エイリ/PF専用垢【成分一覧】
嘘
虚飾
真実少々
製造元・ボースハイト血統ふしあわせのマッチ売り ミセリアillust/72965298
illust/73426302の直後
なんやかんやあってラスアイアンさんが去り。illust/73414018
「ありがとうだニャン！」
先ほどまで共闘していた、主であるゴートを突き飛ばし。
いたいけな少女のような顔で、そっと乱入してきた少年の手を握り締める。
「え、えっと。おねーさんは……。」
「あそこで、大変な事になってるマスターのお世話になっているから、出来る限り、力になろうとしたのだけど、力足らずで困っていた者だにゃん。さっきみたいな状況で、”仕方なく”戦闘に参加していたのだけど……。みんな強くて、とにかく、とっても怖かったんだニャン！君みたいな勇気ある子が助けてくれて本当に、本当に！！うれしいニャン。」
涙まで浮かべ、ギシターの正式な配下ではないくせに、都合よく捏造した仲間宣言と、一片の曇りのない嘘を並べる。
「そ、それならよかった。」
遠巻きに攻撃を繰り出していたようにも思えた半獣の少女だが、怯えまじりの安堵した表情。
ぎゅぅっと話すたびに、恐怖を思い出すように力の入る指と、並べられる言葉に圧倒されタムはポカンとしてしまう。
「あやつ……」
遠巻きに振りほどかれたゴートが、呆れるような、気色の悪いものをみるような視線を向けながら歯噛みをする。
ミセリアを捕食対象が現れるまでの代用にしながらも、食うにいたらないのは。
こういうところである。
根から、根性が腐っている。純粋な信仰から悪堕ちした魔女たちなどよりもっと悪質な少女の皮をかぶった悪党だからだ。
「ははは、ゴートよりよっぽど悪党じゃないか？」
コロコロと笑いながらズタ袋のようになった死体を引きずりながら追いつき笑うノインに、言うないうように渋い顔で返すと。
その隣から、ぬっと空間が割れ
「ソレ、バアルさんもみたいなぁ、どっちむけばいい？」
と、肉弾になれば劣勢な自分や、ミセリアの回収は任せろといっていたバアルの指が、空間から生えてくる。
「他人事だと思いおって。」
「おい！！ミセリア！！こっちだ！！」
「ん、わかったにゃ！！」
呼び止められ、残忍な笑みを浮かべるノインと交代に、後方へと引く準備をするゴートの元へ戻る。
だが、離れる前に一度戻り、そっとタムの手にあるものを握らせる。
「申し訳ないけど、私にはこの場で出来ることはもうないようだし、先に離脱させてもらうニャン。今回は何も出来ないけど"何か"あれば、コレを、役立ててくれれば嬉しいニャン。」
「これは？」
「ふふ、私のとっておきの売り物だニャン。」
とびきりの笑顔で、去っていくが。
タムが戦場へと振り返る刹那、彼の背後から、遠巻きに悪と対峙する正義の男を冷たく見据える。
誰かの夢を？希望を、生き方を踏みにじる事を許さない？
ああ、首筋が痒くなる。
善人とは悪質だ。
正義とは凶悪だ。
自身が汚いことを知っている。
自身が望む事が他人の不幸だと理解している。
その上で欲のためだけに生きているが。
貪欲な悪党よりももっと腹の中ではエゴイストなくせに。キレイごとを並べるやつも、ヒトを信用するやつも。
気に食わない。
だから、謗られようが、この不幸のマッチを。
善人に、キズを負った人間に。
希望という未来の変わりに、絶望という思い出を見せるため与え続ける。
ただ、何もかも、すべて暴かれたヒトがそれでも夢を見、立ち向かうのかを試すように。
※こちらの作品はそれぞれの行動に干渉するものではありません。不都合等ありましたらパラレル魔法おねがいします。
不幸せのマッチにつきましては廃棄、活用、リメイクお好きにしていただいてかまいません。
戦場にはトラウマを具現化する煙を放つ炎を放っていますが。
有効範囲はご随意で。お好きなように活用ください、ゲズとロリコンは逃げます。
【お借りしました（文章だけも）】
愛らしい愛らしすぎて不幸にしちゃいたいタムくんillust/73092998
無邪気に追い討ちノインさんillust/72957844
指だけでおちゃめなお迎えバアルさんillust/73149930
純粋の正義を信じない猫から見た正義のヒト、グリコ先生illust/72939690
ゲスとロリコンillust/72965298
2019-02-28 08:50:19 +0000