぶっ!?」
初対面で口の悪い人間はそこそこにいるが。さすがに老人から向けられた第一声の口の悪さに痛みとは別に硬直をするグリコに近づき傷を眺め口を開く。
「さっき、そっちのやつが、カリエスとかいったな。そのキズはカリエスにつけられたものか?」
「……ええ。」
ここでカリエスの信奉者や、関係者ならば追撃をくらうだろう。けれど、まっすぐに見る。感情が見えないその目を見据えながら、正直に答える。
「おい、ホーテ、道具出せ、気が変わった。治療する。」
「んぁ?ほんとうか?」
「嘘なんてつくか、そこのデカブツも、ばかみてぇに構えてねーで傷あるならさっさと見せろ。こっちだって敵国と仲良しこよししてるのが見咎められたら説明が面倒なんだ。」

最初こそその口の悪さと態度の悪さ、粗暴さに困惑させられたが、応急処置だとその辺の水ではなく。
手持ちの水筒に入った水を浄水、道具を煮沸、消毒を進めながら、続ける。
「言っておくが、カリエスと知り合いや親しいなんて死んでも思ってくれるなよ。俺は何十年か前、アイツに絡まれて迷惑したし。思想的に合わん。だから、今アイツが直接手をだすほど何らかの私怨があるお前らを助けて間接的に嫌がらせをしたいから助けるだけだ。」

きっぱりと最低な事を言い切る。
隣で道具の手入れと準備処理をしながら、ホーテがため息を付き苦笑いを浮かべる。
「ワシはよぅしらんけど、コイツの腕はワシよりえぇから安心してくれ。もう少ししたら痛みも引くはずだぁ。」
絶賛思春期のような口の悪さのジジイと絵に描いたようなおじいちゃん医者に最初こそ疑いながらも。
毒気を抜かれ、ポカンとしているうちに二人の傷は低級治癒魔法でできる範囲での止血や簡単な縫合が終わる。
「こんなもんだろう。おい、お前らどこに行く予定だ?」
「はぁ?」
拠点に案内しろとでも言うのかとジャッファが再び声を荒げるが、聞く耳を持たないという顔で
「そっちのブタヤロウはまだ歩くのが辛いはずだ。テメェも軽傷とはいえ、無傷ではないようだしな。このハゲが都合のいいとこまで運んでやる。」
「え?ワシ?おめさんのが荷物ねぇじゃねか。」
確かにそうだタバコ以外大した荷物も持ってるようには見えない口の悪い猫獣人のジジィに対してハゲた獅子獣人は人一人入りそうなほどの医療道具の入ったカバンを持たされている。

「お前が助けるって言い出したんだろ。最期まで責任持てよ。」

いや、お前が気が変わったとか言ってただろう?と、満場一致の反論はあるものの、この気まぐれなジジィは聞かない事も容易に想像が付きそれぞれがため息を付く。
「ほんとう、なんて日だ。」
さきほどまでノーザリアに即効でも殴りこむつもりだったジャッファは苦いため息を吐く。
自身の家族を奪ったノーザリアという国が嫌いだった、ノーザリアにいる人間はことさら嫌いだった。
それなのに、今なんのメリットもなく人助けをしているのもノーザリア人なのだ。

ジャッファの気持ちのぐるぐると胸の中で渦巻く不快感は刺激される。

「……。」
狙われる前に移動するぞと先を歩いていたボースが足を止める。
何かを拾ったかと思えば、先の戦闘で使われたマッチ箱の空箱。
「ほぅ……」
先ほどまでの不機嫌な表情とは別にすこしだけ愉しそうないやらしい笑みが口元に浮かぶ。
「なぁ、お前たちここで戦っていたのだろう。助けた礼はいらんとおもったが。一つよこせ。」
「な、なにをです。」
「このマッチを使ったやつや、現象を見たか?」
酷薄に薄く細められる翡翠色の双眸と唇を歪める。
その表情はまるで、そのマッチを擦り、微笑むあのツインテールの少女を思わせる……。

【お借りしました】
ブタさんよばわりしてごめんね。ケガは止血、縫合してあります。グリコさんillust/72939690
擦り傷なんかは治癒魔法で塞いでキレイキレイしておきました煽りたおしてごめんジャッファさんillust/72939791
この場にいないのにサンドバッグのごときボッコボコに言って申し訳ありませんカリエスさん。illust/73296790

うちのデコボコじじSillust/73108623

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2019-03-06 15:30:07 +0000